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中国の就業許可取得基準と実際の取得方法(就労許可の判断ポイント)

中国で就労するためには、まず、日本でZビザを取得し、それを元に、工作許可を取得(主管行政機関は外国専家局)。工作許可取得後に、居留許可を取得する必要が有ります(主管行政機関は出入境管理局)。
工作許可が取得できれば、通常は、問題なく居留許可が発行されます。

工作許可取得の根拠となるのは「外国人中国就労許可制度の全面的実施に関する通知(外専発[2017]40号)」ですが、法律と実務解釈の違いが有りますので、法律と実務対応の双方の面から、解説します。
また、実務運用では、「学士以上の学歴、就業経験2年以上、60歳以下」の3条件が全て揃うと、B類として工作許可が発行されますので、それを利用する場合が多い状況です。
では、その3条件が充足できない場合に、どの様な基準が適用されるかについても解説します。

1.法律面の取得基準

(1)A類

A類は、以下の条件の何れかに該当する場合となります。
一般的には、年収基準でA類を取得するケースが多いです。

1)世界500強企業の本社高級管理職・技術研究開発の主要メンバー経験者、若しくは、子会社・地域本部の副総経理以上、若しくは、技術研究開発責任者を経験した人材。
2)世界500強企業の地域本部、国家ハイテク企業(省級以上の科学技術部門認定)、大型企業が雇用する高級管理と技術職に就任する人員。
3)国内外の中型企業が雇用する高級管理人員、或いは技術職人員、及び、「外商投資産業指導目録」の奨励類、及び「中西部地区外商投資優勢産業目録」の小型外商投資企業が招聘する董事長・法定代表人・総経理・主席技術専門家。
4)平均給与収入が当該地区の前年度の平均給与の6 倍以上の人材。
5)ポイント制で85点以上の人材

(2)B類

B類は、以下の条件の何れかに該当する場合となります。
実務上は、上記の通り、「学士以上の学歴、就業経験2年以上、60歳以下」の3条件が全て揃うと、B類と認定されますので、その方法を採用するケースが通常です。

1)学士以上の学位、及び、2年以上の職務経験を有する、多国籍企業が派遣する中堅以上の社員、及び、常駐代表機構の代表。
2)当該地区の前年度平均給与の4 倍以上となる人材。
3)ポイント制で60点以上の人材。

2.3条件の何れかを満たさない場合

工作許可取得に際して、最もよく利用されている、3条件の何れかが満たされない場合、他の条件に基づく取得が必要になります。その選択肢は、以下の通りです。

(1)収入基準

該地区の前年度平均給与の6倍以上の場合はA類、4 倍以上の場合はB類に該当します。
尚、上海では、独自ルールとして、月給5万元以上はA類、3.3万元以上はB類という緩和措置が有ります。
極めて実務的な話ですが、申請用プラットフォームの収入インプット部分に、3.3万と記載すると却下され、「その他」項目部分に、3.3334万元以上の金額を記載すると受理されます。これは、フォーマットの修正がなされていないための実務対応です。

(2)ポイント

ポイントで85点以上(A)、若しくは、60点以上(B)を取れば、工作許可が発給されます。
ポイント表の邦訳を参考資料として貼り付けますので、以下、ご参照下さい。

(3)その他

2年以上の就労経験、及び、学士以上の学位という条件を満たすが、60歳以上となった場合、以下の何れかに該当すれば、B類の工作許可取得が可能です。

● グローバル企業の中堅以上の管理職、駐在員事務所の一般代表と首席代表。
● 企業の管理者または専門技術者
法定代表人は、これに該当するため、法定代表人であれば、工作許可の取得は可能です。
● 国家関連部門が規定した専門人員、若しくは、プロジェクト実施人員
企業の出資者は、これに該当します。

尚、実務対応部分は、主に上海の情況を踏まえて解説しましたが、地域によって対応の差があり得ます。また、随時、状況変化が生じる可能性が有りますので、事前に、工作許可取得予定地域で確認頂くよう、ご注意ください。

<ポイント計算基準>

● 中国内組織が負担する年収
45万元以上(20点)、35~45万元未満(17点)、25~35万元未満(14点)、15~25万元未満(11点)、7~15万元未満(8点)、5~7万元未満(5点)、5万元未満(0点)

● 学歴・国際職業資質認定
博士・博士相当(20点)、修士・修士相当(15点)、学士・学士相当(10点)

● 業務経験
2年超の場合は1年超過ごとに1点加算(最高20点)、2年(5点)、2年未満(0点)

● 年間就業時間
9か月以上(15点)、6~9か月未満(10点)、3~6か月未満(5点)、3か月未満(0点)

● 中国語HSKレベル
5級以上(5点)、4級(4点)、3級(3点)、2級(2点)、1級(1点)

● 就業地域
西部地区、東北地区など旧工業地域、中部地区の国家級貧困県等の特別区(10点)

● 年齢
18~25歳(10点)、26~45歳(15点)、46~55歳(10点)、56~60歳(5点)、60歳超(0点)

● 卒業大学、若しくは、勤務歴
国外ハイレベル大学卒業、若しくは、世界500強企業での就業経験者、中国就労年数5年以上、特許権等所有(何れかに該当すれば5点)

● 省級外国人就業管理による奨励点
地方経済と社会の発展に必要な人材(0~10点)

水野コンサルタンシーグループ代表 水野真澄

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工作許可取得の根拠となるのは「外国人中国就労許可制度の全面的実施に関する通知(外専発[2017]40号)」ですが、法律と実務解釈の違いが有りますので、法律と実務対応の双方の面から、解説します。
また、実務運用では、「学士以上の学歴、就業経験2年以上、60歳以下」の3条件が全て揃うと、B類として工作許可が発行されますので、それを利用する場合が多い状況です。
では、その3条件が充足できない場合に、どの様な基準が適用されるかについても解説します。

1.法律面の取得基準

(1)A類 A類は、以下の条件の何れかに該当する場合となります。 一般的には、年収基準でA類を取得するケースが多いです。 1)世界500強企業の本社高級管理職・技術研究開発の主要メンバー経験者、若しくは、子会社・地域本部の副総経理以上、若しくは、技術研究開発責任者を経験した人材。 2)世界500強企業の地域本部、国家ハイテク企業(省級以上の科学技術部門認定)、大型企業が雇用する高級管理と技術職に就任する人員。 3)国内外の中型企業が雇用する高級管理人員、或いは技術職人員、及び、「外商投資産業指導目録」の奨励類、及び「中西部地区外商投資優勢産業目録」の小型外商投資企業が招聘する董事長・法定代表人・総経理・主席技術専門家。 4)平均給与収入が当該地区の前年度の平均給与の6 倍以上の人材。 5)ポイント制で85点以上の人材 (2)B類 B類は、以下の条件の何れかに該当する場合となります。 実務上は、上記の通り、「学士以上の学歴、就業経験2年以上、60歳以下」の3条件が全て揃うと、B類と認定されますので、その方法を採用するケースが通常です。 1)学士以上の学位、及び、2年以上の職務経験を有する、多国籍企業が派遣する中堅以上の社員、及び、常駐代表機構の代表。 2)当該地区の前年度平均給与の4 倍以上となる人材。 3)ポイント制で60点以上の人材。

2.3条件の何れかを満たさない場合

工作許可取得に際して、最もよく利用されている、3条件の何れかが満たされない場合、他の条件に基づく取得が必要になります。その選択肢は、以下の通りです。 (1)収入基準 該地区の前年度平均給与の6倍以上の場合はA類、4 倍以上の場合はB類に該当します。 尚、上海では、独自ルールとして、月給5万元以上はA類、3.3万元以上はB類という緩和措置が有ります。 極めて実務的な話ですが、申請用プラットフォームの収入インプット部分に、3.3万と記載すると却下され、「その他」項目部分に、3.3334万元以上の金額を記載すると受理されます。これは、フォーマットの修正がなされていないための実務対応です。 (2)ポイント ポイントで85点以上(A)、若しくは、60点以上(B)を取れば、工作許可が発給されます。 ポイント表の邦訳を参考資料として貼り付けますので、以下、ご参照下さい。 (3)その他 2年以上の就労経験、及び、学士以上の学位という条件を満たすが、60歳以上となった場合、以下の何れかに該当すれば、B類の工作許可取得が可能です。 ● グローバル企業の中堅以上の管理職、駐在員事務所の一般代表と首席代表。 ● 企業の管理者または専門技術者 法定代表人は、これに該当するため、法定代表人であれば、工作許可の取得は可能です。 ● 国家関連部門が規定した専門人員、若しくは、プロジェクト実施人員 企業の出資者は、これに該当します。 尚、実務対応部分は、主に上海の情況を踏まえて解説しましたが、地域によって対応の差があり得ます。また、随時、状況変化が生じる可能性が有りますので、事前に、工作許可取得予定地域で確認頂くよう、ご注意ください。 <ポイント計算基準> ● 中国内組織が負担する年収 45万元以上(20点)、35~45万元未満(17点)、25~35万元未満(14点)、15~25万元未満(11点)、7~15万元未満(8点)、5~7万元未満(5点)、5万元未満(0点) ● 学歴・国際職業資質認定 博士・博士相当(20点)、修士・修士相当(15点)、学士・学士相当(10点) ● 業務経験 2年超の場合は1年超過ごとに1点加算(最高20点)、2年(5点)、2年未満(0点) ● 年間就業時間 9か月以上(15点)、6~9か月未満(10点)、3~6か月未満(5点)、3か月未満(0点) ● 中国語HSKレベル 5級以上(5点)、4級(4点)、3級(3点)、2級(2点)、1級(1点) ● 就業地域 西部地区、東北地区など旧工業地域、中部地区の国家級貧困県等の特別区(10点) ● 年齢 18~25歳(10点)、26~45歳(15点)、46~55歳(10点)、56~60歳(5点)、60歳超(0点) ● 卒業大学、若しくは、勤務歴 国外ハイレベル大学卒業、若しくは、世界500強企業での就業経験者、中国就労年数5年以上、特許権等所有(何れかに該当すれば5点) ● 省級外国人就業管理による奨励点 地方経済と社会の発展に必要な人材(0~10点) 水野コンサルタンシーグループ代表 水野真澄" ["post_title"]=> string(96) "中国の就業許可取得基準と実際の取得方法(就労許可の判断ポイント)" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%ae%e5%b0%b1%e6%a5%ad%e8%a8%b1%e5%8f%af%e5%8f%96%e5%be%97%e5%9f%ba%e6%ba%96%e3%81%a8%e5%ae%9f%e9%9a%9b%e3%81%ae%e5%8f%96%e5%be%97%e6%96%b9%e6%b3%95%ef%bc%88%e5%b0%b1%e5%8a%b4" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2024-12-03 10:33:17" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2024-12-03 01:33:17" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=23555" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
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水野真澄の中国ビジネス解説

Mizuno Consultancy Holdings Ltd.は、中国ビジネスコンサルタント・水野真澄が代表を務めるコンサルティング会社です。
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