香港政府系の大学助成機関である大学教育資助委員会(UGC)の最新データによると、香港主要8大学の2023/24年度新卒の平均年収は32万9,000HKドル(約618万円)となり、前年度を4.8%上回った。大学別で最も平均年収が高かったのは香港大学の40万1,000HKドルで、日本円に換算すると約750万円に達している。
主要8大学には香港大学、香港中文大学、香港理工大学、香港科技大学、香港城市大学、香港バプテスト大学、嶺南大学、香港教育大学が含まれる。
学士課程の新卒平均年収は、新型コロナウイルスの感染が拡大した19/20年度に1.5%減少したものの、以降は4年度連続で増加が続いている。前年度比の伸び率は22/23年度に3.6%まで縮小したが、23/24年度は再び拡大に転じた。
23/24年度新卒者の平均年収を出身大学別に見ると、香港大学が40万HKドルの大台を超えて最高。2位は香港中文大学の38万1,000HKドル、3位は香港教育大学の34万8,000HKドル、4位が香港科技大学の33万HKドル、5位が香港理工大学の30万6,000HKドルとなり、この5大学が30万HKドルを超えた。
専攻別では「医学・歯学・看護」が54万HKドルと突出して高く、これに「教育」の36万2,000HKドル、「社会科学」の30万HKドルが続いた。以下は「理学」が29万2,000HKドル、「ビジネス・管理」が29万1,000HKドル、「エンジニアリング・テクノロジー」が28万8,000HKドル、「人文科学」が26万9,000HKドルだった。
前年度比での伸び率は「社会科学」(9.1%)、「医学・歯学・看護」(6.7%)などが高かった。一方、「教育」は3.5%、「ビジネス・管理」は1.4%それぞれ減った。
■就職せず「寝そべり」も
UGCの調査に回答した新卒者のうち、香港で就職したのは全体の70.8%。香港経済日報によると、データが確認できる03/04年度以降では最低の割合となった。
一方「就職活動をしていない」もしくは「域外に移住した」「域外の出身地に戻って就職・進学した」の割合は7.4%となり、03/04年度以降の最高を更新した。海外移住の動きが落ち着きを見せるかたわら、就職などを望まずにいわゆる「寝そべり」(トウ平、トウ=身へんに尚)の姿勢を取る香港の学生が増えたことが背景にあるとみられる。
同紙によると、地場人材コンサルティング会社の毅知顧問(ACTSコンサルティング)は、最近の新卒者は家庭の経済的不安が少ないため、すぐに就職する必要性を感じていない人が多いと指摘。結婚や出産、住宅の購入などに意欲的だった過去の新卒者と比べ、目先の楽しみを追求する傾向が強まっていると分析している。

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主要8大学には香港大学、香港中文大学、香港理工大学、香港科技大学、香港城市大学、香港バプテスト大学、嶺南大学、香港教育大学が含まれる。
学士課程の新卒平均年収は、新型コロナウイルスの感染が拡大した19/20年度に1.5%減少したものの、以降は4年度連続で増加が続いている。前年度比の伸び率は22/23年度に3.6%まで縮小したが、23/24年度は再び拡大に転じた。
23/24年度新卒者の平均年収を出身大学別に見ると、香港大学が40万HKドルの大台を超えて最高。2位は香港中文大学の38万1,000HKドル、3位は香港教育大学の34万8,000HKドル、4位が香港科技大学の33万HKドル、5位が香港理工大学の30万6,000HKドルとなり、この5大学が30万HKドルを超えた。
専攻別では「医学・歯学・看護」が54万HKドルと突出して高く、これに「教育」の36万2,000HKドル、「社会科学」の30万HKドルが続いた。以下は「理学」が29万2,000HKドル、「ビジネス・管理」が29万1,000HKドル、「エンジニアリング・テクノロジー」が28万8,000HKドル、「人文科学」が26万9,000HKドルだった。
前年度比での伸び率は「社会科学」(9.1%)、「医学・歯学・看護」(6.7%)などが高かった。一方、「教育」は3.5%、「ビジネス・管理」は1.4%それぞれ減った。
■就職せず「寝そべり」も
UGCの調査に回答した新卒者のうち、香港で就職したのは全体の70.8%。香港経済日報によると、データが確認できる03/04年度以降では最低の割合となった。
一方「就職活動をしていない」もしくは「域外に移住した」「域外の出身地に戻って就職・進学した」の割合は7.4%となり、03/04年度以降の最高を更新した。海外移住の動きが落ち着きを見せるかたわら、就職などを望まずにいわゆる「寝そべり」(トウ平、トウ=身へんに尚)の姿勢を取る香港の学生が増えたことが背景にあるとみられる。
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