自動車とテクノロジーの展示・商談会「グローバル・オートモーティブ・アンド・テクノロジー・エキスポ(GATE)2025」が、14日までマレーシアの首都クアラルンプールで開催されている。企業間取引(BtoB)の促進を目的とした初の展示・商談会で、国内外の自動車や自動車用部品のメーカーなど350社が出展し、製品や技術を紹介している。
プロトン・ホールディングスは、自社ブランドのEV「e.MAS」の車両に使われているバッテリーや、Bセグメントハッチバック「e.MAS5」を展示している=12日、クアラルンプール(NNA撮影)
国民車メーカーのプロトン・ホールディングスは、自社の電気自動車(EV)ブランド「e.MAS(イーマス)」の車両に使われているバッテリーや、先月末に発売したばかりの同ブランドのBセグメント(全長約3.75~4.2メートル程度の車両)ハッチバック「e.MAS5(イーマス5)」を展示している。
同社の担当者によると、昨年12月に発売されたe.MASブランド1モデル目のスポーツタイプ多目的車(SUV)「e.MAS7(イーマス7)」に使用されているバッテリーは、DC(直流)急速充電器を使用した場合、17分で10~80%充電でき、約3,500回充電できる。
e.MASブランドの車両に搭載されているバッテリーは、中国メーカーが同国で製造している。プロトンがペラ州タンジュンマリムに開設したEV工場でe.MASブランドの車両の生産を予定していることから、中国のバッテリーや部品のサプライヤーの中には、マレーシア進出を検討している企業もあるという。
マレーシアの新車市場で首位を独走する国民車メーカー、プロドゥアは、投資貿易産業省傘下のマレーシア自動車・ロボティクス・IoT研究所(MARii)と協力し、「バッテリーパスポート(バッテリーに使用する材料調達から使用後のリサイクルまでのライフサイクル全てに関わる情報を記録するもの)」の概念を紹介している。
プロドゥアは今月末までに自社初のEVを発売する予定。マレーシア政府は2027年までにバッテリーパスポートの導入を計画しており、プロドゥアも来年から任意で導入するという。
プロドゥアは、「バッテリーパスポート」の概念を紹介している=12日、クアラルンプール(NNA撮影)
プロドゥアはこのほか、移動式EV充電器も展示している。約4~5台のEVを80%まで充電することが可能。特に大勢が移動する休暇シーズンにはEV充電施設の混雑が見込まれることから、状況に応じて高速道路のサービスエリアや商業施設などへの設置を予定する。
アディエントが展示するEV用の最新シート=12日、クアラルンプール(NNA撮影)
■EV用シート、需要拡大に期待
自動車用シート大手の米アディエントは、無重力状態で計測した「中立姿勢」を基に背骨や筋肉に負担がかからないように設計されたマッサージ機能付き「ゼログラビティー(無重力)シート」や、音声操作機能が付いた最新のEV用シートを展示している。車両の底にバッテリーを搭載するEVは内燃機関(ICE)車に比べて車高が高いため、車内の頭上スペースを確保するようにシートが低めに設計されているのが特徴だ。
アディエントでマレーシアとインドネシア市場を担当するロー・チーション氏(カントリーエンジニアリング責任者)によると、これらの最新シートは顧客企業の要望に合わせてカスタマイズが可能で、既に中国の複数のEVメーカーが導入しているという。ロー氏はマレーシアの国民車メーカーもEVの開発・製造に乗り出していることに言及し、「マレーシアでも今後需要が見込まれる」と期待を示した。
コネクター大手の米アンフェノールは、EVや電動バイク用のインターコネクト製品を展示している。日本の自動車メーカーとも取引実績があり、EVの普及に伴う需要拡大を見込む。アジアでは中国、インド、マレーシアに生産拠点を構え、マレーシアではジョホール州、ペナン州と、マレー半島の南北に工場を構える。
■来場者2万人見込む
GATE2025は、マレーシアが今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務めていることに合わせて、ビジネスイベントの運営を手がけるマレーシアのデリセンとMARiiが共同で初めて開催。12~14日の日程で、クアラルンプール中心部の展示場「クアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)」で開催されている。
展示会のほか、企業間の商談やカンファレンスも開催され、3日間で国内外から2万人超の来場を見込む。
アンフェノールはEVや電動バイク用のインターコネクト製品を訴求している=12日、クアラルンプール(NNA撮影)
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国民車メーカーのプロトン・ホールディングスは、自社の電気自動車(EV)ブランド「e.MAS(イーマス)」の車両に使われているバッテリーや、先月末に発売したばかりの同ブランドのBセグメント(全長約3.75~4.2メートル程度の車両)ハッチバック「e.MAS5(イーマス5)」を展示している。
同社の担当者によると、昨年12月に発売されたe.MASブランド1モデル目のスポーツタイプ多目的車(SUV)「e.MAS7(イーマス7)」に使用されているバッテリーは、DC(直流)急速充電器を使用した場合、17分で10~80%充電でき、約3,500回充電できる。
e.MASブランドの車両に搭載されているバッテリーは、中国メーカーが同国で製造している。プロトンがペラ州タンジュンマリムに開設したEV工場でe.MASブランドの車両の生産を予定していることから、中国のバッテリーや部品のサプライヤーの中には、マレーシア進出を検討している企業もあるという。
マレーシアの新車市場で首位を独走する国民車メーカー、プロドゥアは、投資貿易産業省傘下のマレーシア自動車・ロボティクス・IoT研究所(MARii)と協力し、「バッテリーパスポート(バッテリーに使用する材料調達から使用後のリサイクルまでのライフサイクル全てに関わる情報を記録するもの)」の概念を紹介している。
プロドゥアは今月末までに自社初のEVを発売する予定。マレーシア政府は2027年までにバッテリーパスポートの導入を計画しており、プロドゥアも来年から任意で導入するという。
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プロドゥアは、「バッテリーパスポート」の概念を紹介している=12日、クアラルンプール(NNA撮影)[/caption]
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アディエントが展示するEV用の最新シート=12日、クアラルンプール(NNA撮影)[/caption]
■EV用シート、需要拡大に期待
自動車用シート大手の米アディエントは、無重力状態で計測した「中立姿勢」を基に背骨や筋肉に負担がかからないように設計されたマッサージ機能付き「ゼログラビティー(無重力)シート」や、音声操作機能が付いた最新のEV用シートを展示している。車両の底にバッテリーを搭載するEVは内燃機関(ICE)車に比べて車高が高いため、車内の頭上スペースを確保するようにシートが低めに設計されているのが特徴だ。
アディエントでマレーシアとインドネシア市場を担当するロー・チーション氏(カントリーエンジニアリング責任者)によると、これらの最新シートは顧客企業の要望に合わせてカスタマイズが可能で、既に中国の複数のEVメーカーが導入しているという。ロー氏はマレーシアの国民車メーカーもEVの開発・製造に乗り出していることに言及し、「マレーシアでも今後需要が見込まれる」と期待を示した。
コネクター大手の米アンフェノールは、EVや電動バイク用のインターコネクト製品を展示している。日本の自動車メーカーとも取引実績があり、EVの普及に伴う需要拡大を見込む。アジアでは中国、インド、マレーシアに生産拠点を構え、マレーシアではジョホール州、ペナン州と、マレー半島の南北に工場を構える。
■来場者2万人見込む
GATE2025は、マレーシアが今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務めていることに合わせて、ビジネスイベントの運営を手がけるマレーシアのデリセンとMARiiが共同で初めて開催。12~14日の日程で、クアラルンプール中心部の展示場「クアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)」で開催されている。
展示会のほか、企業間の商談やカンファレンスも開催され、3日間で国内外から2万人超の来場を見込む。
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