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日本映画人気、独自色で魅了韓国配給会社のカン代表に聞く

韓国で、日本映画が大ヒットしている。実写映画「今夜、世界からこの恋が消えても(セカコイ)」(2022年)の観客動員数は1月、韓国で日本の実写映画としては異例の100万人を突破。韓国で3月8日公開された新海誠監督の長編アニメーション映画「すずめの戸締まり」(22年)の観客動員数は今月10日時点で約434万人。「君の名は。」(16年)の動員数(約381万人)を超え、韓国で日本映画の歴代動員数2位に躍り出た。韓国での日本コンテンツの人気から何を読み取れるのか。セカコイとすずめの戸締まりの韓国配給会社メディアキャッスルのカン・サンウク代表に聞いた。

インタビューに応じるカン代表=ソウル、2月(NNA撮影)

——なぜ最近、韓国で日本映画が人気なのか。
率直に言って「日本映画だから」ではなく、高い作品性が評価されている。韓国でヒットしている日本映画を見ると、それぞれ抜群の魅力がある。
現在、漫画「スラムダンク」のアニメーション映画「THE FIRST SLAM DUNK」(22年)が韓国で日本映画の歴代観客動員数1位だが、スラムダンクは韓国でも昔から有名な作品だ。また、新海誠氏は「君の名は。」と「天気の子」(19年)を通じて、韓国で最もよく知られている日本のアニメーション監督でもある。アピールポイントが明確な作品であれば、韓国の観客も劇場に見に行くということだ。
——カン代表は日本映画の配給を多く手がけているが、日本作品を受容する韓国社会に変化を感じるか。
日本に対する韓国人の態度に大きな変化はないが、「政治と文化は別物だ」という認識はかなり広がっているようだ。
例えばセカコイの興行結果を見ると、10~20代の女性が全体の65%を占めていた。若者は、文化の違いを受け入れているということでもある。これは、米国のネットフリックスやディズニープラス、アマゾン・プライム・ビデオなどのグローバル動画配信サービスを通じて、海外作品を「純粋に楽しむ」というメインストリームが起きているためだろう。
セカコイは韓国で日本の実写映画として歴代2位に躍り出たが、これは韓国の若者の日本に対する拒否感が薄まっていることを示したといえる。また、韓国で好まれる日本文化コンテンツはアニメーション作品に偏っていたが、多様なジャンルを受け入れられることを感じさせた作品だった。
——韓国で、セカコイのどのような点が評価されたのか。
韓国の作品に恋愛ドラマは多いが、映画作品としてはロマンス系が弱い。一方、日本は長年撮り続けてきた恋愛映画に強みがあって、感情を繊細に演出するノウハウを持っている。
セカコイの場合は、韓国でもベストセラーとなった原作小説と韓国でも人気がある道枝駿佑さんの主演、そして淡泊でありながら温かく、寂しさもあるような演出が魅力となった。
——世界で注目される韓国のコンテンツに比べ、日本は海外進出が後れたと言われている。
韓国は人口が約5,000万人しかいないため、海外進出を前提に韓流コンテンツの拡大に早くから取り組んできた。日本の場合は国内市場が大きいので、海外進出が後れたのは仕方がない。しかし今の日本は、得意のロマンス作品で海外に進出しようとしていると感じる。例えばネットフリックスが配信するドラマ「First Love 初恋」(22年)は、まさに「1990年代」「ロマンス」の感性がポイントとなっている。
——日韓関係は、日本コンテンツの消費に影響するか。
相関関係はないと思う。言い換えれば、韓日関係が政治的にどのような状況であれ、コンテンツに魅力がなければ人々は消費しない。コンテンツの本質が最も重要で、「日本の文化」は韓国で代替不可能な存在であるということだ。(聞き手=岡本あんな)
<メモ>
メディアキャッスル:カン・サンウク代表
05年にメディアキャッスル創業。07年に初めて日本アニメ作品を輸入。新海誠監督の3作品「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」を配給。
日本大衆文化開放前から漫画「マジンガーZ」やアニメ「北斗の拳」などにはまった「オタク」だと自称する。あらゆるジャンルの日本コンテンツを韓国に取り入れられるような取り組みにより日韓両国の葛藤も解決できるのではないか、またその一役を担うことができたら、と考えている。今後も、「自分の得意分野を生かしていく」と意気込む。

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——なぜ最近、韓国で日本映画が人気なのか。
率直に言って「日本映画だから」ではなく、高い作品性が評価されている。韓国でヒットしている日本映画を見ると、それぞれ抜群の魅力がある。
現在、漫画「スラムダンク」のアニメーション映画「THE FIRST SLAM DUNK」(22年)が韓国で日本映画の歴代観客動員数1位だが、スラムダンクは韓国でも昔から有名な作品だ。また、新海誠氏は「君の名は。」と「天気の子」(19年)を通じて、韓国で最もよく知られている日本のアニメーション監督でもある。アピールポイントが明確な作品であれば、韓国の観客も劇場に見に行くということだ。
——カン代表は日本映画の配給を多く手がけているが、日本作品を受容する韓国社会に変化を感じるか。
日本に対する韓国人の態度に大きな変化はないが、「政治と文化は別物だ」という認識はかなり広がっているようだ。
例えばセカコイの興行結果を見ると、10~20代の女性が全体の65%を占めていた。若者は、文化の違いを受け入れているということでもある。これは、米国のネットフリックスやディズニープラス、アマゾン・プライム・ビデオなどのグローバル動画配信サービスを通じて、海外作品を「純粋に楽しむ」というメインストリームが起きているためだろう。
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——韓国で、セカコイのどのような点が評価されたのか。
韓国の作品に恋愛ドラマは多いが、映画作品としてはロマンス系が弱い。一方、日本は長年撮り続けてきた恋愛映画に強みがあって、感情を繊細に演出するノウハウを持っている。
セカコイの場合は、韓国でもベストセラーとなった原作小説と韓国でも人気がある道枝駿佑さんの主演、そして淡泊でありながら温かく、寂しさもあるような演出が魅力となった。
——世界で注目される韓国のコンテンツに比べ、日本は海外進出が後れたと言われている。
韓国は人口が約5,000万人しかいないため、海外進出を前提に韓流コンテンツの拡大に早くから取り組んできた。日本の場合は国内市場が大きいので、海外進出が後れたのは仕方がない。しかし今の日本は、得意のロマンス作品で海外に進出しようとしていると感じる。例えばネットフリックスが配信するドラマ「First Love 初恋」(22年)は、まさに「1990年代」「ロマンス」の感性がポイントとなっている。
——日韓関係は、日本コンテンツの消費に影響するか。
相関関係はないと思う。言い換えれば、韓日関係が政治的にどのような状況であれ、コンテンツに魅力がなければ人々は消費しない。コンテンツの本質が最も重要で、「日本の文化」は韓国で代替不可能な存在であるということだ。(聞き手=岡本あんな)
<メモ>
メディアキャッスル:カン・サンウク代表
05年にメディアキャッスル創業。07年に初めて日本アニメ作品を輸入。新海誠監督の3作品「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」を配給。
日本大衆文化開放前から漫画「マジンガーZ」やアニメ「北斗の拳」などにはまった「オタク」だと自称する。あらゆるジャンルの日本コンテンツを韓国に取り入れられるような取り組みにより日韓両国の葛藤も解決できるのではないか、またその一役を担うことができたら、と考えている。今後も、「自分の得意分野を生かしていく」と意気込む。" ["post_title"]=> string(81) "日本映画人気、独自色で魅了韓国配給会社のカン代表に聞く" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e6%97%a5%e6%9c%ac%e6%98%a0%e7%94%bb%e4%ba%ba%e6%b0%97%e3%80%81%e7%8b%ac%e8%87%aa%e8%89%b2%e3%81%a7%e9%ad%85%e4%ba%86%e9%9f%93%e5%9b%bd%e9%85%8d%e7%b5%a6%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%b3" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2023-04-11 04:00:02" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2023-04-10 19:00:02" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=12770" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
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