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ルソン中部のバイパス完成日本支援の25キロ、移動短縮

フィリピンのルソン島中部のブラカン州で10日、日本政府が支援したバイパス敷設事業第3期の完成式が開かれた。最終区間となる高架道路が完成し、全長24.6キロメートルの移動時間は約25分と従来の約3分の1に縮まった。マニラ首都圏から延びる既存の高速道路とつながることで人の往来が容易になり、各地に散らばる産業地区など地域経済の活性化が見込まれる。

バイパスの完成式でテープカットをするJICAフィリピン事務所の福居次長(右から3人目)ら=10日、ブラカン州(NNA撮影)

高架道路の全長は561メートルで10日に開通した。首都圏と北方の周辺州を結ぶ北部ルソン高速道路(NLEX)の出入り口付近と接続している。
同日開かれた式典で国際協力機構(JICA)フィリピン事務所の福居敬介次長は「バイパス沿いでは住宅開発や企業進出が進んでいる。投資誘致や市民の生活水準の向上に貢献できているようだ」と話した。
バイパス敷設事業はブラカン州のバラグタス—サンラファエル間を結ぶ。2004年に第1期の工事が始まった。12年に第1期、18年に第2期が完了し、片側1車線の道路が敷設された。第3期は24年9月に工事が終わり、片側2車線に拡幅された。工事が完了した区間は順次開通していた。
第3期の事業費は52億6,000万ペソ(約140億円)に上り、JICAが約8割を資金援助した。残りをフィリピン政府が負担した。
バイパスの完成により、区間内の移動は約25分と従来の3分の1に短縮された。日本が支援した幹線道路「日比友好道路」と近く、1日当たり車両1万5,000台分の分散効果を見込む。

バイパス工事の最終区間として設置された高架道路=10日、ブラカン州(NNA撮影)

バイパス付近では工業団地のような大型の産業地区は少ないものの、トラックなどの移動が活発になっている。倉庫や工場が散らばっているほか、商用車などの修理店が並んでいる。
ブラカン州を含む中部ルソンの23年の国内総生産(GDP)は成長率が前年比6.1%と全国平均を上回った。現在は新マニラ国際空港(ブラカン国際空港)や周辺の経済特区開発が計画されている。
日本政府が支援する道路敷設事業ではほかに、中部ルソン高速道路(SCTEX)やダルトンパス東代替道路がある。

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