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日系コンビニ、店舗拡大に舵ミニストップとセブン今年1.5倍に

日系のコンビニエンスストアがベトナムで相次ぎ店舗拡大に乗り出す。ミニストップとセブン—イレブンはともに2023年度に店舗数を1.5倍に増やし、それぞれ200店と115店に引き上げる目標を掲げる。コロナ後の消費スタイルの変化を踏まえ、生鮮食品やオリジナル惣菜の販売に力を入れることで、業界トップの米系サークルKや韓国系のGS25を追い上げる。

23年は日系コンビニが出店攻勢をかける=ホーチミン市ビンタイン区

ミニストップはこのほど発表した22会計年度(22年3月~23年2月)の決算説明資料で、ベトナムでの店舗展開数を現行の22年度までの138店から23年度に200店、24年度に300店、25年度に500店に拡大する目標を明らかにした。
同社は21年に中国から撤退、22年には韓国から撤退している。海外事業で唯一残るベトナムに経営資源を集中する。
■専門家をベトナムに派遣
セブン&アイ・ホールディングスも22会計年度の決算資料で、ベトナムでセブン—イレブンを23年1月時点での79店から23年度に115店、28年度に500店にする計画を発表した。セブン&アイは2月に、ベトナム事業のてこ入れを目的に同国でコンビニ運営権を持つセブンシステムベトナム(SSV)への追加投融資を決定したことも明らかにしている。
両社とも店舗展開の加速にあたって、日本などからベトナムへ知見のある専門家や指導者を派遣し、現地の経営体制を強化するとしている。
■単年黒字化を視野
多店舗化とともにサービスの改善も図る。ミニストップが推進するのは、野菜などの生鮮食品や調味料を多く販売する「新フォーマット店舗」の拡大だ。自炊志向が強いベトナム人消費者のニーズの取り込みが狙いと見られ、22年度は全体の2割余りに相当する34店が新フォーマット店舗になった。新フォーマットに転換した店舗の日販(各店舗の1日当たりの売上高)は24%増え、全体の平均伸び率を7ポイント上回った。
新フォーマット店舗への転換が功を奏し、22年度のベトナムでの全店売上高は前年から46%伸び、第4四半期(22年10~12月)は4,800万円の営業利益を確保した。四半期での黒字は初で、23年度は通年での黒字化を目指す。
一方のセブン—イレブンは、ファストフードでのオリジナル商品の開発に力を入れる。商品開発では、セブン—イレブンの食品サプライヤーなどからなる日本デリカフーズ協同組合の協力を得て差別化を図る。同社はベトナムでの利益目標は明らかにしていないが、店舗当たりの平均日販は22年度の1,125米ドル(約15万1,000円)から年率10.1%のペースで引き上げ、28年度に約2,000米ドルにする目標だ。

■韓国系「GS25」追う
ミニストップは11年に、セブン—イレブンは17年にベトナムに進出した。ミニストップは当初、16年までに500店舗に、セブン—イレブンは20年までに100店舗を目指すとしていたが、現在も目標水準に届いていない。業界関係者によれば、店舗賃料の高さやバイクから降りずに商品を買えるパパママショップや屋台文化の根強さが店舗拡大のネックになっているという。
ここに来て両社が店舗網の拡大に舵(かじ)を切るのは、約400店で業界トップの米系サークルKや2位の韓国系GS25との差を早期に詰めるためとみられる。
特にGS25は、不動産開発会社を傘下に持つ地場ソンキム・グループと提携することで好条件の立地をいち早く確保し、18年進出の後発組ながら今年1月までに208店と業界2位に台頭した。
複数の業界関係者は、GS25が「採算度外視」の出店攻勢を続けることでコンビニ市場でいち早くブランドを確立させようとしていると危機感を示す。同社は24年までは赤字を容認する経営方針を打ち出しており、27年までに700店の展開を目指している。

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同社は21年に中国から撤退、22年には韓国から撤退している。海外事業で唯一残るベトナムに経営資源を集中する。
■専門家をベトナムに派遣
セブン&アイ・ホールディングスも22会計年度の決算資料で、ベトナムでセブン—イレブンを23年1月時点での79店から23年度に115店、28年度に500店にする計画を発表した。セブン&アイは2月に、ベトナム事業のてこ入れを目的に同国でコンビニ運営権を持つセブンシステムベトナム(SSV)への追加投融資を決定したことも明らかにしている。
両社とも店舗展開の加速にあたって、日本などからベトナムへ知見のある専門家や指導者を派遣し、現地の経営体制を強化するとしている。
■単年黒字化を視野
多店舗化とともにサービスの改善も図る。ミニストップが推進するのは、野菜などの生鮮食品や調味料を多く販売する「新フォーマット店舗」の拡大だ。自炊志向が強いベトナム人消費者のニーズの取り込みが狙いと見られ、22年度は全体の2割余りに相当する34店が新フォーマット店舗になった。新フォーマットに転換した店舗の日販(各店舗の1日当たりの売上高)は24%増え、全体の平均伸び率を7ポイント上回った。
新フォーマット店舗への転換が功を奏し、22年度のベトナムでの全店売上高は前年から46%伸び、第4四半期(22年10~12月)は4,800万円の営業利益を確保した。四半期での黒字は初で、23年度は通年での黒字化を目指す。
一方のセブン—イレブンは、ファストフードでのオリジナル商品の開発に力を入れる。商品開発では、セブン—イレブンの食品サプライヤーなどからなる日本デリカフーズ協同組合の協力を得て差別化を図る。同社はベトナムでの利益目標は明らかにしていないが、店舗当たりの平均日販は22年度の1,125米ドル(約15万1,000円)から年率10.1%のペースで引き上げ、28年度に約2,000米ドルにする目標だ。

■韓国系「GS25」追う
ミニストップは11年に、セブン—イレブンは17年にベトナムに進出した。ミニストップは当初、16年までに500店舗に、セブン—イレブンは20年までに100店舗を目指すとしていたが、現在も目標水準に届いていない。業界関係者によれば、店舗賃料の高さやバイクから降りずに商品を買えるパパママショップや屋台文化の根強さが店舗拡大のネックになっているという。
ここに来て両社が店舗網の拡大に舵(かじ)を切るのは、約400店で業界トップの米系サークルKや2位の韓国系GS25との差を早期に詰めるためとみられる。
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