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国民車メーカー初のEV発売プロトン、e.MAS1モデル目

マレーシアの自動車市場でシェア2位の国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは16日、自社電気自動車(EV)ブランド「e.MAS(イーマス)」の1モデル目を正式に発売した。国民車メーカーが、自社ブランドのEVを投入するのは初めて。中国勢がEV市場を席巻する中、国民車メーカーも自社でEVの開発と生産を進め、政府が注力するEV普及促進を後押しする。

プロトン・ホールディングスは、SUVタイプのEV「e.MAS7(イーマス7)」を正式に発売した=16日、クアラルンプール(NNA撮影)

プロトンは今年6月、自社EVのブランド名とロゴを発表。ブランド名はマレー語の「emas(ウマス、『金』の意味)」からとり、ロゴにはプロトンのロゴと同じくトラを採用した。
16日に正式発売した1モデル目は、Cセグメントの6人乗りスポーツタイプ多目的車(SUV)「e.MAS7(イーマス7)」。プロトンの株主である中国の自動車大手、浙江吉利控股集団と共同で開発した。吉利の「グローバル・インテリジェント・ニューエネルギー・アーキテクチャー(GMA)」を採用した初のモデルで、中国で生産した完成車(CBU)を輸入販売する。
「プライム」と「プレミアム」の2グレードを展開する。税金や車両登録証の取得手数料などを含めたオンザロード(OTR)価格(保険料除く)は、プライムが10万9,800リンギ(約380万円)、プレミアムが12万3,800リンギ。先着3,000人を対象に、それぞれ4,000リンギ割り引き、10万5,800リンギ、11万9,800リンギで販売する。

発売式典には、アンワル首相(左から5人目)も出席した=16日、クアラルンプール(NNA撮影)

首都クアラルンプールの展示場「マレーシア国際貿易・展示センター(MITEC)」で開催された発売式典に出席したアンワル・イブラヒム首相は、「プロトンによるEVの投入は、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする『ネットゼロ』の達成を目指すマレーシア政府の方向性を明確に示している」とコメント。吉利がペラ州タンジュンマリムで自動車産業集積地「オートモーティブ・ハイテク・バレー(AHTV)」の整備を計画していることに言及し、「近い将来、プロトンのEVもタンジュンマリムで生産され、EVに関連する最新技術や技能の移転により、国内のベンダーの能力が引き上げられればうれしく思う」と期待を示した。
アンワル氏はまた、マレーシアが来年に東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めることに言及。マレーシアでASEAN関連の会議を開く際にe.MAS7を公用車として使用する方針を示した。
発売式典には、マレーシア政府からアンワル氏のほか、ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水資源変革相、ザフルル・アブドゥル・アジズ投資貿易産業相、アンソニー・ローク運輸相も出席した。
プロトンのロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は今年6月、自社EVのブランド名とロゴを発表した際に、e.MASブランドのEV5モデルの投入を計画していると明らかにした。
プロトンは自社ブランドのEV投入に先立ち、吉利と独メルセデス・ベンツが折半出資する智馬達汽車(スマート・オートモービル)が生産を手がける「スマート」ブランドのEVを投入している。昨年11月に子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(PRO—NET)を通じて、1モデル目の「スマート・ハッシュタグ・ワン(#1)」を発売。今年に入り、クーペSUV「スマート・ハッシュタグ・スリー(#3)」を発売した。
■プロドゥアも開発中
国民車メーカーでは、ダイハツ工業が出資し、国内の自動車市場でトップシェアを握るプロドゥアも自社EVの開発に取り組んでおり、来年の発売を予定している。
今月5~11日にクアラルンプールで開催されたマレーシア自動車協会(MAA)主催のモビリティー展示会「クアラルンプール国際モビリティーショー(KLIMS)2024」で、試作車第2弾「eMO—II(エムオー・ツー)」を公開した。
アンワル氏は10月の2025年度国家予算案演説で、プロドゥアが10万リンギ以下のEVの生産を計画していると説明。投資貿易産業省は、同社のEV生産を支援する方針を示し、手頃な価格の車両を投入することで、国内でのEV普及を促進していくとした。

「e.MAS7(イーマス7)」は全体的に丸みを帯びたデザインとなっている=16日、クアラルンプール(NNA撮影)
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プロトンは今年6月、自社EVのブランド名とロゴを発表。ブランド名はマレー語の「emas(ウマス、『金』の意味)」からとり、ロゴにはプロトンのロゴと同じくトラを採用した。
16日に正式発売した1モデル目は、Cセグメントの6人乗りスポーツタイプ多目的車(SUV)「e.MAS7(イーマス7)」。プロトンの株主である中国の自動車大手、浙江吉利控股集団と共同で開発した。吉利の「グローバル・インテリジェント・ニューエネルギー・アーキテクチャー(GMA)」を採用した初のモデルで、中国で生産した完成車(CBU)を輸入販売する。
「プライム」と「プレミアム」の2グレードを展開する。税金や車両登録証の取得手数料などを含めたオンザロード(OTR)価格(保険料除く)は、プライムが10万9,800リンギ(約380万円)、プレミアムが12万3,800リンギ。先着3,000人を対象に、それぞれ4,000リンギ割り引き、10万5,800リンギ、11万9,800リンギで販売する。
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首都クアラルンプールの展示場「マレーシア国際貿易・展示センター(MITEC)」で開催された発売式典に出席したアンワル・イブラヒム首相は、「プロトンによるEVの投入は、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする『ネットゼロ』の達成を目指すマレーシア政府の方向性を明確に示している」とコメント。吉利がペラ州タンジュンマリムで自動車産業集積地「オートモーティブ・ハイテク・バレー(AHTV)」の整備を計画していることに言及し、「近い将来、プロトンのEVもタンジュンマリムで生産され、EVに関連する最新技術や技能の移転により、国内のベンダーの能力が引き上げられればうれしく思う」と期待を示した。
アンワル氏はまた、マレーシアが来年に東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めることに言及。マレーシアでASEAN関連の会議を開く際にe.MAS7を公用車として使用する方針を示した。
発売式典には、マレーシア政府からアンワル氏のほか、ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水資源変革相、ザフルル・アブドゥル・アジズ投資貿易産業相、アンソニー・ローク運輸相も出席した。
プロトンのロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は今年6月、自社EVのブランド名とロゴを発表した際に、e.MASブランドのEV5モデルの投入を計画していると明らかにした。
プロトンは自社ブランドのEV投入に先立ち、吉利と独メルセデス・ベンツが折半出資する智馬達汽車(スマート・オートモービル)が生産を手がける「スマート」ブランドのEVを投入している。昨年11月に子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(PRO—NET)を通じて、1モデル目の「スマート・ハッシュタグ・ワン(#1)」を発売。今年に入り、クーペSUV「スマート・ハッシュタグ・スリー(#3)」を発売した。
■プロドゥアも開発中
国民車メーカーでは、ダイハツ工業が出資し、国内の自動車市場でトップシェアを握るプロドゥアも自社EVの開発に取り組んでおり、来年の発売を予定している。
今月5~11日にクアラルンプールで開催されたマレーシア自動車協会(MAA)主催のモビリティー展示会「クアラルンプール国際モビリティーショー(KLIMS)2024」で、試作車第2弾「eMO—II(エムオー・ツー)」を公開した。
アンワル氏は10月の2025年度国家予算案演説で、プロドゥアが10万リンギ以下のEVの生産を計画していると説明。投資貿易産業省は、同社のEV生産を支援する方針を示し、手頃な価格の車両を投入することで、国内でのEV普及を促進していくとした。
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