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25年の日系昇給率4.1%予測NNA調査、伸び鈍化継続

中国本土に進出している日系企業の2025年の昇給率見通しが平均4.1%となったことが、NNAが実施した給与動向調査で明らかになった。24年の昇給率実績を0.3ポイント下回った。昇給率見通しの鈍化は3年連続。経済の伸び悩みや市場競争の激化といった悪材料が昇給率の鈍化につながっているとみられる。
調査は中国本土の日系企業を対象に24年8月26日~10月3日に実施した。昇給の有無など主要質問項目の有効回答社数は517社で、業種別では製造業が210社(全体の40.6%)、非製造業が307社(59.4%)だった。
25年の昇給は、63.8%が「実施する」と回答。前年調査(24年見通し)の64.3%を下回った。「未定」は33.1%、「実施しない」は3.1%。
昇給率の見通し(各社部門別の回答可、有効回答件数2,959件)は、「4.1~5.0%」が最多の805件。「2.1~3.0%」は607件、「3.1~4.0%」は455件、「1.1~2.0%」は305件、「5.1~6.0%」は251件と続いた。中央値は4.0%。最大値は29.2%だった。
昇給率の判断材料(複数回答可、有効回答社数330社)は、「本人の成績(あるいは営業成績)」が281社で最も多かった。「消費者物価指数(CPI)・インフレ率」は197社、「現地法人などの業績」は191社、「出欠状況など勤務成績」は152社、「同業他社の動向」は135社、「同地区内他社の動向」は117社だった。
25年の賞与は69.4%が「支給する」と回答した。前年調査の72.7%から下がった。「未定」は26.7%、「支給しない」は3.9%。支給月数(有効回答社数360社)の平均値は2.1カ月で、前年調査と同額。最多の回答は「1.6~2.0カ月」の117件だった。
■9割が24年賃上げ
24年の昇給については、90.3%が「実施した」と答えた。昇給実績(各社部門別の回答可、有効回答件数4,687件)は「2.1~3.0%」が948件を占めてトップ。「4.1~5.0%」は862件、「3.1~4.0%」は759件、「5.1~6.0%」は500件、「1.1~2.0%」は426件と続いた。平均値は4.4%で、中央値は4.0%。最大値は41.7%となった。
24年の平均月額給与(税金、社会保険料控除前)を部門別に見ると、生産部門は1万2,723元(約27万3,800円)、営業・マーケティング部門は1万7,706元、財務・経理部門は1万5,562元だった。
24年の賞与は92.6%が「支給した」と回答し、支給月数(有効回答社数479社)の平均値は2.1カ月。23年実績から横ばいだった。回答数が多い順に「1.6~2.0カ月」(131社)、「0.6~1.0カ月」(74社)、「2.1~2.5カ月」(68社)、「1.1~1.5カ月」(65社)となった。

■人件費上昇に業務効率化や人員削減
人件費の上昇を「感じる」と答えた企業は88.4%だった。前年調査の94.4%から下落した。人件費の許容限度は「現在の水準」が過半の56.3%。「現在の水準の1.2倍」(31.5%)と「現在の水準の1.5倍」(8.5%)を合わせた比率は40.0%となった。
人件費上昇の対策(複数回答可、有効回答社数512社)では、「業務効率化によるコスト減」(389社)と「売り上げ向上」(330社)が上位で、「日本人駐在員の削減」(166社)、「現地人員の削減」(156社)、「自動化」(134社)が続いた。一方、「撤退」(22社)と「他国への移転」(8社)は例年同様少数だった。
労務管理上の問題は、「優秀な人材の確保」、「賃金上昇」、「人材流動性の激しさ」の順で並んだ。
※給与動向調査の詳細データはNNAアジアビジネスデータバンク<https://www.nna.jp/corp_contents/service/statistics/>(有料)に収録されています。

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25年の昇給は、63.8%が「実施する」と回答。前年調査(24年見通し)の64.3%を下回った。「未定」は33.1%、「実施しない」は3.1%。
昇給率の見通し(各社部門別の回答可、有効回答件数2,959件)は、「4.1~5.0%」が最多の805件。「2.1~3.0%」は607件、「3.1~4.0%」は455件、「1.1~2.0%」は305件、「5.1~6.0%」は251件と続いた。中央値は4.0%。最大値は29.2%だった。
昇給率の判断材料(複数回答可、有効回答社数330社)は、「本人の成績(あるいは営業成績)」が281社で最も多かった。「消費者物価指数(CPI)・インフレ率」は197社、「現地法人などの業績」は191社、「出欠状況など勤務成績」は152社、「同業他社の動向」は135社、「同地区内他社の動向」は117社だった。
25年の賞与は69.4%が「支給する」と回答した。前年調査の72.7%から下がった。「未定」は26.7%、「支給しない」は3.9%。支給月数(有効回答社数360社)の平均値は2.1カ月で、前年調査と同額。最多の回答は「1.6~2.0カ月」の117件だった。
■9割が24年賃上げ
24年の昇給については、90.3%が「実施した」と答えた。昇給実績(各社部門別の回答可、有効回答件数4,687件)は「2.1~3.0%」が948件を占めてトップ。「4.1~5.0%」は862件、「3.1~4.0%」は759件、「5.1~6.0%」は500件、「1.1~2.0%」は426件と続いた。平均値は4.4%で、中央値は4.0%。最大値は41.7%となった。
24年の平均月額給与(税金、社会保険料控除前)を部門別に見ると、生産部門は1万2,723元(約27万3,800円)、営業・マーケティング部門は1万7,706元、財務・経理部門は1万5,562元だった。
24年の賞与は92.6%が「支給した」と回答し、支給月数(有効回答社数479社)の平均値は2.1カ月。23年実績から横ばいだった。回答数が多い順に「1.6~2.0カ月」(131社)、「0.6~1.0カ月」(74社)、「2.1~2.5カ月」(68社)、「1.1~1.5カ月」(65社)となった。

■人件費上昇に業務効率化や人員削減
人件費の上昇を「感じる」と答えた企業は88.4%だった。前年調査の94.4%から下落した。人件費の許容限度は「現在の水準」が過半の56.3%。「現在の水準の1.2倍」(31.5%)と「現在の水準の1.5倍」(8.5%)を合わせた比率は40.0%となった。
人件費上昇の対策(複数回答可、有効回答社数512社)では、「業務効率化によるコスト減」(389社)と「売り上げ向上」(330社)が上位で、「日本人駐在員の削減」(166社)、「現地人員の削減」(156社)、「自動化」(134社)が続いた。一方、「撤退」(22社)と「他国への移転」(8社)は例年同様少数だった。
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