四国で人材サービス業を展開するアビリティーセンター(愛媛県新居浜市)は11日、シンガポールで人事関連のデジタルソリューションを提供するワイズソリューションズ(Whyze Solutions)を合併・買収(M&A)したと明らかにした。2年前に買収したマレーシアの子会社と共に2カ国でデジタル事業を強化し、国内外での事業展開を加速させる考えだ。
2021年に買収したマレーシアの同業CXLグループと共同で、ワイズソリューションズの経営陣から同社株式の過半数を取得した。取得額や取得後の出資比率は非公表。残りの株式は引き続き既存株主が保有する。
経営体制に大きな変更はなく、経営陣は続投。社外取締役にアビリティーセンターの三好輝和社長が就任した。
ワイズソリューションズは08年設立。シンガポールで給与計算、勤怠管理、経費精算、研修管理といった人事労務に関するデジタルソリューションを提供している。
顧客は中小企業から多国籍企業まで2,000社以上。従業員数は約25人で、22年度の売上高は320万Sドル(約3億2,000万円)だった。
シンガポールはアビリティーセンター・グループにとって2カ国目の海外進出先となる。マレーシアでCXLグループを通じて人材派遣業と給与計算など人事労務の代行業を展開する中、デジタル面を強化したいと考えて今回の買収を決めた。
CXLはシンガポール、ワイズソリューションズはマレーシアへの進出をそれぞれ検討していたことも後押しした。今後は営業網を相互活用し、新規市場の開拓を進めたい考えだ。
三好社長はNNAの取材に対し「人材派遣でも人事労務のアウトソーシングでも、勤怠管理などでデジタルソリューションを活用する余地がある。2社の事業でシナジー(相乗効果)を生み出し、デジタル面にも強い人材派遣・人事アウトソーシング企業として認識してもらうのが狙いだ」と語った。
アビリティーセンターは1986年設立。四国では、農業などの地場産業に特化した人材派遣・紹介といった、大手企業が手がけない地域密着型のサービスを提供している。
高度外国人材の採用支援なども手がけ、22年にはインドネシアの企業と提携。特定技能資格を持つインドネシア人材を四国の企業に紹介するサービスも開始した。
日本国内では引き続き四国に特化した人材総合サービスを展開する。海外ではCXLとワイズソリューションズの2社による現地での人材事業を強化することで、国内外の両輪で成長のスピードを加速させる意向だ。
22年6月末時点のグループ全体の売上高は65億円だった。三好社長によると、現段階の海外2社の売り上げ規模は年間18億~19億円ほど。まだ具体的な目標値は設定していないが、今後さらなる売り上げの拡大を狙う。
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経営体制に大きな変更はなく、経営陣は続投。社外取締役にアビリティーセンターの三好輝和社長が就任した。
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シンガポールはアビリティーセンター・グループにとって2カ国目の海外進出先となる。マレーシアでCXLグループを通じて人材派遣業と給与計算など人事労務の代行業を展開する中、デジタル面を強化したいと考えて今回の買収を決めた。
CXLはシンガポール、ワイズソリューションズはマレーシアへの進出をそれぞれ検討していたことも後押しした。今後は営業網を相互活用し、新規市場の開拓を進めたい考えだ。
三好社長はNNAの取材に対し「人材派遣でも人事労務のアウトソーシングでも、勤怠管理などでデジタルソリューションを活用する余地がある。2社の事業でシナジー(相乗効果)を生み出し、デジタル面にも強い人材派遣・人事アウトソーシング企業として認識してもらうのが狙いだ」と語った。
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