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《日系進出》リユース市場で日系存在感セカストも進出、10年で50店舗へ

日本のリユース店がタイで存在感を示し始めている。「トレジャー・ファクトリー」「ワットマン」「コメ兵」「エコリング」「ハードオフ」が首都バンコクを中心に複数店舗を展開。きょう20日には、ブランド古着に強みを持つ「セカンドストリート」がタイに進出し、10年で50店出店を目指す。タイのリユース市場は、ファッションアイテムだけで年間18億バーツ(約73億円)規模に到達。2027年まで2桁成長が続くと期待されている。

セカンドストリート(タイランド)の片山社長(左)と1号店のマカカス店長。広々とした1号店にはブランド別、スタイル別などでアパレル商品が並ぶ=16日、タイ・バンコク(NNA撮影)

ゲオホールディングス(名古屋市)が展開するセカンドストリートは20日、バンコク・ラマ4世通りの商業施設「ビッグCプラザ」内でタイ1号店を正式開業する。16日にはSNS(交流サイト)で事前に来店申請した人などに限定したプレオープニングを開催。ファッション感度の高いタイ人消費者やバンコク在住外国人が多く訪れた。
■訪日旅行で認知
1号店の面積は約205坪(約678平方メートル)。日本の約800店舗で買い取りした「ルイ・ヴィトン」などの高級ブランド、「シュプリーム」「パタゴニア」といったストリート・アウトドアブランド、日本のセレクトショップなどの衣料品、バッグ、靴、アクセサリーを約2万点取りそろえた。
プレオープニングに訪れたタイ人男性ボートさん(32)はNNAに対し、セカストには「日本で何度も行ったことがある」とコメント。1号店のプレオープンはSNS「インスタグラム」で知ったといい、「きょうは子ども服をたくさん買った。セカストは値段が安くていい。今後も通うと思う」と笑顔を見せた。
セカストにとってタイは、米国、マレーシア、台湾に続く4カ国・地域目の海外進出となった。タイ法人、セカンドストリート(タイランド)の片山明人社長は「タイは東南アジアの中で発展が進み、都市部人口の増加も続いていることから進出を決めた」と語る。また、タイは「衣料品輸入の関税が高め」で海外ブランド品が割高であること、平均給与が大きく異なるにもかかわらずタイ人と日本人のアパレル資産(所有するアパレル品の価値)にあまり差がないことから、買い取りも含めてリユース需要が大きいとみている。
片山氏は「米国や台湾でも認知度が高かったが、ユーチューバーなどのおかげでタイでも思いのほか認知度が高い」と指摘。ボートさんのように訪日旅行でセカストを知っているという層の来店にも期待する。
■「手ごろさ」好評
Tシャツは200~300バーツ程度から、高級ブランドのバッグも1万バーツ以下からそろえた。プレオープンに訪れた客からは、手ごろさを評価する声が多く聞かれた。
タイ人女性のブイさん(30)やリサさん(29)は「グッチのバッグが手に届く値段なので、買おうか迷っている」「服もバッグも手ごろで、商品を見るのが楽しい」などとコメント。バンコクで働く30代のロシア人男性からは「ブランドのセレクションも値段もいい」、20代の中国人留学生カップルからは「クオリティーと値段のバランスがとれている」といった声が聞かれた。

セカンドストリートの1号店は今後の出店を見据え、倉庫の併設が可能で物流利便性の高い物件を選んだ=16日、タイ・バンコク(NNA撮影)

片山氏はタイでの出店について来年度(24年4月~25年3月)に3店、24/25年度に5店の追加を見据えているとコメント。長期的には10年で50店舗を目標に掲げる。タイでは買い取りも行う。半年後には、販売商品の3割を国内買い取り品とすることを目指している。
セカストは18年に進出した米国で31店、20年進出の台湾で26店を展開するなど、海外でも急速に店舗数を拡大している。

■トレファクも4号店
16年にタイに進出した総合リユースショップのトレジャー・ファクトリーは15日、バンコクの地下鉄(MRT)「ラマ9世駅」近くで4号店を開業した。小林英治・取締役兼経営企画室長によると、タイ法人トレジャー・ファクトリー(タイランド)の売上高は年率30%程度の成長率で伸びている。タイ法人の吉田俊介マネジングディレクターは開業初日、「既存3店が順調だからこそ4号店を開業できた」と喜びをあらわにした。
4号店は午前10時の開店と同時に店内にダッシュする客の姿が見られるなど、開店直後からにぎわいを見せた。店内には高級ブランドのバッグから各種アパレル商品、家具・家電、食器、生活雑貨、おもちゃ、楽器など1万点以上の商品が並ぶ。吉田氏は「15バーツの低価格から、幅広い商品を取りそろえていることが他社にはない当社の強みだ」と胸を張る。

トレジャー・ファクトリーは15日にタイ4号店をオープン。開店直後から多くの客が訪れた=タイ・バンコク(NNA撮影)

開業初日に訪れていた30代の女性客と男性客はそれぞれNNAに対し「トレファクは必要なものが何でもそろうからすごい」「品ぞろえがこんなに豊富なリユースショップはほかにはない」とコメント。30歳の女性客が「商品がここまで整理整頓され、清潔なリユースショップは見たことがない」、59歳の女性客が「質の高い日本の製品が購入できる」と語るなど、日系ならではの「質」を評価する声も複数聞かれた。
■リユース需要「日本以上」
小林氏は「タイは日本以上にリユース品へのニーズが高いと感じている」と語る。タイの消費者の多くがモノを「最後まで大切に使う」ほか、壊れても自分たちで修理して再利用するなど「リユースの考えが根付いているようだ」と分析。販売では食器、ホビー関連商品、家具など、買い取りでは衣類で、特に需要が高いという。
同氏によるとタイには個人が中古品を売買できるオンラインサイトなどもあり、多くのタイ人が利用している。ただ、同社のような店舗買い取りでは「その場で査定して買い取り金額を受け取り、短時間で完結できる」というメリットがあり、同業の店舗数が増えれば、売りに来る人も増えてリユースのサイクルがさらに活性化されると期待感を示した。

トレジャー・ファクトリーはブランド品から家具・家電、ホビー商品まで幅広く取りそろえる=15日、タイ・バンコク(NNA撮影)

トレファクのタイ店舗には一部、日本から輸入した商品も並ぶが、既に8割がタイ国内で買い取った商品となっている。同社は当面の目標として、タイでバンコクを中心に30店舗の展開を目指している。
■中古ファッション市場が2倍へ
タイのサイアム商業銀行(SCB)傘下の研究所SCBエコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)は12月、タイの23年の中古ファッション市場が推定18億バーツ規模になったとするリポートを発表した。実店舗やオンラインプラットフォームの増加で中古ファッションアイテムが入手しやすくなり、多くのタイ人消費者が古着を受け入れるようになったと指摘する。
タイの女性向けセレクトショップ「SOS」が22年に中古アパレル商品販売サイト「サイクル・バイSOS」を開設するなど、地場の間でもリユース市場に参入する動きが出ている。またバンコクには古くから、北部の巨大な中古・ビンテージ品市場「パタビコーン・マーケット」、中古・ビンテージ品を売る店が多く並ぶチャトゥチャック地区の「レッド・ビルディング」といった施設が存在している。
SCB EICは、タイの中古ファッション市場が27年まで年15~23%の成長率で拡大し、27年には23年比約2倍の35億バーツ近くに達すると予測している。

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■訪日旅行で認知
1号店の面積は約205坪(約678平方メートル)。日本の約800店舗で買い取りした「ルイ・ヴィトン」などの高級ブランド、「シュプリーム」「パタゴニア」といったストリート・アウトドアブランド、日本のセレクトショップなどの衣料品、バッグ、靴、アクセサリーを約2万点取りそろえた。
プレオープニングに訪れたタイ人男性ボートさん(32)はNNAに対し、セカストには「日本で何度も行ったことがある」とコメント。1号店のプレオープンはSNS「インスタグラム」で知ったといい、「きょうは子ども服をたくさん買った。セカストは値段が安くていい。今後も通うと思う」と笑顔を見せた。
セカストにとってタイは、米国、マレーシア、台湾に続く4カ国・地域目の海外進出となった。タイ法人、セカンドストリート(タイランド)の片山明人社長は「タイは東南アジアの中で発展が進み、都市部人口の増加も続いていることから進出を決めた」と語る。また、タイは「衣料品輸入の関税が高め」で海外ブランド品が割高であること、平均給与が大きく異なるにもかかわらずタイ人と日本人のアパレル資産(所有するアパレル品の価値)にあまり差がないことから、買い取りも含めてリユース需要が大きいとみている。
片山氏は「米国や台湾でも認知度が高かったが、ユーチューバーなどのおかげでタイでも思いのほか認知度が高い」と指摘。ボートさんのように訪日旅行でセカストを知っているという層の来店にも期待する。
■「手ごろさ」好評
Tシャツは200~300バーツ程度から、高級ブランドのバッグも1万バーツ以下からそろえた。プレオープンに訪れた客からは、手ごろさを評価する声が多く聞かれた。
タイ人女性のブイさん(30)やリサさん(29)は「グッチのバッグが手に届く値段なので、買おうか迷っている」「服もバッグも手ごろで、商品を見るのが楽しい」などとコメント。バンコクで働く30代のロシア人男性からは「ブランドのセレクションも値段もいい」、20代の中国人留学生カップルからは「クオリティーと値段のバランスがとれている」といった声が聞かれた。
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セカストは18年に進出した米国で31店、20年進出の台湾で26店を展開するなど、海外でも急速に店舗数を拡大している。

■トレファクも4号店
16年にタイに進出した総合リユースショップのトレジャー・ファクトリーは15日、バンコクの地下鉄(MRT)「ラマ9世駅」近くで4号店を開業した。小林英治・取締役兼経営企画室長によると、タイ法人トレジャー・ファクトリー(タイランド)の売上高は年率30%程度の成長率で伸びている。タイ法人の吉田俊介マネジングディレクターは開業初日、「既存3店が順調だからこそ4号店を開業できた」と喜びをあらわにした。
4号店は午前10時の開店と同時に店内にダッシュする客の姿が見られるなど、開店直後からにぎわいを見せた。店内には高級ブランドのバッグから各種アパレル商品、家具・家電、食器、生活雑貨、おもちゃ、楽器など1万点以上の商品が並ぶ。吉田氏は「15バーツの低価格から、幅広い商品を取りそろえていることが他社にはない当社の強みだ」と胸を張る。
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開業初日に訪れていた30代の女性客と男性客はそれぞれNNAに対し「トレファクは必要なものが何でもそろうからすごい」「品ぞろえがこんなに豊富なリユースショップはほかにはない」とコメント。30歳の女性客が「商品がここまで整理整頓され、清潔なリユースショップは見たことがない」、59歳の女性客が「質の高い日本の製品が購入できる」と語るなど、日系ならではの「質」を評価する声も複数聞かれた。
■リユース需要「日本以上」
小林氏は「タイは日本以上にリユース品へのニーズが高いと感じている」と語る。タイの消費者の多くがモノを「最後まで大切に使う」ほか、壊れても自分たちで修理して再利用するなど「リユースの考えが根付いているようだ」と分析。販売では食器、ホビー関連商品、家具など、買い取りでは衣類で、特に需要が高いという。
同氏によるとタイには個人が中古品を売買できるオンラインサイトなどもあり、多くのタイ人が利用している。ただ、同社のような店舗買い取りでは「その場で査定して買い取り金額を受け取り、短時間で完結できる」というメリットがあり、同業の店舗数が増えれば、売りに来る人も増えてリユースのサイクルがさらに活性化されると期待感を示した。
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トレファクのタイ店舗には一部、日本から輸入した商品も並ぶが、既に8割がタイ国内で買い取った商品となっている。同社は当面の目標として、タイでバンコクを中心に30店舗の展開を目指している。
■中古ファッション市場が2倍へ
タイのサイアム商業銀行(SCB)傘下の研究所SCBエコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)は12月、タイの23年の中古ファッション市場が推定18億バーツ規模になったとするリポートを発表した。実店舗やオンラインプラットフォームの増加で中古ファッションアイテムが入手しやすくなり、多くのタイ人消費者が古着を受け入れるようになったと指摘する。
タイの女性向けセレクトショップ「SOS」が22年に中古アパレル商品販売サイト「サイクル・バイSOS」を開設するなど、地場の間でもリユース市場に参入する動きが出ている。またバンコクには古くから、北部の巨大な中古・ビンテージ品市場「パタビコーン・マーケット」、中古・ビンテージ品を売る店が多く並ぶチャトゥチャック地区の「レッド・ビルディング」といった施設が存在している。
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