NNAがフィリピンの日系企業を対象に実施した現地社員の給与動向調査で、2025年の昇給率予測が平均で5.0%となり、24年実績の5.4%から縮小することが分かった。物価高が落ち着き始めていることが理由として挙げられる。全国で最低賃金の引き上げが進んでいることからも、昇給を「実施する」は78%と約10年ぶりの高水準になる見通し。
調査は24年8月26日~10月3日に実施した。有効回答社数は114社だった。内訳は製造業が52社、非製造業が62社。地域別ではマニラ首都圏が54社と最も多く、工業団地が集まる首都圏近郊のラグナ州が21社、バタンガス州が18社などと続いた。
25年に昇給を「実施する」と回答した企業は89社に上った。全体の78.1%を占め、調査を始めた14年以来の高水準になった。「未定」は24社、「実施しない」は1社にとどまった。
25年の昇給率予定(有効回答数933件)を見ると、最も多かったのは「4.1~5.0%」の298件だった。業種別では「その他の非製造業」が22.3%と最大だった。一方、「金融・保険・証券」は3.7%と最も低かった。
昇給の判断材料(複数回答)では「本人の成績」が73社と最も多く、「消費者物価指数・インフレ率」が63社と続いた。
フィリピンでは最低賃金の引き上げが活発になっている。24年は首都圏で日額645ペソ(約1,730円)となった。過去約2年間で3度目の引き上げとなる。工場団地が集まる南部タガログA(カラバルソン)地域を含む各地域でも引き上げが進み、企業への賃上げ圧力が強まった。
一方で長期化していた物価高は落ち着き始めており、24年はインフレ率の年平均が4年ぶりの低水準となった。企業にとっては昇給幅を前年比で縮小する一因になったとみられる。
賞与については「支給する」が69社と、全体の60.5%を占めた。「未定」は32社、「支給しない」は13社だった。支給月数は「0.6~1.0カ月」が最多だった。
人件費の上昇を「感じる」と答えた日系企業は109社と95.6%を占めた。今後の人件費上昇の対策(複数回答)では「業務効率化によるコスト減」が84社と最も多く、「売り上げ向上」が76社と続いた。
労働管理上の問題については、「優秀な人材の確保」が88社と最も多かった。
※給与動向調査の詳細データはNNAアジアビジネスデータバンク(www.nna.jp/corp_contents/service/statistics/、有料)に収録されています。
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