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【日本の税務】海外で出産するときの出産育児一時金

第306回
大西さん:みらい先生、こんにちは。実は英国に在籍出向している社員から、帯同している奥さまが妊娠したと報告を受けました。
みらい:そうなのですね。おめでとうございます!在籍出向中にご出産される予定ですか?
大西さん:はい、帰任予定はまだ先なので、赴任期間中の出産となります。本人と奥さまは里帰りせず、現地での出産を希望されています。弊社社員家族の海外での出産は前例がないので、会社はどんなことから確認すれば良いか教えてください。
みらい:分かりました。まず、自社で加入している海外旅行保険の内容を確認してください。出産に係る費用は対象外のことが多いため、出産費用について、自社ではどのような取り決めをしているか、海外赴任規程等で確認し、ご本人へ説明できる準備をしておくことをお勧めします。
大西さん:そうなのですね。ちなみに現地で産む場合の費用はどのくらいですか。
みらい:英国での出産は国営医療サービスのNHS(National Health Service)を利用すれば、妊娠期の診察、出産、入院などすべてが無料です。NHSではなく、プライベート医療サービスで私立病院を利用する場合は、無痛分娩・通訳等のオプションが充実しているものの、全額自己負担で、日本での出産費用と比較して高額な傾向です。
大西さん:なるほど、金額にばらつきがあるのですね。
みらい:先ほど在籍出向とお聞きしましたが、日本の健康保険にも引き続き加入されていらっしゃいますか?健康保険上扶養されている奥さまがイギリスでご出産されても、日本にいるときと同様に「出産育児一時金」がもらえますよ。
大西さん:健康保険には加入していますので、海外の出産であっても支給されるのですね。手続きの方法を教えてください。
みらい:はい、協会けんぽを例にご説明します。必要書類は次の3点です。
(1)出産を担当した海外医療機関等の医師・助産師の証明書
(2)出産した日(期間)において、実際に海外に渡航していた事実が確認できる書類(パスポート、査証=ビザ)、航空チケット等の写し)
(3)海外出産の事実について、協会けんぽが海外の医療機関に照会することに関する海外出産をした方の同意書
必要書類は、加入する健康保険組合等によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。また、証明書が外国語で記載されている場合には、申請時に翻訳者が署名した日本語の翻訳文も必要です。翻訳文には、翻訳者の住所、氏名、電話番号を明記してください。
大西さん:分かりました。いつまでに申請すればよいのでしょうか。
みらい:出産した日の翌日から2年以内に申請をしてください。
大西さん:ありがとうございます。だいぶ分かってきました。ちなみに支給額はいくらですか。
みらい:1児につき48万8,000円です。補足しますと、海外で出産した場合「出産育児一時金」の額が一般的な金額と比べると若干低くなります。「産科医療補償制度」に加入している病院等で出産した場合は50万円となり、先ほど申し上げた額に1万2,000円が上乗せされて支給されます。国内ではこの制度に加入しているところが多いのですが、海外ではこの制度が存在しないため、上乗せがなく、48万8,000円となります。
大西さん:もらえる額も違うのですね。勉強になります。
みらい:今回はお金に関する話が中心でしたが、入院できる期間、妊婦検診の内容、回数等、出産事情は国によってさまざまなため、現地事情に精通している方にも相談されることをお勧めします。お二人にとってベストな決断ができると良いですね。
筆者:みらいコンサルティンググループ/提供:NNA(先行連載)

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大西さん:みらい先生、こんにちは。実は英国に在籍出向している社員から、帯同している奥さまが妊娠したと報告を受けました。
みらい:そうなのですね。おめでとうございます!在籍出向中にご出産される予定ですか?
大西さん:はい、帰任予定はまだ先なので、赴任期間中の出産となります。本人と奥さまは里帰りせず、現地での出産を希望されています。弊社社員家族の海外での出産は前例がないので、会社はどんなことから確認すれば良いか教えてください。
みらい:分かりました。まず、自社で加入している海外旅行保険の内容を確認してください。出産に係る費用は対象外のことが多いため、出産費用について、自社ではどのような取り決めをしているか、海外赴任規程等で確認し、ご本人へ説明できる準備をしておくことをお勧めします。
大西さん:そうなのですね。ちなみに現地で産む場合の費用はどのくらいですか。
みらい:英国での出産は国営医療サービスのNHS(National Health Service)を利用すれば、妊娠期の診察、出産、入院などすべてが無料です。NHSではなく、プライベート医療サービスで私立病院を利用する場合は、無痛分娩・通訳等のオプションが充実しているものの、全額自己負担で、日本での出産費用と比較して高額な傾向です。
大西さん:なるほど、金額にばらつきがあるのですね。
みらい:先ほど在籍出向とお聞きしましたが、日本の健康保険にも引き続き加入されていらっしゃいますか?健康保険上扶養されている奥さまがイギリスでご出産されても、日本にいるときと同様に「出産育児一時金」がもらえますよ。
大西さん:健康保険には加入していますので、海外の出産であっても支給されるのですね。手続きの方法を教えてください。
みらい:はい、協会けんぽを例にご説明します。必要書類は次の3点です。
(1)出産を担当した海外医療機関等の医師・助産師の証明書
(2)出産した日(期間)において、実際に海外に渡航していた事実が確認できる書類(パスポート、査証=ビザ)、航空チケット等の写し)
(3)海外出産の事実について、協会けんぽが海外の医療機関に照会することに関する海外出産をした方の同意書
必要書類は、加入する健康保険組合等によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。また、証明書が外国語で記載されている場合には、申請時に翻訳者が署名した日本語の翻訳文も必要です。翻訳文には、翻訳者の住所、氏名、電話番号を明記してください。
大西さん:分かりました。いつまでに申請すればよいのでしょうか。
みらい:出産した日の翌日から2年以内に申請をしてください。
大西さん:ありがとうございます。だいぶ分かってきました。ちなみに支給額はいくらですか。
みらい:1児につき48万8,000円です。補足しますと、海外で出産した場合「出産育児一時金」の額が一般的な金額と比べると若干低くなります。「産科医療補償制度」に加入している病院等で出産した場合は50万円となり、先ほど申し上げた額に1万2,000円が上乗せされて支給されます。国内ではこの制度に加入しているところが多いのですが、海外ではこの制度が存在しないため、上乗せがなく、48万8,000円となります。
大西さん:もらえる額も違うのですね。勉強になります。
みらい:今回はお金に関する話が中心でしたが、入院できる期間、妊婦検診の内容、回数等、出産事情は国によってさまざまなため、現地事情に精通している方にも相談されることをお勧めします。お二人にとってベストな決断ができると良いですね。
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