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新マニラ空港の開港28年にサンミゲル、遅延で建設費増

フィリピンの大手財閥サンミゲル・コーポレーション(SMC)は、マニラ首都圏北方のブラカン州で建設を進めている新マニラ国際空港(ブラカン国際空港)の開港が2028年3月までにずれ込むとの見通しを示した。当初は27年までを予定していたものの、建材調達が困難で工事が遅れ建設費も数百万米ドル規模で膨らむ恐れが出ている。将来は国内最大の空港になる見込みだが、先行きが不透明になり始めた。

マニラ湾沿いの埋め立て開発で積まれた砂=2023年、マニラ首都圏パサイ市(NNA撮影)

サンミゲルのラモン・アン社長兼最高経営責任者(CEO)が先週、明らかにした。マルコス政権が23年8月にマニラ湾の埋め立て開発事業を全て凍結したことを受けて「(開発用地内などで使用する)砂の調達が難しくなっている」と説明した。
工事の遅れによりコストも膨張している。アン氏は「事業設計と交渉を慎重に進めなければ追加の建設費は数百万米ドル規模になる」と危機感を示した。
砂の調達に向けて許認可を得るため、政府と交渉していることも明らかにした。問題なく建設工事を進めることができれば、空港の供用開始を28年3月までに実現することは可能との見方を示した。
新マニラ国際空港の開発では、三井住友銀行と英金融大手スタンダードチャータード銀行がサンミゲルの財務顧問になっている。建設コストが膨らみ始めたことに伴う新たな資金調達の助言に関して、三井住友銀の関係者はNNAの取材に「現時点でコメントできることはない」と話した。
政府は23年8月、マニラ湾の埋め立て開発事業20件超の凍結を決めた。洪水や環境破壊につながると主張する環境団体などの意見を取り入れたほか、周辺の土地を巡る抗争や中国企業の参画への懸念にも配慮した。
環境団体は新マニラ国際空港も埋め立て地に位置すると指摘していたが、サンミゲル側は「低地にあるが埋め立て地ではない」と反論していた。
新マニラ国際空港は首都圏から約35キロメートル北のブラカン州の自治体ブラカンに位置する。サンミゲルは19年、同空港の建設・運営の請負契約を運輸省と交わした。投資額は7,356億ペソ(約1兆8,900億円)。国内のインフラ事業では最大規模になっている。
開発面積は2,500ヘクタールあり、将来の旅客処理能力は年1億人と国内最大の空港になる見込み。現在は整地作業の大半が完了しているとみられる。
新マニラ国際空港は、首都圏の空の玄関口であるニノイ・アキノ国際空港(NAIA)を補完する機能が期待される。同空港の改修・運営委託事業もサンミゲルが主導する企業連合(コンソーシアム)が落札した。9月に運輸省から引き渡される予定になっている。

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新マニラ国際空港は首都圏から約35キロメートル北のブラカン州の自治体ブラカンに位置する。サンミゲルは19年、同空港の建設・運営の請負契約を運輸省と交わした。投資額は7,356億ペソ(約1兆8,900億円)。国内のインフラ事業では最大規模になっている。
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