再生可能エネルギー事業の開発などを手がけるサントモ・リソース(東京都千代田区)は、インドネシア東部のスラウェシ島南部でバッテリー交換式電動バイク「Smoot」の普及に向けて、配車・配送サービス大手グラブと協業する。グラブのバイクタクシー運転手に2カ月間、試験的に20台を無償で貸し出した後、月額定額制でレンタルして商用化につなげる計画だ。
グラブの運転手に貸し出す電動バイクと、サントモ・リソース・インドネシアの関係者=南スラウェシ州マカッサル市(同社提供)
サントモの現地法人サントモ・リソース・インドネシアは、南スラウェシ州マカッサル市を中心とした東部地域でSmootの販売代理店と、バッテリー交換所の運営事業を手がけている。グラブとの協業では、11月までの試験期間に、グラブの運転手20人に電動バイクを無償で貸し出し、車両やバッテリーの充電設備などの使用感などを評価してもらう。
サントモ・リソース・インドネシアのマーケティングマネジャー、山口隼太郎氏によれば、試験期間の終了後の商用化に向けて、グラブと協議を進めている。現時点では、バイクの使用料だけを月額の定額制としてレンタルするか、バイクの使用料に一定の走行距離分の電気料金を加算した固定額を設定してレンタルすることを想定している。レンタル料金は運転手が負担する。
■定額制で双方にメリット
レンタル料を月額定額制とするのは、グラブの運転手にとって支払額が明確になるという利点がある。一方で、レンタル料を電気料金込みで設定する場合、グラブの走行距離に応じて変動する電気代を運転手から回収できなければ、サントモは期待した収益を出せなくなるリスクがある。「グラブとサントモの双方にメリットがある料金を決定する必要がある」(山口氏)ことから、慎重に検討を進めている。
サントモは2月、マカッサル市での事業の第1弾として、国営電力PLN向けに、電動バイクのバッテリー交換事業を開始した。3月には、配車・配送サービス大手ゴジェックと提携。ゴジェックの運転手に20台の電動バイクを1年間無償で貸与し、ゴジェックの運転手が交代で利用している。今回グラブとの協業は、マカッサル市内で進める事業の第3弾となる。
バッテリー交換所は、マカッサル市内だけで先行して7カ所に展開している。このほど、ミニマーケット「アルファマート」の店舗前に設置することでアルファマートを運営する小売り大手スンブル・アルファリアと合意し、合計30カ所を新設した。
2023年3月までにバッテリー交換所を150カ所までに拡大することを目指しており、コンビニや薬局と協議を進めている。
マカッサル市内では現在、Smootが56台使用されている。ゴジェックが試験的に運用する20台のほか、PLNの職員が日常業務や通勤に使っている。サントモは23年3月までに、東部地域で500台の販売を目標に掲げるが、電動バイクに対する関心の高まりから、マカッサル以外の地域でも予想以上の引き合いがあるという。山口氏は、Smootを販売するスムート・モーター・インドネシアと目標台数の上方修正について協議していることを明らかにした。
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サントモの現地法人サントモ・リソース・インドネシアは、南スラウェシ州マカッサル市を中心とした東部地域でSmootの販売代理店と、バッテリー交換所の運営事業を手がけている。グラブとの協業では、11月までの試験期間に、グラブの運転手20人に電動バイクを無償で貸し出し、車両やバッテリーの充電設備などの使用感などを評価してもらう。
サントモ・リソース・インドネシアのマーケティングマネジャー、山口隼太郎氏によれば、試験期間の終了後の商用化に向けて、グラブと協議を進めている。現時点では、バイクの使用料だけを月額の定額制としてレンタルするか、バイクの使用料に一定の走行距離分の電気料金を加算した固定額を設定してレンタルすることを想定している。レンタル料金は運転手が負担する。
■定額制で双方にメリット
レンタル料を月額定額制とするのは、グラブの運転手にとって支払額が明確になるという利点がある。一方で、レンタル料を電気料金込みで設定する場合、グラブの走行距離に応じて変動する電気代を運転手から回収できなければ、サントモは期待した収益を出せなくなるリスクがある。「グラブとサントモの双方にメリットがある料金を決定する必要がある」(山口氏)ことから、慎重に検討を進めている。
サントモは2月、マカッサル市での事業の第1弾として、国営電力PLN向けに、電動バイクのバッテリー交換事業を開始した。3月には、配車・配送サービス大手ゴジェックと提携。ゴジェックの運転手に20台の電動バイクを1年間無償で貸与し、ゴジェックの運転手が交代で利用している。今回グラブとの協業は、マカッサル市内で進める事業の第3弾となる。
バッテリー交換所は、マカッサル市内だけで先行して7カ所に展開している。このほど、ミニマーケット「アルファマート」の店舗前に設置することでアルファマートを運営する小売り大手スンブル・アルファリアと合意し、合計30カ所を新設した。
2023年3月までにバッテリー交換所を150カ所までに拡大することを目指しており、コンビニや薬局と協議を進めている。
マカッサル市内では現在、Smootが56台使用されている。ゴジェックが試験的に運用する20台のほか、PLNの職員が日常業務や通勤に使っている。サントモは23年3月までに、東部地域で500台の販売を目標に掲げるが、電動バイクに対する関心の高まりから、マカッサル以外の地域でも予想以上の引き合いがあるという。山口氏は、Smootを販売するスムート・モーター・インドネシアと目標台数の上方修正について協議していることを明らかにした。"
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