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【日本の税務】帰国した年の年末調整と確定申告

第302回
高橋さん:みらい先生、こんにちは。
みらい:高橋さん、こんにちは。タイでのお仕事はいかがですか?
高橋さん:はい。おかげさまで海外でのプロジェクトが無事終了し、2年の勤務を終えて、今年の7月に帰国しました。今日は、帰国後の年末調整や確定申告の手続きについて教えていただけますか?
みらい: はい。帰国をした年の給与所得以外の所得が20万円を超える場合には、帰国した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、確定申告をする必要があります。ただし、給与所得のみの場合には、一般的に確定申告は必要なく、年末調整のみとなります。
高橋さん:年末調整を受ける場合に必要となる手続きはありますか?
みらい:帰国日以後に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出し、帰国日以後に支給期の到来する8月から12月分の給与について年末調整を受けることになります。
高橋さん:8月に支払われる給与に関しては、タイで働いていた期間の給与も含まれていますが、所得税の計算対象から除かれますか?
みらい:いいえ。日本に帰国した日の翌日からは日本の居住者となり、以後支給された給与については非居住者であった期間の勤務に対応する部分の金額が含まれていても、その総額について日本で課税されます。
高橋さん:そうですか。年末調整についてその他で注意すべきことはありますか?
みらい:例えば、社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除については、日本の居住者である期間内に支払った金額が控除の対象になりますので、「帰国してから年末までに支払った金額」が控除の対象になります。
高橋さん:帰国後に今年の生命保険料を年払いで支払う予定なのですが、年払いで払っている保険料は、月割りで按分計算が必要となるのですか?
みらい:いいえ。「支払いの時点」で判定することになりますので、年払いの場合には、その支払いの時点で居住者であれば、支払額の全額が控除の対象となります。ただし、全保険期間分の保険料を、保険会社に預けるような形で1回で支払う、いわゆる「前納払い」の保険料については、預けた保険料が払込応答日に充当されますので、非居住者期間内に支払期日が到来する部分については、控除の対象となりません。
高橋さん:分かりました。配偶者控除については従来通り受けられますか?
みらい:はい。配偶者控除や扶養者控除については、年末調整においては「その年の最後に給与の支払いをする日」の現況において判定されますので、通常の国内勤務の場合と変わりません。
高橋さん:私は給与以外の所得は無く、日本を出国した年は年末調整だけを受けていましたので、確定申告は特に必要ないですよね?
みらい:確定申告は、「給与所得以外の所得が20万円を超える場合」の他、「帰国後の医療費があって還付申告するケース」、「帰国直後に新規で住宅ローン控除の適用を受ける場合」にも必要になります。また、「平成28年3月31日以前に住宅の取得等をして住宅ローン控除を受けていたケースで、残りの控除期間について再適用を受ける場合」にも確定申告が必要になりますので注意が必要です。
高橋さん:よく分かりました。ありがとうございます。
筆者:みらいコンサルティンググループ/提供:NNA(先行連載)

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みらい:高橋さん、こんにちは。タイでのお仕事はいかがですか?
高橋さん:はい。おかげさまで海外でのプロジェクトが無事終了し、2年の勤務を終えて、今年の7月に帰国しました。今日は、帰国後の年末調整や確定申告の手続きについて教えていただけますか?
みらい: はい。帰国をした年の給与所得以外の所得が20万円を超える場合には、帰国した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、確定申告をする必要があります。ただし、給与所得のみの場合には、一般的に確定申告は必要なく、年末調整のみとなります。
高橋さん:年末調整を受ける場合に必要となる手続きはありますか?
みらい:帰国日以後に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出し、帰国日以後に支給期の到来する8月から12月分の給与について年末調整を受けることになります。
高橋さん:8月に支払われる給与に関しては、タイで働いていた期間の給与も含まれていますが、所得税の計算対象から除かれますか?
みらい:いいえ。日本に帰国した日の翌日からは日本の居住者となり、以後支給された給与については非居住者であった期間の勤務に対応する部分の金額が含まれていても、その総額について日本で課税されます。
高橋さん:そうですか。年末調整についてその他で注意すべきことはありますか?
みらい:例えば、社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除については、日本の居住者である期間内に支払った金額が控除の対象になりますので、「帰国してから年末までに支払った金額」が控除の対象になります。
高橋さん:帰国後に今年の生命保険料を年払いで支払う予定なのですが、年払いで払っている保険料は、月割りで按分計算が必要となるのですか?
みらい:いいえ。「支払いの時点」で判定することになりますので、年払いの場合には、その支払いの時点で居住者であれば、支払額の全額が控除の対象となります。ただし、全保険期間分の保険料を、保険会社に預けるような形で1回で支払う、いわゆる「前納払い」の保険料については、預けた保険料が払込応答日に充当されますので、非居住者期間内に支払期日が到来する部分については、控除の対象となりません。
高橋さん:分かりました。配偶者控除については従来通り受けられますか?
みらい:はい。配偶者控除や扶養者控除については、年末調整においては「その年の最後に給与の支払いをする日」の現況において判定されますので、通常の国内勤務の場合と変わりません。
高橋さん:私は給与以外の所得は無く、日本を出国した年は年末調整だけを受けていましたので、確定申告は特に必要ないですよね?
みらい:確定申告は、「給与所得以外の所得が20万円を超える場合」の他、「帰国後の医療費があって還付申告するケース」、「帰国直後に新規で住宅ローン控除の適用を受ける場合」にも必要になります。また、「平成28年3月31日以前に住宅の取得等をして住宅ローン控除を受けていたケースで、残りの控除期間について再適用を受ける場合」にも確定申告が必要になりますので注意が必要です。
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