韓国政府がペット市場の育成に本腰を入れる。ペットの治療費について、付加価値税を免除する法案を10月にも施行する。ペットを飼う世帯が急増する中、将来の成長産業に位置付けて国内市場規模を2027年までに現在の2倍となる15兆ウォン(約1兆6,439億円)に拡大させる計画だ。
ペット世帯の増加を受けて、ソウル市は社会的弱者向けにペットの預かりサービスを実施してる(ソウル市提供)
韓国農林畜産食品省は9日、ペット関連産業の育成対策を発表した。韓国ではペット(犬や猫)を飼っている世帯数は昨年602万世帯と、10年前の2012年の364万世帯に比べて65%増加した。国内市場規模は昨年約8兆ウォン(62億米ドル、約8,980億円)に上ったが、世界市場(3,781億米ドル)に占める割合はいまだ1.6%にとどまっており、今後の成長が見込まれている。
育成対策の目玉は、指定された100項目の診断を受けたペットの治療費の付加価値税10%を免除する制度の導入だ。MRIや内視鏡といった検査のほか、嘔吐(おうと)や下痢の症状に応じた処置、アトピー性皮膚炎、結膜炎、骨折、抜歯など、幅広い範囲で免税措置が受けられるようになる。
現在は、ペットの予防接種費や去勢手術費などについては付加価値税が免除されるが、病気のペットが治療を受ける際は課税対象となっている。診療項目による診療費は動物病院ごとに異なり、どのような診療を受けるべきか標準化されていない点も課題に挙げられていた。
2022年の動物保護に対する国民意識調査によると、ペット1匹当たりにかかる費用は月平均15万ウォンとなっている。そのうち病院費が4割(6万ウォン)を占めており、飼い主の負担が大きかった。
■保険加入率の改善も促進
現時点で加入率が1%以下にとどまるペット保険の活性化も目指す。動物病院やペットショップでも保険商品の販売をできるようにして、飼い主が簡単に保険加入できる体制を整備する。がんなどの重症疾患に対して厚く保障する商品など、さまざまなプランが提供できるよう現行制度の改正にも乗り出す。
ペットフードについては、家畜用の飼料とすみ分けを明確にし、分類・表示・栄養などに関する特化制度を24年にも新設する。新製品開発を促進するため安全基準に合った原料の拡大も図る。こうした政策を通じ、ペットフードの輸出額を現在の1億4,900万米ドルから2027年までに5億米ドルまで成長させる方針だ。
鄭煌根(チョン・ファングン)農林畜産食品相は「国内ペット産業はまだ初期の発展段階で根本的体質改善が必要だ。政府の産業育成を通じて、国内市場活性化とグローバル市場進出の拡大を目指す」としている。
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育成対策の目玉は、指定された100項目の診断を受けたペットの治療費の付加価値税10%を免除する制度の導入だ。MRIや内視鏡といった検査のほか、嘔吐(おうと)や下痢の症状に応じた処置、アトピー性皮膚炎、結膜炎、骨折、抜歯など、幅広い範囲で免税措置が受けられるようになる。
現在は、ペットの予防接種費や去勢手術費などについては付加価値税が免除されるが、病気のペットが治療を受ける際は課税対象となっている。診療項目による診療費は動物病院ごとに異なり、どのような診療を受けるべきか標準化されていない点も課題に挙げられていた。
2022年の動物保護に対する国民意識調査によると、ペット1匹当たりにかかる費用は月平均15万ウォンとなっている。そのうち病院費が4割(6万ウォン)を占めており、飼い主の負担が大きかった。
■保険加入率の改善も促進
現時点で加入率が1%以下にとどまるペット保険の活性化も目指す。動物病院やペットショップでも保険商品の販売をできるようにして、飼い主が簡単に保険加入できる体制を整備する。がんなどの重症疾患に対して厚く保障する商品など、さまざまなプランが提供できるよう現行制度の改正にも乗り出す。
ペットフードについては、家畜用の飼料とすみ分けを明確にし、分類・表示・栄養などに関する特化制度を24年にも新設する。新製品開発を促進するため安全基準に合った原料の拡大も図る。こうした政策を通じ、ペットフードの輸出額を現在の1億4,900万米ドルから2027年までに5億米ドルまで成長させる方針だ。
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