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「給与が不当に低い」約5割米社調査、5カ国で最高水準

シンガポールの就労者の約5割は「給与が不当に低い」と感じていることが、米国の人事サービス会社ADPの調査で明らかになった。業種別では文化・芸術関連でこの傾向が強く、アジア太平洋地域の5カ国の中で最も高い水準となった。就労者からは昇給が難しい場合、特別賞与の付与や有給休暇の付与日数の追加などで待遇改善を求める声が聞かれた。ADPは企業に対し、経営目標や仕事上の成功の基準などを従業員に明示する必要があると指摘している。

シンガポールの就労者の約5割は給与が不当に低いと感じていることが、米人事サービス会社ADPの調査で明らかになった=シンガポール湾岸部(NNA撮影)

ADPは世界18カ国・地域で就労者計3万4,612人を対象に、23年10月から11月にかけて給与や雇用に関する意識調査を実施。同調査の報告書「ピープル・アット・ワーク2024:グローバルワークフォース・ビュー」を公表した。アジア太平洋地域(シンガポール、インド、日本、中国、オーストラリア)では、計9,567人が参加した。
報告書によると、シンガポールの就労者で「現在の仕事は給与が不当に低いと感じる」と答えた人は48%に上った。アジア太平洋地域の調査対象国の中では最も高く、これにオーストラリア(42%)、インド(41%)、日本(36%)、中国(31%)が続いた。
業種別にみると、シンガポールでは文化・芸術関連で特に給与水準が低いと感じている人が多く、67%が給与に不満を感じていると回答した。専門サービスは55%、建築・エンジニアリング・建設は50%だった。
仕事をする上で給与を重要視していると答えた人はシンガポールで71%となり、前年調査の69%を上回った。世界全体で最も高い水準となっている。
「昇給が期待できない場合、他にどのような報酬・待遇改善を求めるか」との質問では、「特別賞与(業績賞与を含む)」が44%で最も多かった。これに「有給休暇の付与日数の追加」(38%)、「生活費補助の特別手当」(34%)、「労働時間の短縮」(33%)、「日用品など商品券の付与」(31%)が続いた。
シンガポールの就労者で「主な収入源は1つ」と答えた人は81%となり、アジア太平洋地域で最も高い水準となった。一方、域内で「主な収入源が2つ以上ある」と答えた人が最も多かったのはインド(41%)だった。
「自分の所属する会社は、男女間の給与格差是正や職場の多様性確保に取り組んでいるか」との問いでは、シンガポールで「そう思わない」と答えた人の割合がアジア太平洋地域でも特に高かった。
ADPのHR部門(アジア太平洋担当)バイスプレジデント、イボンヌ・テオ氏は、「シンガポールで給与が不当に低いと感じる人が多いことは、就労者の仕事へのエンゲージメント(貢献意欲)が低下し、高い離職率につながってしまう。企業の業績にも影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らす。
雇用主に対しては、「会社としてイニシアチブを取り、経営目標や『仕事の成功』の具体的な基準を明示した上で、従業員がこれにどのように貢献できるかを詳しく伝えることが、従業員のエンゲージメントやモチベーションを高める上で重要だ」とアドバイスした。

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業種別にみると、シンガポールでは文化・芸術関連で特に給与水準が低いと感じている人が多く、67%が給与に不満を感じていると回答した。専門サービスは55%、建築・エンジニアリング・建設は50%だった。
仕事をする上で給与を重要視していると答えた人はシンガポールで71%となり、前年調査の69%を上回った。世界全体で最も高い水準となっている。
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シンガポールの就労者で「主な収入源は1つ」と答えた人は81%となり、アジア太平洋地域で最も高い水準となった。一方、域内で「主な収入源が2つ以上ある」と答えた人が最も多かったのはインド(41%)だった。
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