日本通運を傘下に持つNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は21日、シンガポール西部トゥアスにある物流施設の拡張部分の開所式を実施した。物流・貿易ハブであるシンガポールの地の利を生かし、世界全体でサプライチェーン(供給網)の最適化を図る取り組みの一環。マレーシア国境周辺の開発やトゥアス新港の開港などを受け、拡大する物流需要の取り込みを図る。
西部トゥアスにある物流施設の拡張部分の開所式に出席したNXHDの齋藤会長(中央)ら=21日、シンガポール西部(NNA撮影)
開所式には、NXHDの齋藤充会長やシンガポールにある地域統括会社NX南アジア・オセアニアの小林克人社長、石川浩司・駐シンガポール日本大使らが出席した。
シンガポール現地法人NXシンガポールは、シンガポール経済開発庁(EDB)と工業団地開発・運営機関JTCコーポレーションの支援を得てトゥアスの既存物流施設を10万平方フィート(約9,290平方メートル)分拡張した。
半導体や医薬品、医療機器などの物流に対応する多機能倉庫となる。既存施設でもこうした製品を扱っているが、拡張を機に施設の対応能力を強化する。
拡張部分には、4方向シャトルラック(高効率の出荷・納入を可能にする電動台車式流動棚)や狭通路ラック(狭い通路で大量の製品を保管できるスペース)、自動倉庫システム「オートストア」などを備える。温度管理技術を活用して厳格な管理が必要な製品を保管・輸送する。
最新の物流施設向けソリューションといった自動化技術を活用して作業の効率化を図るほか、物流作業のオペレーターなどの増員も進める。人工知能(AI)技術も業務に取り入れ、作業リスクを検知して事故防止につなげる。
環境面では太陽光発電システムを備えており、年771トンの温室効果ガスの削減を見込む。既存のディーゼルフォークリフトは全て電動式に刷新する。
開所式ではフォークリフトのデモンストレーションが行われた=21日、シンガポール西部(NNA撮影)
NX南アジア・オセアニアの小林社長は、「NXグループは世界規模の物流サービスの提供を通じて顧客のビジネスを支援している。今回の施設拡張を通じて、より強固でアジャイル(機敏)な供給網の構築を目指す」と話した。
日通はシンガポールでトゥアスのほか、西部トーグアンに物流施設、東部チャンギに航空貨物用施設を展開している。今回の施設拡張に伴い、同国でNXシンガポールが運営する物流関連施設の建築面積は従来比で約3割増え、計110万平方フィートとなる。
トゥアスには、シンガポールとマレーシア・ジョホール州ジョホールバルを結ぶ国境橋「セカンド・リンク」のほか、建設が段階的に進む大型コンテナ港「トゥアス港」がある。
マレーシア・ジョホール州では、シンガポールとマレーシアの両政府が「ジョホール・シンガポール経済特区(JS—SEZ)」の開発計画を進めている。
NXグループはジョホール州のタンジュンプルパス港(PTP)にも倉庫施設を持つ。今回の物流施設拡張を通じて、自社グループの各物流拠点を生かしながら周辺地域で拡大が見込まれる越境物流の需要を取り込みたい考えだ。
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シンガポール現地法人NXシンガポールは、シンガポール経済開発庁(EDB)と工業団地開発・運営機関JTCコーポレーションの支援を得てトゥアスの既存物流施設を10万平方フィート(約9,290平方メートル)分拡張した。
半導体や医薬品、医療機器などの物流に対応する多機能倉庫となる。既存施設でもこうした製品を扱っているが、拡張を機に施設の対応能力を強化する。
拡張部分には、4方向シャトルラック(高効率の出荷・納入を可能にする電動台車式流動棚)や狭通路ラック(狭い通路で大量の製品を保管できるスペース)、自動倉庫システム「オートストア」などを備える。温度管理技術を活用して厳格な管理が必要な製品を保管・輸送する。
最新の物流施設向けソリューションといった自動化技術を活用して作業の効率化を図るほか、物流作業のオペレーターなどの増員も進める。人工知能(AI)技術も業務に取り入れ、作業リスクを検知して事故防止につなげる。
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日通はシンガポールでトゥアスのほか、西部トーグアンに物流施設、東部チャンギに航空貨物用施設を展開している。今回の施設拡張に伴い、同国でNXシンガポールが運営する物流関連施設の建築面積は従来比で約3割増え、計110万平方フィートとなる。
トゥアスには、シンガポールとマレーシア・ジョホール州ジョホールバルを結ぶ国境橋「セカンド・リンク」のほか、建設が段階的に進む大型コンテナ港「トゥアス港」がある。
マレーシア・ジョホール州では、シンガポールとマレーシアの両政府が「ジョホール・シンガポール経済特区(JS—SEZ)」の開発計画を進めている。
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