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企業3割弱、4Qの景気楽観提示給与が高水準、水際緩和控え

台湾の求人求職サイトが9月上旬から中旬にかけて実施した調査によると、2022年第4四半期(10~12月)の景気を楽観している台湾企業は29.7%に上り、前四半期から1.5ポイント拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大が内需に与える影響が限定的だったことなどが影響したとみられる。水際対策の緩和を控え、第4四半期に人材を採用する計画がある企業が提示する毎月の給与額は、同期として直近10年の最高を更新した。
調査は「yes123求職網」が9月7~20日にオンラインのアンケート形式で実施し、正規従業員として就業中の会員1,222人と企業986社からそれぞれ有効回答を得た。
第4四半期の景気を第3四半期(7~9月)と比べて「横ばい」と回答した企業は50.4%、「悲観している」は19.9%だった。
「楽観」の回答比率から「悲観」の比率を差し引いた数値は9.8で、前四半期の8.5から1.3ポイント、前年同期(マイナス1.8)から11.6ポイントそれぞれ拡大した。
求職者の第4四半期の景気に対する回答比率は「楽観」が27.0%、「横ばい」が44.7%、「悲観」が28.3%。楽観の比率は企業と比べて2.7ポイント低く、景気をやや慎重に捉えていることがうかがえる。
yes123の広報担当者は「今年はコロナ対策で店内飲食が禁止されず、内需産業は昨年のような深刻な打撃を受けることがなかった。輸出受注も好調を維持した」と指摘。一方で「感染拡大がいつ終わるのか予想できないため、企業は今後の見通しを楽観しているものの、慎重さも失っていない」と分析した。
一方、求職者に関しては「11月から人事評価シーズンに入るため危機意識が高まっている上、インフレに伴う生活費の増加であまり楽観できない状態にある」との見方を示した。
■8割が人材採用計画
第4四半期に「人材を採用する計画がある」とした企業は79.1%だった。割合は前四半期を1.4ポイント、前年同期を5.7ポイントそれぞれ上回った。
このほかは15.1%が「採用計画はなく、リストラの計画もない」、5.8%が「採用計画はないが、リストラの計画はある」だった。
人材が不足する主な職種に対して企業側が提示する毎月の給与額は、平均で4万1,443台湾元(約18万6,800円)。前四半期(3万7,437元)と前年同期(4万95元)をともに上回り、同期として直近10年の最高を更新した。
yes123の広報担当者は、企業が水際対策の緩和後の見通しを好感していると指摘。「旅行などのリベンジ消費の波が起き、各産業で人材需要が拡大するとみている」と分析した。このほか内需産業では、国慶日連休(今年は10月8~10日)や小売業界の秋の大型セール「週年慶(周年慶)」、クリスマス・年末商戦により一時的な人手不足に陥る可能性があるとの見方を示した。
採用意欲が強かった業種は◇飲食・宿泊・レジャー・観光◇卸売り・小売り・貿易◇運輸・物流・倉庫◇ハイテク・情報◇従来型製造業(非ハイテクの製造業)——だった。
採用の理由として最も多かったのは欠員の補充(37.2%)。このほか◇人手不足(34.5%)◇業務の増加(16.5%)◇拠点・店舗の拡張(11.8%)——などだった。
■ほぼ半数が昇給計画
第4四半期に昇給を計画していると答えた企業は49.8%と、前四半期から5.0ポイント、前年同期から5.9ポイントそれぞれ拡大した。
第4四半期に昇給の計画があると答えた企業のうち39.4%が「個人の業績に応じて昇給する」、10.4%が「全面的に昇給する」とそれぞれ回答。一方、「昇給計画がない」は50.2%だった。
予定平均昇給率は4.0%。昇給率を段階ごとに見ると、「2%以上~4%未満」が33.0%で最多だった。以下「2%未満」が29.7%、「4%以上~6%未満」が15.5%、「10%以上」が10.2%で続いた。
第4四半期にボーナスの支給を予定する企業は39.4%で、前四半期から3.1ポイント、前年同期から7.3ポイントそれぞれ拡大した。19年同期(42.0%)にはわずかに届かなかった。

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一方、求職者に関しては「11月から人事評価シーズンに入るため危機意識が高まっている上、インフレに伴う生活費の増加であまり楽観できない状態にある」との見方を示した。
■8割が人材採用計画
第4四半期に「人材を採用する計画がある」とした企業は79.1%だった。割合は前四半期を1.4ポイント、前年同期を5.7ポイントそれぞれ上回った。
このほかは15.1%が「採用計画はなく、リストラの計画もない」、5.8%が「採用計画はないが、リストラの計画はある」だった。
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採用の理由として最も多かったのは欠員の補充(37.2%)。このほか◇人手不足(34.5%)◇業務の増加(16.5%)◇拠点・店舗の拡張(11.8%)——などだった。
■ほぼ半数が昇給計画
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第4四半期に昇給の計画があると答えた企業のうち39.4%が「個人の業績に応じて昇給する」、10.4%が「全面的に昇給する」とそれぞれ回答。一方、「昇給計画がない」は50.2%だった。
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