三井住友海上はインドネシアで、主に日系企業向けに、ドローンを活用して工場や倉庫などの屋根を点検するサービスを今月下旬にも開始する。自然災害や経年による建物の老朽化箇所を早期に発見し、未然にリスク軽減につなげる狙いがある。同社によると、自社で防災・減災を目的とした「ドローンサーベイ」を内製化するのは、同国内の損害保険会社では初めて。
三井住友海上インドネシアの調査員が、顧客企業の工場でドローンを操縦して建物の屋根を点検する様子(同社提供)
現地法人の三井住友海上インドネシアの調査員が、顧客企業の工場などを訪問し、ドローンを操縦して建物の屋根を点検する。破損や劣化箇所、異物・障害物がないか、さびや腐食の進行状況など、構造的な強度が低下している兆候の有無などを確認できる。ドローンに搭載された高精度カメラや赤外線カメラで、内部の湿気、漏水リスク、屋根内部の漏電箇所についても確認できる。
三井住友海上は日本では2020年から、同様のドローン点検サービスを提供してきた。今回インドネシアでの導入に当たり、中国DJI製のドローンを調達。自社社員を育成してドローン操縦のライセンスを取得した。
ドローンサーベイの導入は、自社の保険商品に付加価値をつけて差別化を図ることが狙い。インドネシア国内には損害保険72社が営業しているが、同国の金融監督庁(OJK)により火災保険の保険料率が厳格に規定されており、各社が独自に保険料を設定できず保険商品そのものでは差別化しづらい事情が背景にある。
三井住友海上インドネシアは、ドローンサーベイを内製化することで顧客サービスの一環として無償で提供。同社関係者は「従来の保険本来の価値に加えて、火災保険商品だけでは提供できない補償前の価値も含めてお客さまにお届けする」と説明した。
■安全性向上・コスト削減
保険加入企業にとっても、建物を自主点検する手間やコストを削減できるメリットがある。屋根に上り点検する高所作業に伴うリスクを回避できる上に、早期に補修すべき箇所を把握することで問題のある部分だけを重点的に修理できれば、大規模な修繕費の軽減につなげられる。
三井住友海上インドネシアのドローンサーベイ事業を手がける担当者(同社提供)
ドローンサーベイを継続的に受けることで過去の点検データと比較し、建物劣化の進行状況や、メンテナンスの最適なタイミングを判断することにも活用できる。
今回提供を始めるドローンサーベイは基本的に、事故を未然に防ぐために実施する。将来的には、事故の発生時に保険金を請求する際に必要な客観的な記録として活用することも視野に入れている。三井住友海上インドネシアは、台風や地震などの災害後には、個別に被害状況の確認にも応じることで保険金請求手続きにスムーズに対応できるようになると説明した。
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三井住友海上は日本では2020年から、同様のドローン点検サービスを提供してきた。今回インドネシアでの導入に当たり、中国DJI製のドローンを調達。自社社員を育成してドローン操縦のライセンスを取得した。
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三井住友海上インドネシアは、ドローンサーベイを内製化することで顧客サービスの一環として無償で提供。同社関係者は「従来の保険本来の価値に加えて、火災保険商品だけでは提供できない補償前の価値も含めてお客さまにお届けする」と説明した。
■安全性向上・コスト削減
保険加入企業にとっても、建物を自主点検する手間やコストを削減できるメリットがある。屋根に上り点検する高所作業に伴うリスクを回避できる上に、早期に補修すべき箇所を把握することで問題のある部分だけを重点的に修理できれば、大規模な修繕費の軽減につなげられる。
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今回提供を始めるドローンサーベイは基本的に、事故を未然に防ぐために実施する。将来的には、事故の発生時に保険金を請求する際に必要な客観的な記録として活用することも視野に入れている。三井住友海上インドネシアは、台風や地震などの災害後には、個別に被害状況の確認にも応じることで保険金請求手続きにスムーズに対応できるようになると説明した。"
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