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日本から累計投資2兆円大統領、半導体やヘルスケア

日本を訪問していたフィリピンのマルコス大統領は18日、今年2回の訪日の間に日本企業などから取り付けた投資確約の規模が累計約140億米ドル(約2兆円)に達したと明らかにした。半導体やヘルスケアなど多岐にわたり、既に実行段階に移り始めた計画もある。南シナ海の領有権を巡る問題で中国からの投資が停滞するなか、日本との経済連携を深める。

記者会見で質問に答えるマルコス大統領=18日、東京(NNA撮影)

マルコス氏が18日、フィリピン帰国前に東京で同行記者団の質問に答えた。大統領に就任した2022年6月末以降、初めて日本を訪問した23年2月から日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議に出席するため訪日した今回までの期間に取り付けた投資約束の累計額となる。
マルコス氏は日本からの投資について「日本とフィリピンの経済関係を深めるのに役立っている」と強調した。半導体やヘルスケア、農業のほか、インフラ整備が投資の多くを占めているとした。
初訪日の際、マルコス氏は日本の政府やビジネス界から130億米ドル以上の投資確約があったと明らかにした。累計では約4万人分の新規雇用が見込まれる。このうち20社以上が進捗(しんちょく)を報告し、実際に1,690億ペソ(約4,300億円)規模が実行に移されている。
今回の訪日では貿易産業省を中心とした会合で日本企業などと趣意書9件を交わし、新たに145億ペソ規模の投資が約束された。雇用創出効果は2万人弱に上る。
フィリピン基地転換開発公社(BCDA)と日本の海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が、マニラ首都圏北方タルラック州の新都市「ニュー・クラーク・シティー(NCC)」の開発に関する共同調査を実施する。同公社は首都圏タギッグ市の新興開発区ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)にある日本人学校の土地契約を新たに25年間延長する。
イビデンと日本航空電子工業は生産能力を増強する。医療関連のメドレー、ミネベアミツミ、ニトリホールディングス、常石造船は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)事業や販売・供給網の整備、工場刷新に投資する。
ドゥテルテ前政権は中国寄りの政策で中国から経済支援や投資を取り付けていた。ただ南シナ海では中国が覇権主義的な行動を強めており、フィリピン国内への投資は鉄道事業が白紙に戻るなど停滞している。マルコス氏は日本などからの投資誘致を強化することで、国内経済の成長につなげたい考えだ。
マルコス氏は日本とASEANの友好協力50周年を記念した特別首脳会議に出席するため、15~18日の日程で日本を訪問した。マーティン・ロムアルデス下院議長やパスクアル貿易産業相らが随行した。

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マルコス氏は日本からの投資について「日本とフィリピンの経済関係を深めるのに役立っている」と強調した。半導体やヘルスケア、農業のほか、インフラ整備が投資の多くを占めているとした。
初訪日の際、マルコス氏は日本の政府やビジネス界から130億米ドル以上の投資確約があったと明らかにした。累計では約4万人分の新規雇用が見込まれる。このうち20社以上が進捗(しんちょく)を報告し、実際に1,690億ペソ(約4,300億円)規模が実行に移されている。
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フィリピン基地転換開発公社(BCDA)と日本の海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が、マニラ首都圏北方タルラック州の新都市「ニュー・クラーク・シティー(NCC)」の開発に関する共同調査を実施する。同公社は首都圏タギッグ市の新興開発区ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)にある日本人学校の土地契約を新たに25年間延長する。
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