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【リオープニング】日韓、海の往来再びJR九州が福岡—釜山航路を再開

新型コロナウイルス禍で長らく中断されていた日本と韓国を結ぶ海の便が再開されつつある。JR九州高速船(福岡市)は4日、2年7カ月ぶりに福岡市と釜山市をつなぐ高速船の運航を再開。韓国では、釜山を出発して大阪へ向かうフェリーの旅客営業が一部復活した。日韓両国が入国制限を撤廃したことで本格的な回復が期待される空に続き、海の便もコロナ禍からの本格回復に向けて動き始めた。
JR九州高速船(福岡市)は4日、高速船の福岡—釜山路線の運航を再開した。新型コロナ感染症の水際対策として2020年3月9日に中断されて以来、2年7カ月ぶりの運航再開となる。
高速船は、福岡—釜山間を約3時間40分で結び、福岡・博多港からは午前9時に、釜山港からは午後3時にそれぞれ出発するスケジュールとなっている。運賃は片道1万6,000円(燃料サーチャージは別)だが、運航再開を記念して11月乗車分については半額の8,000円で販売している。予約は電話でのみ受け付け可能だ。
当面は週末のみの限定運航となる。12月以降の運航スケジュールについてJR九州高速船は「11月下旬ごろに発表する予定で、徐々に運航本数を増やしていく計画」と説明した。
JR九州高速船は、前身であるJR九州・船舶事業部時代の1991年にJRグループ初の国際航路として福岡—釜山間を就航し、17年には累計乗船人数が600万人を突破していた。日韓関係の悪化で19年に韓国で起きた日本への旅行を拒否する「ボイコットジャパン運動」の影響で19年は乗船者数が急減。その翌年の20年には新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が起きるなど、長きにわたり厳しい状況に立たされていた。
しかし、今年9月以降は入国制限の撤廃など国際的な往来が再開されており、今後は業績の改善も期待される。実際に、福岡—釜山航路の再開発表後には電話での問い合わせが急増したという。
■新型船ようやく国際デビュー
福岡—釜山路線に投入されるのは、新型の「クイーンビートル」。当初は前代の「ビートル」に代わって20年7月に投入される予定だったが、コロナ禍の運航中断によって延期されていた。4日の同路線再開によって、クイーンビートルは晴れて国際デビューとなった。
クイーンビートルはオーストラリアで建造され、20年10月にJR九州高速船に引き渡された。従来のビートルよりも約3倍大きく、広々とした船内には食事などを提供するキオスクや免税店、キッズルームなどを備える。
日韓航路向けに建造されたために当初の船籍はパナマだったが、コロナ禍の長期化を受けて日本国内でより自由に運航するために日本船籍に変更。今年3月からは博多—北九州市・門司路線で使用されていた。
■韓国発フェリーも本格再開準備
韓国側も、日本行き航路の本格的な運航再開に向けた動きを加速させている。旅客船社のパンスターは今月1日、釜山—大阪間の旅客船「パンスタードリーム号」の運航を約3年ぶりに再開した。ドリーム号は、釜山—大阪間を毎週3回運航していたが、20年3月27日を最後に運航を停止していた。
パンスターの関係者は「日本側の検疫システムなどもあり、今回乗船した旅客は10人程度だったが、今後は徐々に乗船可能人数を増やしていく」との計画を明らかにした。
日韓航路の本格再開は旅客船社だけでなく地方経済の活性化につながることから、韓国政府も支援を惜しまない構えだ。
韓国海洋水産省はこのほど、入国制限撤廃で日韓両国の観光需要急増が見込まれることから、日韓を結ぶ旅客船の運航再開に向けた準備に取りかかった。
釜山港(釜山市)や東海港(江原道東海市)から◇福岡◇大阪◇下関(山口県)◇対馬(長崎県)◇舞鶴(京都府)——など日本各地の港を結ぶ路線について、コロナの感染状況や需要などを考慮して順次再開していく方針という。

釜山沖を航行中のパンスタードリーム号=韓国(写真はイメージ、パンスター提供)
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当面は週末のみの限定運航となる。12月以降の運航スケジュールについてJR九州高速船は「11月下旬ごろに発表する予定で、徐々に運航本数を増やしていく計画」と説明した。
JR九州高速船は、前身であるJR九州・船舶事業部時代の1991年にJRグループ初の国際航路として福岡—釜山間を就航し、17年には累計乗船人数が600万人を突破していた。日韓関係の悪化で19年に韓国で起きた日本への旅行を拒否する「ボイコットジャパン運動」の影響で19年は乗船者数が急減。その翌年の20年には新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が起きるなど、長きにわたり厳しい状況に立たされていた。
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■新型船ようやく国際デビュー
福岡—釜山路線に投入されるのは、新型の「クイーンビートル」。当初は前代の「ビートル」に代わって20年7月に投入される予定だったが、コロナ禍の運航中断によって延期されていた。4日の同路線再開によって、クイーンビートルは晴れて国際デビューとなった。
クイーンビートルはオーストラリアで建造され、20年10月にJR九州高速船に引き渡された。従来のビートルよりも約3倍大きく、広々とした船内には食事などを提供するキオスクや免税店、キッズルームなどを備える。
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■韓国発フェリーも本格再開準備
韓国側も、日本行き航路の本格的な運航再開に向けた動きを加速させている。旅客船社のパンスターは今月1日、釜山—大阪間の旅客船「パンスタードリーム号」の運航を約3年ぶりに再開した。ドリーム号は、釜山—大阪間を毎週3回運航していたが、20年3月27日を最後に運航を停止していた。
パンスターの関係者は「日本側の検疫システムなどもあり、今回乗船した旅客は10人程度だったが、今後は徐々に乗船可能人数を増やしていく」との計画を明らかにした。
日韓航路の本格再開は旅客船社だけでなく地方経済の活性化につながることから、韓国政府も支援を惜しまない構えだ。
韓国海洋水産省はこのほど、入国制限撤廃で日韓両国の観光需要急増が見込まれることから、日韓を結ぶ旅客船の運航再開に向けた準備に取りかかった。
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