中国本土に駐在する日本人社員に「ハードシップ手当」を支給する日本企業が3割以上あることが、NNAが実施した福利厚生調査で明らかになった。中国本土の比率は東アジアで飛び抜けて高かった。金額ベースでは月額5,000元(約10万8,000円)未満が大半を占めた。
調査は中国本土の日系企業で働く日本人駐在員を対象に、2025年4月30日~5月15日に実施した。有効回答数は531件で、業種別では製造業が293件、非製造業が238件だった。
ハードシップ手当の有無については、「ある」との回答が全体の34%に当たる181件。月額ベースの手当は「2,500~5,000元未満」が項目別最多の54件で、85%以上の企業は月額5,000元未満を支給していた。「月額1万元以上」も14件あった。
従業員数1,001人以上の大規模企業だけでなく、10人までの中小企業を含め、企業の規模を問わずハードシップ手当を支給している現状が見て取れる。
ハードシップ手当を支給する日系企業の比率は、韓国や香港など中国本土を除く東アジアの国・地域だと10%前後にとどまった。中国本土はタイ(約3割)よりも比率が高く、ベトナム(約38%)と近い水準。
ハードシップ手当がないと答えた中国本土の駐在員は320件。中国本土は日本の製品・サービスが購入しやすく、他の地域に比べて生活環境が恵まれている側面はあるものの、各種環境の変化に伴い、ハードシップ手当を支給する日系企業が今後増える可能性もありそうだ。

■高い住宅補助
生活支援を目的とした「海外勤務手当」を支給する企業は全体の83%で、月額の支給額は「1万元以上」が最多比率を占めた。「単身赴任手当」を出す企業は過半の54%。
「住宅手当」は「ある」が79%となり、「ない」も13%あった。月額の手当は単身が「1万5,000~2万元未満」、本人・配偶者は「2万~2万5,000元未満」、本人・配偶者・子ども2人以上は「2万5,000元以上」がそれぞれのボリュームゾーンだった。
会社負担で駐在員を支援する制度としては、「日本食」「日本書籍」「日本薬」などの送付を行う企業もあったが、会社負担の支援制度を導入しているのは全体から見ると少数派だった。
通勤方法(複数回答可)は「公共交通機関」が最多の240件となり、「徒歩」は152件、「タクシー」は58件。「社用車」は226件だった。

■有事対策準備は少数派
駐在員・帯同家族に対する有事に備えた会社の対策の有無を聞く設問では、「していない」が全体の5割台で、「している」の3割台を上回った。
準備をしている支援については「けがなどの際に医療機関への搬送の手配」や「緊急時の連絡先や最新情報の提供」が上位比率。「必要に応じた専用の避難車両・航空機の手配」を考える企業も一定数あった。
駐在員・帯同家族に行う犯罪に備えた注意喚起・対策として、「大使館からの注意喚起情報を確認」するよう求める企業が多かった。
調査では、「赴任・帰任手当」や「休暇制度」、「医療制度」、「教育制度」などについても聞いた。
※詳細データは『アジア駐在員福利厚生調査結果2025年』(PDF版)<https://www.nna.jp/s/D1e5aaWIUl>に収録されています。
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■高い住宅補助
生活支援を目的とした「海外勤務手当」を支給する企業は全体の83%で、月額の支給額は「1万元以上」が最多比率を占めた。「単身赴任手当」を出す企業は過半の54%。
「住宅手当」は「ある」が79%となり、「ない」も13%あった。月額の手当は単身が「1万5,000~2万元未満」、本人・配偶者は「2万~2万5,000元未満」、本人・配偶者・子ども2人以上は「2万5,000元以上」がそれぞれのボリュームゾーンだった。
会社負担で駐在員を支援する制度としては、「日本食」「日本書籍」「日本薬」などの送付を行う企業もあったが、会社負担の支援制度を導入しているのは全体から見ると少数派だった。
通勤方法(複数回答可)は「公共交通機関」が最多の240件となり、「徒歩」は152件、「タクシー」は58件。「社用車」は226件だった。

■有事対策準備は少数派
駐在員・帯同家族に対する有事に備えた会社の対策の有無を聞く設問では、「していない」が全体の5割台で、「している」の3割台を上回った。
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