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弾劾案不成立で政局混迷へ再採決に、与党は尹氏退陣要求

韓国の国会は7日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案を採決したが、与党議員の大半がボイコットしたことで投票数が規定に満たず不成立となった。最大野党「共に民主党」は、弾劾案を再提出して早ければ14日の採決を目指す。一方、与党「国民の力」は、尹大統領の早期退陣を進めて政局の安定化を図る構えだ。与野党の攻防が続けば、政治的な空白が長引く恐れもある。

国会前の集会には警察発表で推計15万人が参加=7日、韓国・ソウル(NNA撮影)

尹氏の弾劾案の採決は在籍議員(300人)のうち195人のみ投票した。与党議員(108人)は3人を除く全員が退席し、定足数の200人を下回ったことで不成立のまま、廃案となった。これにより、「非常戒厳」を宣布した尹大統領の職務は継続することになった。
国会で現職大統領の弾劾案が採決されるのは3回目。2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、16年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾案はいずれも可決されたが、不成立となったのは今回が初めてだ。
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は弾劾案不成立を受けて、「与党は国民を裏切った犯罪政党だ。韓国の最悪のリスクとなった尹氏を必ず弾劾する」と強調した。11日以降に臨時国会を開いて弾劾案を再び国会に提出し、早ければ14日の採決を目指す。
■大統領権限を代行で
一方、投票をボイコットした与党は、尹大統領の早期退陣により政局の安定化を図る構えだ。韓東勲(ハン・ドンフン)代表は8日、「秩序ある大統領の早期退陣で混乱を最小限に抑えて安定的に政局を収拾し、自由民主主義を立て直す」と表明した。
また、尹氏が辞任するまでの間は「外交を含む国政に関与しない」とした。韓代表は、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と緊密に協議しながら今後の国政を運営する方針を示した。尹氏を国政から排除して国民にアピールする狙いのようだが、大統領権限を代行する法的根拠があるかどうかは不透明な状況だ。
与党が国政運営を担うことについて、李代表は8日「与党代表と首相が再び憲政秩序を破壊している」と批判。「国民は尹氏を大統領として選出したのであって、与党を大統領として選出したのではない」と指摘した。

■尹氏「党に一任」で与党一転
一方、尹大統領は7日午前に国民向け談話を発表し、非常戒厳宣言について「国民に不安と不便をおかけし、心からおわびする」と謝罪した。法的・政治的な責任問題を回避しない考えを示すとともに、「任期問題を含む政局安定に向けた方策については党に一任する」との立場を示した。
尹氏の「党に一任」との姿勢を受けて、与党は当初の弾劾案賛成の立場を一転させ、採決のボイコットに踏み切ったとされる。弾劾案に賛成すれば、早期に迎える大統領選で不利になることを懸念し、大統領の早期退陣という方針に切り替えたとみられている。

■国民は怒りと失望
弾劾案が不成立になったことで、国民は怒りや失望感を強めている。7日に国会前で開かれた集会には警察の推計で約15万人が集まり、与党のボイコットに怒号が飛び交った。
ソウル市在住のイ・ヘジンさん(30代女性)は「危機感を覚えて1人で集会にきた。与党議員は国民の意思を全く分かっておらず、憤慨している」と語気を強めた。京畿道在住のチェ・テイさん(50代男性)は「韓国は民主主義国家なのに、尹氏や与党は誤解している。国民が中心の国だということを伝えるため、これからも集会で声を上げていきたい」と話した。
韓国ギャラップが6日発表した尹大統領の支持率は、3日夜の非常戒厳宣言後の4、5日に行われた調査で、支持率が13%、不支持率が80%となった。今週発表される各調査会社の支持率はさらに低下する見通しで、弾劾案採決をボイコットした与党の政党支持率も急落が予想される。
国民の批判が強まる中、与党が今の姿勢をどこまで貫けるのか。今後の政局を占う上で大きな焦点となってきそうだ。

「内乱罪尹錫悦弾劾」とのプラカードを掲げる市民=7日、韓国・ソウル(NNA撮影)
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国会で現職大統領の弾劾案が採決されるのは3回目。2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、16年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾案はいずれも可決されたが、不成立となったのは今回が初めてだ。
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は弾劾案不成立を受けて、「与党は国民を裏切った犯罪政党だ。韓国の最悪のリスクとなった尹氏を必ず弾劾する」と強調した。11日以降に臨時国会を開いて弾劾案を再び国会に提出し、早ければ14日の採決を目指す。
■大統領権限を代行で
一方、投票をボイコットした与党は、尹大統領の早期退陣により政局の安定化を図る構えだ。韓東勲(ハン・ドンフン)代表は8日、「秩序ある大統領の早期退陣で混乱を最小限に抑えて安定的に政局を収拾し、自由民主主義を立て直す」と表明した。
また、尹氏が辞任するまでの間は「外交を含む国政に関与しない」とした。韓代表は、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と緊密に協議しながら今後の国政を運営する方針を示した。尹氏を国政から排除して国民にアピールする狙いのようだが、大統領権限を代行する法的根拠があるかどうかは不透明な状況だ。
与党が国政運営を担うことについて、李代表は8日「与党代表と首相が再び憲政秩序を破壊している」と批判。「国民は尹氏を大統領として選出したのであって、与党を大統領として選出したのではない」と指摘した。

■尹氏「党に一任」で与党一転
一方、尹大統領は7日午前に国民向け談話を発表し、非常戒厳宣言について「国民に不安と不便をおかけし、心からおわびする」と謝罪した。法的・政治的な責任問題を回避しない考えを示すとともに、「任期問題を含む政局安定に向けた方策については党に一任する」との立場を示した。
尹氏の「党に一任」との姿勢を受けて、与党は当初の弾劾案賛成の立場を一転させ、採決のボイコットに踏み切ったとされる。弾劾案に賛成すれば、早期に迎える大統領選で不利になることを懸念し、大統領の早期退陣という方針に切り替えたとみられている。

■国民は怒りと失望
弾劾案が不成立になったことで、国民は怒りや失望感を強めている。7日に国会前で開かれた集会には警察の推計で約15万人が集まり、与党のボイコットに怒号が飛び交った。
ソウル市在住のイ・ヘジンさん(30代女性)は「危機感を覚えて1人で集会にきた。与党議員は国民の意思を全く分かっておらず、憤慨している」と語気を強めた。京畿道在住のチェ・テイさん(50代男性)は「韓国は民主主義国家なのに、尹氏や与党は誤解している。国民が中心の国だということを伝えるため、これからも集会で声を上げていきたい」と話した。
韓国ギャラップが6日発表した尹大統領の支持率は、3日夜の非常戒厳宣言後の4、5日に行われた調査で、支持率が13%、不支持率が80%となった。今週発表される各調査会社の支持率はさらに低下する見通しで、弾劾案採決をボイコットした与党の政党支持率も急落が予想される。
国民の批判が強まる中、与党が今の姿勢をどこまで貫けるのか。今後の政局を占う上で大きな焦点となってきそうだ。
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