カヤバ合弁、中国企業と提携プロドゥア向け部品を共同生産

自動車部品大手カヤバと自動車と重機の製造・販売などを手がけるマレーシアのサイムＵＭＷの合弁会社ＫＹＢ—ＵＭＷは、米ナスダック上場で自動車のパワーステアリング部品を製造する中国汽車系統（ＣＡＡＳ）傘下の湖北恒隆汽車系統集団と戦略的協力覚書を結んだ。マレーシアの国民車メーカー、プロドゥア向けに部品を共同で生産・供給し、将来的に東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）への事業拡大を目指す。

ＫＹＢ—ＵＭＷは湖北恒隆汽車系統集団と戦略的協力覚書を結んだ（中国汽車系統提供）

中国汽車系統の３日付の発表によると、ＫＹＢ—ＵＭＷと湖北恒隆は電動パワーステアリング（ＥＰＳ）と機械式ステアリングギア（ＭＳＧ）などの主要な自動車部品を共同生産する。パワーステアリングとは、操舵（そうだ）を補助し、運転手のハンドル操作の負担を軽減する装置を指す。
ＫＹＢ—ＵＭＷは現在、首都圏スランゴール州スレンダーにおいて、湖北恒隆の技術を活用したステアリングシステムの生産に特化した新製造工場（ＳＰ25）の建設を進めている。今年12月に完成し、来年の稼働開始を予定している。中国のステアリング技術をマレーシアに導入し、現地パートナーと連携することで、スマート製造エコシステムの構築を目指す。
当初は、サイムＵＭＷが38％出資するプロドゥアへの製品供給を予定するが、将来的には相手先ブランドによる生産（ＯＥＭ）やアフターマーケット分野での事業機会を共同で模索し、ＡＳＥＡＮに事業を拡大する方針だ。マレーシアをＡＳＥＡＮ域内の製造・供給拠点とし、ＯＥＭや交換部品市場でステアリングシステムのソリューションを展開する。
中国汽車系統は、湖北恒隆のステアリング技術における研究開発の専門知識、ＫＹＢ—ＵＭＷの現地での製造能力と市場影響力を組み合わせることで、競争力の高いステアリングシステムとサービスを提供すると説明した。
カヤバは2018年、中国で湖北恒隆と電動パワーステアリングシステムの設計、製造、販売、アフターサービスを手がける湖北恒隆凱迩必汽車電動転向系統を設立した。中国汽車系統はマレーシアでの新たな提携により、両社の関係を強化し、ＡＳＥＡＮで存在感を高めたい考えだ。
■電動パワーステアリング市場拡大
インドの市場調査会社インターナショナル・マーケット・アナリシス・リサーチ＆コンサルティング・グループ（ＩＭＡＲＣグループ）によると、世界の電動パワーステアリングの市場規模は24年に296億2,000万米ドル（約４兆5,400億円）に達した。アジア太平洋地域が市場シェアの50.5％以上を占める。25～33年に年平均成長率（ＣＡＧＲ）4.59％で拡大する見込みで、市場規模は33年までに453億米ドルに達する見通しだ。
市場の成長を後押しする要因として、◇燃費の良い自動車の需要拡大◇電気自動車（ＥＶ）やハイブリッド車（ＨＶ）の普及◇環境に配慮した公共交通機関を推進する政府の取り組みの拡大◇電動パワーステアリングの技術の進歩——などが挙げられる。

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ＫＹＢ—ＵＭＷは現在、首都圏スランゴール州スレンダーにおいて、湖北恒隆の技術を活用したステアリングシステムの生産に特化した新製造工場（ＳＰ25）の建設を進めている。今年12月に完成し、来年の稼働開始を予定している。中国のステアリング技術をマレーシアに導入し、現地パートナーと連携することで、スマート製造エコシステムの構築を目指す。

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カヤバは2018年、中国で湖北恒隆と電動パワーステアリングシステムの設計、製造、販売、アフターサービスを手がける湖北恒隆凱迩必汽車電動転向系統を設立した。中国汽車系統はマレーシアでの新たな提携により、両社の関係を強化し、ＡＳＥＡＮで存在感を高めたい考えだ。

■電動パワーステアリング市場拡大

インドの市場調査会社インターナショナル・マーケット・アナリシス・リサーチ＆コンサルティング・グループ（ＩＭＡＲＣグループ）によると、世界の電動パワーステアリングの市場規模は24年に296億2,000万米ドル（約４兆5,400億円）に達した。アジア太平洋地域が市場シェアの50.5％以上を占める。25～33年に年平均成長率（ＣＡＧＲ）4.59％で拡大する見込みで、市場規模は33年までに453億米ドルに達する見通しだ。

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