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福岡市、アジア新興に照準「地の利」で進出・誘致を支援

福岡市は、国際的なスタートアップ企業支援を強化している。タイの首都バンコクで4日に開幕した展示会「テックソース・グローバル・サミット2025」では、市内のバイオ、テック系スタートアップ3社が商品や技術をアピールした。こうした進出支援と同時に、イベントを通じた同市への海外企業誘致にも注力している。アジア諸国と近い地理的な利点を生かし、観光支援とも連携して、新興企業が活躍しやすい事業環境を整備する。

福岡市は、地元企業と共にスタートアップ展示会「テックソース・グローバル・サミット2025」に参加した=4日、首都バンコク(NNA撮影)

テックソース・グローバル・サミットは東南アジア最大級のスタートアップ展示会で、今年はバンコクのクイーン・シリキット国際会議場で6日まで開催される。各国のスタートアップ企業がブースを構えるほか、10を超えるステージプログラムでは400人以上の講演者を迎え、来場者は2万人超を見込む。
福岡市は、日本貿易振興機構(ジェトロ)が設けたジャパン・パビリオン内で、海外での支援拡大を目指す取り組みを紹介。さらに、蚕を活用したワクチンを開発する九州大学発のバイオベンチャーKAICO(カイコ、福岡市)、定量メタボローム解析で創薬・疾患発見を支援するビーフォース(福岡市)、アプリや人工知能(AI)を活用したビジネス支援のNappsテクノロジーズ(福岡市)が、それぞれの技術やサービスを展示した。
福岡市からデジタルノマド(リモートワーカー)誘致イベントの企画・運営を請け負う遊行(福岡市)の園田遼弥PRディレクターは、「東京などと比べてアジア各国と距離が近く、交流がしやすい」と、福岡市の国際的な優位性を評価した。同市は10年以上前からスタートアップ支援に注力しており、2020年からはアジアを中心とした各国の新興企業や投資家、支援者が集う国際ビジネスマッチングイベントも開催している。このイベントは海外からの関心を高めるため、昨年「アセンション」から「ラーメンテック」に名称を改めた。
Nappsテクノロジーズは、営業やバックオフィス業務を支えるAIサービス「AI社員」を紹介した。自社の商品情報やマニュアルを学習させておくことで、業務特化型のAIを社員のように活用できる。
例えば、売り込みをかけたい企業のホームページアドレスなどを入力すると、AIがその企業の情報を収集・解析し、営業戦略を立案する。LINE(ライン)を通じて簡単に操作できるため、専門知識は必要ない。
タイでの展開は今回が初めてで、現在は市場開拓の段階にある。Nappsテクノロジーズの榎本友幸最高経営責任者(CEO)は「ライン文化圏であるタイで広めていきたい」と述べ、サービスの浸透に期待を示した。
■デジタルノマド誘致事業と連携
福岡市はビジネスマッチングイベントであるラーメンテックのほかに、海外の起業家や投資家をはじめとするデジタルノマドの誘致イベント「コリブフクオカ」も主催している。昨年は45カ国・地域から436人が集まり、地域への経済効果は1億1,000万円に上ったという。
コリブフクオカはもともと観光産業課の事業だが、参加者の3割以上が新興起業家とその関係者だったことから、グローバルスタートアップ推進課の事業であるラーメンテックと連携を始めた。25年からは2つのイベントの開催日を近づけることで、ノマドワーカーとスタートアップ起業家との交流を深めていく。
さらに、福岡市では外国人の起業支援制度として、「スタートアップビザ」を独自に発行している。起業のための準備期間として通常6カ月の在留資格が与えられる制度で、外国人起業家が事業を始めやすくなる。福岡市のグローバルスタートアップ推進課によると、累計の申請数は今年7月末時点で179件。24年度(24年4月~25年3月)には25件の申請があったという。

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福岡市は、日本貿易振興機構(ジェトロ)が設けたジャパン・パビリオン内で、海外での支援拡大を目指す取り組みを紹介。さらに、蚕を活用したワクチンを開発する九州大学発のバイオベンチャーKAICO(カイコ、福岡市)、定量メタボローム解析で創薬・疾患発見を支援するビーフォース(福岡市)、アプリや人工知能(AI)を活用したビジネス支援のNappsテクノロジーズ(福岡市)が、それぞれの技術やサービスを展示した。
福岡市からデジタルノマド(リモートワーカー)誘致イベントの企画・運営を請け負う遊行(福岡市)の園田遼弥PRディレクターは、「東京などと比べてアジア各国と距離が近く、交流がしやすい」と、福岡市の国際的な優位性を評価した。同市は10年以上前からスタートアップ支援に注力しており、2020年からはアジアを中心とした各国の新興企業や投資家、支援者が集う国際ビジネスマッチングイベントも開催している。このイベントは海外からの関心を高めるため、昨年「アセンション」から「ラーメンテック」に名称を改めた。
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例えば、売り込みをかけたい企業のホームページアドレスなどを入力すると、AIがその企業の情報を収集・解析し、営業戦略を立案する。LINE(ライン)を通じて簡単に操作できるため、専門知識は必要ない。
タイでの展開は今回が初めてで、現在は市場開拓の段階にある。Nappsテクノロジーズの榎本友幸最高経営責任者(CEO)は「ライン文化圏であるタイで広めていきたい」と述べ、サービスの浸透に期待を示した。
■デジタルノマド誘致事業と連携
福岡市はビジネスマッチングイベントであるラーメンテックのほかに、海外の起業家や投資家をはじめとするデジタルノマドの誘致イベント「コリブフクオカ」も主催している。昨年は45カ国・地域から436人が集まり、地域への経済効果は1億1,000万円に上ったという。
コリブフクオカはもともと観光産業課の事業だが、参加者の3割以上が新興起業家とその関係者だったことから、グローバルスタートアップ推進課の事業であるラーメンテックと連携を始めた。25年からは2つのイベントの開催日を近づけることで、ノマドワーカーとスタートアップ起業家との交流を深めていく。
さらに、福岡市では外国人の起業支援制度として、「スタートアップビザ」を独自に発行している。起業のための準備期間として通常6カ月の在留資格が与えられる制度で、外国人起業家が事業を始めやすくなる。福岡市のグローバルスタートアップ推進課によると、累計の申請数は今年7月末時点で179件。24年度(24年4月~25年3月)には25件の申請があったという。" ["post_title"]=> string(78) "福岡市、アジア新興に照準「地の利」で進出・誘致を支援" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e7%a6%8f%e5%b2%a1%e5%b8%82%e3%80%81%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%82%a2%e6%96%b0%e8%88%88%e3%81%ab%e7%85%a7%e6%ba%96%e3%80%8c%e5%9c%b0%e3%81%ae%e5%88%a9%e3%80%8d%e3%81%a7%e9%80%b2%e5%87%ba%e3%83%bb%e8%aa%98" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2025-08-06 04:00:03" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2025-08-05 19:00:03" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=28003" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
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