中国共産党中央が28日、次期の中期経済目標「第15次5カ年計画(2026~30年)」の基本方針を発表したことを受け、中国政府系投資銀行の中国国際金融(CICC、中金公司)は、サービス消費分野の規制緩和が進むとの見方を示した。消費促進を内需拡大の重点に置いていることを踏まえた。
CICCは29日付で、基本方針の内容を分析するリポートを発表した。来年以降は需給両面から消費の振興を図るとの見方。供給増に向けては、ヘルスケアや教育、医療、文化、金融などの方面で市場参入規制が緩和され、政府の管理が緩まり、手続きの簡素化も進むとみている。
今後は政府投資が民生・消費分野に集まり、例えば病院、学校・託児所、高齢者施設・バリアフリー施設、観光地などといったサービス消費分野のインフラ整備が加速すると予測。駐車場や電動車向けの充電施設、プライベートジェット向けの空港施設、ヨット・クルーズ船向けの埠頭(ふとう)などのインフラ整備も進むと指摘した。
需要を促す措置としては、就業・収入増加や医療・教育・出産育児などを含む民生の保障と改善、消費を巡る制限の撤廃などに着手する見通し。民生の保障・改善では各種手当の拡充に乗り出し、消費分野では自動車や住宅の購入制限措置を撤廃するとみている。
中国銀河証券は、文化・観光や高齢者サービス、育児といったサービス消費分野の政策措置が26年以降に強化されるとの見方を示した。最終消費支出が国内総生産(GDP)に占める比率は先進国に比べ依然として低い水準にあることを挙げ、消費振興は内需拡大の重要措置で、中でもサービス消費が消費振興を図る上で重要な鍵になると指摘した。収入分配制度の改革や高品質な消費品の供給増加に向けた措置も進むと見通した。
■金融開放推進へ
CICCによると、対外開放の分野では、「人民元の国際化推進」と「資本項目の開放水準の引き上げ」が今回の基本方針に盛り込まれ、「第14次5カ年計画(21~25年)」と昨年の「中央委員会第3回全体会議(3中全会)」にはなかった表現だと指摘。金融の開放措置が強まるとの見方だ。
基本方針では、人工知能(AI)の産業への応用が強調されたことにも触れた。
CICCは、「1人当たりGDPを35年に中進国の水準に高めること」が今回の基本方針に盛り込まれ、20年10月に開かれた中国共産党の重要会議である「第19期中央委員会第5回総会(5中総会)」で35年までの長期目標として「GDPと1人当たり収入を2倍にする」ことが示されたことを踏まえ、35年のGDPが20年比で2倍になる場合、「26~30年は年成長率を平均4.4%にする必要がある」と説明。その上で、目標は達成可能だと指摘した。
■5%前後成長目標維持か
国盛証券は28日夜に発表したリポートで、今回の基本方針と35年の「GDP2倍」目標を受け、26~27年の経済成長率目標が前年比5.0%前後に設定されると予測した。28~30年は4.5~5.0%前後に設定され、26~30年は比較的高い目標値になると見通した。
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■金融開放推進へ
CICCによると、対外開放の分野では、「人民元の国際化推進」と「資本項目の開放水準の引き上げ」が今回の基本方針に盛り込まれ、「第14次5カ年計画(21~25年)」と昨年の「中央委員会第3回全体会議(3中全会)」にはなかった表現だと指摘。金融の開放措置が強まるとの見方だ。
基本方針では、人工知能(AI)の産業への応用が強調されたことにも触れた。
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