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リニューアルで店舗面積2倍MUJI旗艦店で新たな船出(上)

生活雑貨ブランド「MUJI(無印良品)」を展開する良品計画(東京都豊島区)は22日、シンガポールの旗艦店をリニューアルオープンした。店舗面積を従来の2倍に拡大。生活雑貨の商品数を増やすとともに、生活空間を提案する新たなサービスを始める。地元の嗜好(しこう)を取り入れた製品づくりや、現地の生活に適応したサービスの提供を開始するなど、新たな船出を迎えた。【大友賢】

MUJI(シンガポール)は旗艦店を2倍に拡張し新装開店した(左から4人目が大西MD)=シンガポール中心部(22日、NNA撮影)

中心部ドビー・ゴートの商業施設内にある「MUJIプラザ・シンガプーラ店」で、隣接する店舗エリアを確保し、店舗面積を3,500平方メートル超に拡張した。1フロアで3,000平方メートルを超える面積はMUJIの店舗では世界最大級だ。
取扱商品は15カテゴリー、約3,000品目に拡大した。男性用、女性用のアパレルはフルコレクションで、食品の商品レンジには冷凍食品を追加。店内のレイアウトは従来のような「詰め込み型」ではなくカテゴリーごとに分類し、来店客が理解しやすい「体験型」に切り替える。
来店客に時間をかけて商品を見て回ってもらうため、店舗の中央付近に国内の伐採木を使用した丸太椅子を設置し、休憩スペースを設けた。現地で好評を得ている「MUJIカフェ」も営業。従来店舗よりも客席スペースを拡大している。
MUJIプラザ・シンガプーラ店は、東南アジア地域の旗艦店として2017年に開業。店舗面積は域内で当時最大の約1,600平方メートルだった。良品計画のグローバル事業の中でも同店は高い集客力と売り上げを誇るが、競合他社と比較すると店舗の規模が小さく、日本の無印良品の店舗と比べて商品数や事業範囲が狭かった。
現地法人のMUJI(シンガポール)はこの点を改善点に掲げ、同国進出20周年となる今年、旗艦店のリニューアルを実施した。
■リノベーション事業始動
今回のリニューアルオープンの目的は、店舗を広くして多くの商品を扱うことだけではない。目玉となるのは、自宅の改装サービスである「MUJIリノベーション」事業の開始だ。
MUJIの商品を用いたリノベーションサービスは、既に日本や台湾で展開している。シンガポールで始めるにあたり、現地の独特な住環境である公営住宅(HDBフラット)に着目した。シンガポール人の約8割はHDBフラットに住んでいる。
新旗艦店では、平均的な持ち家である「床面積91平方メートル、台所とトイレを含む4部屋の住宅」を、MUJIの商品で仕立てたモデルルームとして店舗内に設置した。公営住宅は広さに限界があるため、MUJIの本棚で部屋を2つに仕切るなど、空間の有効利用などの提案につなげたい考えだ。

新事業「MUJIリノベーション」のモデルルーム。新装開店祝いの獅子が舞った=シンガポール中心部(22日、NNA撮影)

■地元との関係性を強化
「地域とのつながり」も強化する。従来も地元企業が製造した木製品などの商品を店頭で販売していたが、新たに現地の自転車メーカーが製造するミニベロと呼ばれるタイプの自転車の販売コーナーを設置。同メーカーの通常製品とは異なるカラーペイントを施した独自仕様で販売する。
最終製品を製造するメーカーが少ないシンガポールでは珍しい取り組みとなる。MUJI(シンガポール)は販売のみを担当し、メンテナンスや修理、部品交換などのアフターサービスは自転車メーカーに委託する。
MUJI(シンガポール)の大西克史マネジングディレクターは「地元の人たちに『メイド・イン・シンガポール』を体験してもらいたいという思いで自転車の販売を決めた」と説明した。
「オープン・ムジ(OPEN MUJI)」という常設のイベントスペースも設ける。地元企業や日本企業が、それぞれ物産を紹介したりイベントを開催したりできる場だ。
不定期での期間限定開催だった日本の地域物産紹介の場である「つながる市(Community Market)」も常設にする。食品から工芸品まで幅広く出展し、人気の商品は長期間販売できるようにする。
大西氏は「日本企業には海外進出の土台にしてもらい、シンガポールの人たちには日本人でも知らない日本の良いモノを知る機会にしてもらいたい」と述べた。
※「下」のインタビューに続く

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取扱商品は15カテゴリー、約3,000品目に拡大した。男性用、女性用のアパレルはフルコレクションで、食品の商品レンジには冷凍食品を追加。店内のレイアウトは従来のような「詰め込み型」ではなくカテゴリーごとに分類し、来店客が理解しやすい「体験型」に切り替える。
来店客に時間をかけて商品を見て回ってもらうため、店舗の中央付近に国内の伐採木を使用した丸太椅子を設置し、休憩スペースを設けた。現地で好評を得ている「MUJIカフェ」も営業。従来店舗よりも客席スペースを拡大している。
MUJIプラザ・シンガプーラ店は、東南アジア地域の旗艦店として2017年に開業。店舗面積は域内で当時最大の約1,600平方メートルだった。良品計画のグローバル事業の中でも同店は高い集客力と売り上げを誇るが、競合他社と比較すると店舗の規模が小さく、日本の無印良品の店舗と比べて商品数や事業範囲が狭かった。
現地法人のMUJI(シンガポール)はこの点を改善点に掲げ、同国進出20周年となる今年、旗艦店のリニューアルを実施した。
■リノベーション事業始動
今回のリニューアルオープンの目的は、店舗を広くして多くの商品を扱うことだけではない。目玉となるのは、自宅の改装サービスである「MUJIリノベーション」事業の開始だ。
MUJIの商品を用いたリノベーションサービスは、既に日本や台湾で展開している。シンガポールで始めるにあたり、現地の独特な住環境である公営住宅(HDBフラット)に着目した。シンガポール人の約8割はHDBフラットに住んでいる。
新旗艦店では、平均的な持ち家である「床面積91平方メートル、台所とトイレを含む4部屋の住宅」を、MUJIの商品で仕立てたモデルルームとして店舗内に設置した。公営住宅は広さに限界があるため、MUJIの本棚で部屋を2つに仕切るなど、空間の有効利用などの提案につなげたい考えだ。
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■地元との関係性を強化
「地域とのつながり」も強化する。従来も地元企業が製造した木製品などの商品を店頭で販売していたが、新たに現地の自転車メーカーが製造するミニベロと呼ばれるタイプの自転車の販売コーナーを設置。同メーカーの通常製品とは異なるカラーペイントを施した独自仕様で販売する。
最終製品を製造するメーカーが少ないシンガポールでは珍しい取り組みとなる。MUJI(シンガポール)は販売のみを担当し、メンテナンスや修理、部品交換などのアフターサービスは自転車メーカーに委託する。
MUJI(シンガポール)の大西克史マネジングディレクターは「地元の人たちに『メイド・イン・シンガポール』を体験してもらいたいという思いで自転車の販売を決めた」と説明した。
「オープン・ムジ(OPEN MUJI)」という常設のイベントスペースも設ける。地元企業や日本企業が、それぞれ物産を紹介したりイベントを開催したりできる場だ。
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