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無寄港クルーズの規制緩和、再開は不透明

香港政府は9月30日、クルーズ船による無寄港ツアーの規制を緩和すると発表した。乗客の1%または10人以上の感染者が出た船に3日間の運航禁止を科すルールを廃止する。年初から停止中の無寄港ツアーを催行しやすい条件が整ったが、香港を母港としていたクルーズ船は既に香港を離れており、早期の再開は見通せない。
新型コロナウイルス感染対策の行動・営業制限の見直しの一環。10月6日から適用する。
1日付明報によると、旅行業界は規制緩和を歓迎しつつも、政府の決定は遅すぎたとの立場だ。香港旅遊業議会(TICHK)の徐王美倫(ジアンナ・スー)主席は、既に香港を離れたクルーズ船が香港に戻ってくるとしても早くて来年前半になるとし、香港の規制は「周辺国・地域よりも依然としてやや多く、緩和はやや遅かった」と不満を漏らした。
香港ではコロナ禍の影響で、2020年2月からクルーズ船の出入境が停止されている。昨年夏には出入境を伴わず無寄港で公海上を遊覧する香港発着のクルーズツアーが再開されたが、年末からの感染拡大「第5波」で今年1月5日以降は無寄港ツアーも停止となった。
第5波は3月初旬をピークに落ち着いたため、政府は5月中旬から無寄港クルーズツアーの再開を認めたが、感染者が出た際の運航停止ルールと厳しい検疫要求を国際クルーズ会社が敬遠。香港を母港として昨年の無寄港ツアーを運航していた米大手ロイヤル・カリビアン・インターナショナルの「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」はシンガポールに拠点を移し、もう1隻の「ゲンティン・ドリーム」は運営会社のマレーシア系ゲンティン香港が裁判所に会社清算を申し立てた。
明報や2日付星島日報によると、今回の規制緩和を受けて香港での無寄港ツアー再開に前向きとみられるのはロイヤル・カリビアンだが、スペクトラム・オブ・ザ・シーズは既にシンガポールで来年前半までのツアー予約を受けている。他船の参入も見通せないため、クリスマスから新年にかけての旅行シーズンに無寄港ツアーが実施される可能性は低そうだ。

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香港ではコロナ禍の影響で、2020年2月からクルーズ船の出入境が停止されている。昨年夏には出入境を伴わず無寄港で公海上を遊覧する香港発着のクルーズツアーが再開されたが、年末からの感染拡大「第5波」で今年1月5日以降は無寄港ツアーも停止となった。
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