日本の歌を歌って。インド北部のヒマラヤ山脈が目と鼻の先の山里をトレッキング中、インド人の友人３人から頼まれた。異文化交流を育む機会とはいえ、日本のカラオケ文化で培った十八番といえば……。
「神田川」「喝采」「かもめはかもめ」。五月晴れ、花ハイキングをせめても軽やかにと朗らかに歌いきったが、恐れていた質問が友人から飛び出した。「何をうたった曲なの？」
いずれも日本人の感性や時代に染み入る歌詞だ。ただインド人が寄り添うには難解すぎる。「女の覚悟？」「愛ある別れ？」いや「女の意地？」
旧約聖書には、天にも届く塔「バベル」を建てようとした人間のおごりが神の怒りに触れ、神は人間の言葉が互いに通じないよういくつもの言語をつくったという物語がある。この時ばかりは友人らと目指す頂きがバベルに重なり、意思疎通のもどかしさを痛感した。（丑）

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いずれも日本人の感性や時代に染み入る歌詞だ。ただインド人が寄り添うには難解すぎる。「女の覚悟？」「愛ある別れ？」いや「女の意地？」

旧約聖書には、天にも届く塔「バベル」を建てようとした人間のおごりが神の怒りに触れ、神は人間の言葉が互いに通じないよういくつもの言語をつくったという物語がある。この時ばかりは友人らと目指す頂きがバベルに重なり、意思疎通のもどかしさを痛感した。（丑）"
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