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ラー麺ずんどう屋が初出店海外6店舗目、初のハラル対応

外食大手トリドールホールディングスは27日、インドネシアの首都ジャカルタに傘下ZUND(大阪市)が展開するラーメン店「ラー麺ずんどう屋」の1号店をグランドオープンした。海外は中国に続く2カ国目で、6店舗目。日本や中国では創業20年以上、兵庫県姫路発の濃厚豚骨ラーメンを提供してきたが、インドネシアではイスラム教徒に配慮して初のハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)対応ラーメンを開発した。

「ラー麺ずんどう屋」の店頭に掲示されたハラル認証のロゴを紹介するZUNDのの馬場CEO(右から2人目)、スリ・ボガ・グループのアンドリアス氏(左端)ら関係者=27日、ジャカルタ(NNA撮影)

ラー麺ずんどう屋のインドネシア1号店は、ジャカルタ南部の商業施設「ガンダリア・シティー」のLGフロアに開設した。店舗面積は120平方メートルで、座席数は70席。18日にソフトオープンした。
インドネシア市場への本格参入にあたり、ブランド初のハラル対応メニュー「シルキー鶏白湯(トリパイタン)ラーメン」(7万ルピア=約660円)など鶏肉を使ったメニューを開発した。「豚肉」の代わりに「鶏肉」を使用し、鶏のうまみを極限まで引き出した、濃厚でもなめらかでスッキリとした味わいを実現。同国のハラル製品保証実施機関(BPJPH)からハラル認証を取得した。
2002年に兵庫県の姫路で誕生したラー麺ずんどう屋は10月末時点で、日本国内に108店舗、中国・上海に5店舗を展開。インドネシア出店は、ZUNDの東南アジア事業拡大戦略の一環となる。
トリドールはインドネシアで13年3月、傘下の丸亀製麺の海外店舗「丸亀うどん」1号店をオープン。現地で多くの飲食店を手がけるスリボガ・グループ傘下のスリボガ・マルガメ・インドネシアが、フランチャイズ運営している。24年は20店舗、今年は11月までに18店舗を増やしており、10月末時点の店舗数は全国に137店舗。
今回ラー麺ずんどう屋の出店でも、同グループとマスターフランチャイズ契約を締結した。トリドールの関係者は、ハラル対応商品の開発協力をはじめ、ローカライズや市場調査など、互いの強みを生かした協働体制を構築できると強調。「丸亀うどん」の成功で培った現地ネットワークとブランド運営ノウハウを生かした展開であり、グループとしてシナジーを創出した好例だとした。

「ラー麺ずんどう屋」のシルキー鶏白湯(トリパイタン)ラーメン。高菜(右上)も無料で提供している=27日、ジャカルタ(NNA撮影)

■メニュー開発に1年
ZUNDの馬場紳介最高経営責任者(CEO)はインドネシアに進出したきっかけについて、スリボガ・グループから出店の依頼があったと説明。「ハラルは大きな壁ではあったが、現地に来て数多くのラーメンを食べ比べてみて、おいしいラーメンを提供すれば必ず成功すると確信した」と述べた。ハラル食材を確保してメニューの方向性を決定し、現地で商品開発に至るまでにほぼ1年を費やしたと明らかにした。
インドネシアでの事業が成功すれば、将来的にはマレーシアなどイスラム圏での出店につながる可能性もあると表明。また、中国の店舗で好評な「まぜそば」のメニューを日本の店舗で提供したこともあることから、インドネシア向けに開発したメニューを将来的に日本に横展開する可能性もあると述べた。
スリボガ・グループのアンドリアス・チャンドラ・ゼネラルマネジャー(オペレーション担当)は「インドネシアで日本食、中でもラーメンの人気は高まっている。丸亀うどんは高い信頼を得ており、ずんどう屋も同じように成功させたい」と意欲を見せた。NNAに対し、「来年第1四半期(1~3月)までには1号店を含めて3店舗を出店したい。ジャカルタだけではなく、地方都市にも展開したい」と述べた。

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インドネシア市場への本格参入にあたり、ブランド初のハラル対応メニュー「シルキー鶏白湯(トリパイタン)ラーメン」(7万ルピア=約660円)など鶏肉を使ったメニューを開発した。「豚肉」の代わりに「鶏肉」を使用し、鶏のうまみを極限まで引き出した、濃厚でもなめらかでスッキリとした味わいを実現。同国のハラル製品保証実施機関(BPJPH)からハラル認証を取得した。
2002年に兵庫県の姫路で誕生したラー麺ずんどう屋は10月末時点で、日本国内に108店舗、中国・上海に5店舗を展開。インドネシア出店は、ZUNDの東南アジア事業拡大戦略の一環となる。
トリドールはインドネシアで13年3月、傘下の丸亀製麺の海外店舗「丸亀うどん」1号店をオープン。現地で多くの飲食店を手がけるスリボガ・グループ傘下のスリボガ・マルガメ・インドネシアが、フランチャイズ運営している。24年は20店舗、今年は11月までに18店舗を増やしており、10月末時点の店舗数は全国に137店舗。
今回ラー麺ずんどう屋の出店でも、同グループとマスターフランチャイズ契約を締結した。トリドールの関係者は、ハラル対応商品の開発協力をはじめ、ローカライズや市場調査など、互いの強みを生かした協働体制を構築できると強調。「丸亀うどん」の成功で培った現地ネットワークとブランド運営ノウハウを生かした展開であり、グループとしてシナジーを創出した好例だとした。
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■メニュー開発に1年
ZUNDの馬場紳介最高経営責任者(CEO)はインドネシアに進出したきっかけについて、スリボガ・グループから出店の依頼があったと説明。「ハラルは大きな壁ではあったが、現地に来て数多くのラーメンを食べ比べてみて、おいしいラーメンを提供すれば必ず成功すると確信した」と述べた。ハラル食材を確保してメニューの方向性を決定し、現地で商品開発に至るまでにほぼ1年を費やしたと明らかにした。
インドネシアでの事業が成功すれば、将来的にはマレーシアなどイスラム圏での出店につながる可能性もあると表明。また、中国の店舗で好評な「まぜそば」のメニューを日本の店舗で提供したこともあることから、インドネシア向けに開発したメニューを将来的に日本に横展開する可能性もあると述べた。
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