イオンベトナムは4日、南部タイニン省で同社が初めて手がける中型の商業施設「イオンタンアンショッピングセンター(SC)」を正式にオープンした。メコンデルタ地方でのSC展開は今回が初となる。4日は開店当初から、1階の総菜売り場のすしコーナーや、3階の大型キッズゾーンに家族連れの来店客が押し寄せた。イオンは2030年までにベトナムでのグループ店舗数を現在の3倍に増やす目標を掲げており、今後は地方都市で中型SC展開を加速する。
イオンタンアンショッピングセンターが正式オープンした=4日、タイニン省
イオンタンアンSCはベトナムでは8店舗目のSCで、延べ床面積は約2万7,000平方メートル。南部ホーチミン市のショッピングモール「イオンモールタンフーセラドン」と比べると約7分の1の規模だが、地方都市の商圏に適した形態として、食品や日用品を扱うイオンの総合スーパー(GMS)を核にした店舗構成になっている。

イオンによると、イオンタンアンのような中型SCは、イオンモールのような郊外立地を基本とした広域型ショッピングセンターの出店が難しい地方中核都市の中心部にも出店可能なフォーマットで、今後の地方展開を担う戦略的な業態と位置付けている。
イオンタンアンSCはタイニン省ロンアン街区に位置し、周辺には行政機関などが多い。ホーチミン市とメコンデルタ地域を結ぶ「ホーチミン市—チュンルオン間高速道路」から1キロメートルほどの立地にあり、広範なエリアからの来訪を見込む。イオンベトナムの手塚大輔社長によると、9月23日のソフトオープン以降、近隣省からの来店もあるという。
年代別のターゲット層としては、幼稚園から小学生までの子どもを持つ若い家族や20代のZ世代などを想定する。
正式オープンまでの11日間で25万人が来客した。当初の年間来客目標(320万人)を上回るペースで推移しており、今後の見通し次第では、目標の上方修正も視野に入っているとみられる。
グランドオープン式典で挨拶する手塚大輔氏=4日、タイニン省
イオンはSCからGMS、コンビニエンスストア「ミニストップ」まで多様な業態を展開している点が強み。ベトナム市場を日本に次ぐ重要拠点と位置付けており、イオンベトナムの大泉拓史最高執行責任者(COO)によると、大型・中型店を年間5~6店舗のペースで出店する方針だ。
特に中型SCは機動的な出店と早期の収益化が見込める形態で、ホーチミン市やハノイ以外の地方中核都市への展開を加速する考え。同社は南部ドンタップ省(旧ティエンザン省)ミトー市のほか、北部ハイズオン市(現ハイフォン市内)でも来年にかけて中型SCの出店を計画している。また、メコンデルタ地域ではカントー市に大型SCの出店を予定する。
■大型キッズゾーン、教育需要にも対応
家族連れを集客する目玉が、大型店と同等規模の売り場面積のキッズゾーンだ。幅広い年代の子どもたちが長時間遊べる環境を整え、「地域ナンバーワンのキッズ売り場」を目指す。来店者の多くは若年層の家族で、親が買い物中に子どもが遊べる施設としても活用されている。知育玩具などを備えた「キッズボックス」は子どもたちが遊びながら学べる環境として、地域の教育ニーズに応えている。
キッズボックスには、木製レールの上を走る模型車両や建物などを組み合わせて遊ぶ知育玩具が用意されており、来店客からは「知能や社会性の発達につながる」と評価する声が聞かれた。
施設を利用していた近隣在住の女性は、「子どもが頭を使って遊べる環境が魅力。最近は遊び場も増えてきたが、この地域では体を動かす施設が中心で、職業体験につながるような場所は少ない」とし、今後も利用したいと話した。
知育玩具を含む多彩な遊具が並ぶ室内の遊び場
■すしに注力、メコンの味覚も新登場
1階の食品売り場では総菜やパンに力を入れており、パンは200種類以上をそろえる。イートインスペースも設置しており、4日は午前10時半の時点で既に満席となり、昼前には座る場所を見つけるのが難しいほどの盛況ぶりだった。
総菜売り場の中でもすしに注力しており、タイニン省在住の10代の男子学生は、「すしを買いによく家族で来店する。特に1貫ずつ選べるのが気に入っていて、『プレミアムすしセット』と合わせて買う」と話した。
イートインスペースでは、メコンデルタ地方の好みを意識した鍋料理も提供している。「タイ風鍋」を食べていた近隣在住の女性は、「野菜がたくさん取れるのがうれしい」と笑顔で語った。
1貫ずつすしを買えるコーナーには人だかりができ、来店客が楽しそうに好みのネタを選んでいた
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イオンによると、イオンタンアンのような中型SCは、イオンモールのような郊外立地を基本とした広域型ショッピングセンターの出店が難しい地方中核都市の中心部にも出店可能なフォーマットで、今後の地方展開を担う戦略的な業態と位置付けている。
イオンタンアンSCはタイニン省ロンアン街区に位置し、周辺には行政機関などが多い。ホーチミン市とメコンデルタ地域を結ぶ「ホーチミン市—チュンルオン間高速道路」から1キロメートルほどの立地にあり、広範なエリアからの来訪を見込む。イオンベトナムの手塚大輔社長によると、9月23日のソフトオープン以降、近隣省からの来店もあるという。
年代別のターゲット層としては、幼稚園から小学生までの子どもを持つ若い家族や20代のZ世代などを想定する。
正式オープンまでの11日間で25万人が来客した。当初の年間来客目標(320万人)を上回るペースで推移しており、今後の見通し次第では、目標の上方修正も視野に入っているとみられる。
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イオンはSCからGMS、コンビニエンスストア「ミニストップ」まで多様な業態を展開している点が強み。ベトナム市場を日本に次ぐ重要拠点と位置付けており、イオンベトナムの大泉拓史最高執行責任者(COO)によると、大型・中型店を年間5~6店舗のペースで出店する方針だ。
特に中型SCは機動的な出店と早期の収益化が見込める形態で、ホーチミン市やハノイ以外の地方中核都市への展開を加速する考え。同社は南部ドンタップ省(旧ティエンザン省)ミトー市のほか、北部ハイズオン市(現ハイフォン市内)でも来年にかけて中型SCの出店を計画している。また、メコンデルタ地域ではカントー市に大型SCの出店を予定する。
■大型キッズゾーン、教育需要にも対応
家族連れを集客する目玉が、大型店と同等規模の売り場面積のキッズゾーンだ。幅広い年代の子どもたちが長時間遊べる環境を整え、「地域ナンバーワンのキッズ売り場」を目指す。来店者の多くは若年層の家族で、親が買い物中に子どもが遊べる施設としても活用されている。知育玩具などを備えた「キッズボックス」は子どもたちが遊びながら学べる環境として、地域の教育ニーズに応えている。
キッズボックスには、木製レールの上を走る模型車両や建物などを組み合わせて遊ぶ知育玩具が用意されており、来店客からは「知能や社会性の発達につながる」と評価する声が聞かれた。
施設を利用していた近隣在住の女性は、「子どもが頭を使って遊べる環境が魅力。最近は遊び場も増えてきたが、この地域では体を動かす施設が中心で、職業体験につながるような場所は少ない」とし、今後も利用したいと話した。
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■すしに注力、メコンの味覚も新登場
1階の食品売り場では総菜やパンに力を入れており、パンは200種類以上をそろえる。イートインスペースも設置しており、4日は午前10時半の時点で既に満席となり、昼前には座る場所を見つけるのが難しいほどの盛況ぶりだった。
総菜売り場の中でもすしに注力しており、タイニン省在住の10代の男子学生は、「すしを買いによく家族で来店する。特に1貫ずつ選べるのが気に入っていて、『プレミアムすしセット』と合わせて買う」と話した。
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