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ジェトロ、投資・貿易促進強化万博でマレーシア2機関と覚書

日本貿易振興機構(ジェトロ)は大阪・関西万博最終日の13日、マレーシア・パビリオンで、マレーシア投資貿易産業省傘下のマレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア貿易開発公社(MATRADE)と協力覚書を交換した。これまで継続してきた2国間の投資、貿易の促進に向けた協力を一層深める。会期中の潜在輸出・投資機会は総額244億5,000万リンギ(約8,790億円)となり、目標の2倍近くに達した。

協力覚書を交わしたジェトロの平野理事(右から3人目)と投資開発庁のシク・シャムスル・イブラヒム・シク・アブドゥル・マジドCEO(左から2人目)、貿易開発公社のムスタファ・アブドゥル・アジズCEO(同3人目)ら両国の関係者=13日、大阪市内(NNA撮影)

ジェトロの平野賢一理事は式典で、協力覚書の交換は両国の経済関係をさらに深める重要なステップになるとした上で、「大阪・関西万博を通じて生まれた商機を逃さぬよう、共に協力していきたい」と語った。
ジェトロは投資開発庁と、新たな案件を含む投資プロジェクトを促進、支援するための取り組みを強める。貿易開発公社とは、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)市場拡大のほか、電子商取引(EC)の市場拡大に向け、プラットフォームの構築で日本の知見を共有することなどを確認した。
潜在輸出・投資機会を内訳でみると、投資が127億9,000万リンギ、輸出が56億2,000万リンギで、残り60億4,000万リンギは、テクノロジー&イノベーション分野の覚書に盛り込まれた分。具体的な企業名は明らかにしていないが、分野別のトップ5は、グリーン経済、建設業・専門サービス、化学・化学品、情報通信技術(ICT)・サービス、ハラル商品・サービスの順だった。1,555件の商談があり、マレーシア企業461社が参加。締結された覚書の数は70件だった。

パビリオン前のステージで行われた夕方の閉幕セレモニー。ロティチャナイ作りのパフォーマンスが始まると、観衆がどっと沸いた=13日、大阪市内(NNA撮影)

投資開発庁のシク・シャムスル・イブラヒム・シク・アブドゥル・マジド最高経営責任者(CEO)は「日本には『信用第一』というビジネスの原則があり、投資開発庁とジェトロの関係の基礎ともなっている」と、相互の信頼を最優先にする姿勢を強調。貿易開発公社のムスタファ・アブドゥル・アジズCEOは、「ECやデジタル取引の機会を拡大し、両国の中小企業(SME)が持つ技術やサステナビリティー(持続可能性)を新たな輸出成長の原動力として活用できるようにしたい」と語った。日本側は、経済産業省の池山成俊通商政策交渉官が立ち合い、ジェトロ・クアラルンプール事務所の高野光一所長も臨席した。
■パビリオンに351万人来訪、目標の2倍超
マレーシア・パビリオンは同日のメディア会見で、会期中の来訪者が351万人に達したと明らかにした。当初目指した150万人の2.3倍となる。日本人建築家・隈研吾さんが設計したパビリオンは「調和の未来を紡ぐ」をテーマに、竹で編んだ葉が茂る「調和の木」やスマート都市の紹介などを展示。ロティチャナイ(インド風薄焼きパン)作りのパフォーマンスが見られるレストランも人気を集めた。来訪者5,300人を対象にした調査では、84%が文化体験や食の魅力からマレーシアを訪れたいと回答したという。

マレーシアパビリオン内部の中央に設置された「調和の木」=4月、大阪市内(NNA撮影)
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ジェトロの平野賢一理事は式典で、協力覚書の交換は両国の経済関係をさらに深める重要なステップになるとした上で、「大阪・関西万博を通じて生まれた商機を逃さぬよう、共に協力していきたい」と語った。
ジェトロは投資開発庁と、新たな案件を含む投資プロジェクトを促進、支援するための取り組みを強める。貿易開発公社とは、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)市場拡大のほか、電子商取引(EC)の市場拡大に向け、プラットフォームの構築で日本の知見を共有することなどを確認した。
潜在輸出・投資機会を内訳でみると、投資が127億9,000万リンギ、輸出が56億2,000万リンギで、残り60億4,000万リンギは、テクノロジー&イノベーション分野の覚書に盛り込まれた分。具体的な企業名は明らかにしていないが、分野別のトップ5は、グリーン経済、建設業・専門サービス、化学・化学品、情報通信技術(ICT)・サービス、ハラル商品・サービスの順だった。1,555件の商談があり、マレーシア企業461社が参加。締結された覚書の数は70件だった。
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■パビリオンに351万人来訪、目標の2倍超
マレーシア・パビリオンは同日のメディア会見で、会期中の来訪者が351万人に達したと明らかにした。当初目指した150万人の2.3倍となる。日本人建築家・隈研吾さんが設計したパビリオンは「調和の未来を紡ぐ」をテーマに、竹で編んだ葉が茂る「調和の木」やスマート都市の紹介などを展示。ロティチャナイ(インド風薄焼きパン)作りのパフォーマンスが見られるレストランも人気を集めた。来訪者5,300人を対象にした調査では、84%が文化体験や食の魅力からマレーシアを訪れたいと回答したという。
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