＜日本発＞ベトナム戦争帰りの白人刑事と中国系マフィアの若いボスの争いを描いたマイケル・チミノ監督の「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」（1985年）。興行的には失敗したが、今振り返ると、米中の争いを暗示するような面白い映画だ。
粗暴で露骨に人種差別発言をし、夫婦生活の破綻した刑事は、混迷する米国の象徴。スマートなビジネスマン風だが目的のためには手段を選ばない若いボスは、最近の中国をほうふつとさせる。
さて13日の台湾総統選、秋の米大統領をはじめ選挙ラッシュとなる2024年のイヤー・オブ・ザ・ドラゴン。結果次第では米中の緊張が高まりそうだが、実はくだんの映画、単純な敵対ではなく、どこか似たもの同士の友情に近い関係も感じさせる。刑事が頼りにする浮気相手の女性が中国系であるのも暗喩的。こちらとしては映画全編を貫く血なまぐささだけは勘弁してほしい。（蔵）

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さて13日の台湾総統選、秋の米大統領をはじめ選挙ラッシュとなる2024年のイヤー・オブ・ザ・ドラゴン。結果次第では米中の緊張が高まりそうだが、実はくだんの映画、単純な敵対ではなく、どこか似たもの同士の友情に近い関係も感じさせる。刑事が頼りにする浮気相手の女性が中国系であるのも暗喩的。こちらとしては映画全編を貫く血なまぐささだけは勘弁してほしい。（蔵）"
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