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ふぐ専門店をリニューアル開業関門海、輸入規制緩和を追い風に

とらふぐ専門店「玄品」を展開する関門海(大阪府松原市)は、シンガポールで唯一のとらふぐ料理専門店をリニューアルオープンした。同国政府が昨年、養殖フグの輸入規制を緩和したことで新たに提供できるメニューを拡大。安全なフグを安心しておいしく食べられる場所として、東南アジアでの「日本のフグ食文化」の発信拠点とする考えだ。将来的には東南アジアでの店舗拡大を目指す。【清水美雪】

玄品シンガポールのリニューアルオープンに伴い、職人がフグの華麗な盛り付けを披露した(関門海提供)

中心部タンジョンパガーに今月1日、「玄品シンガポール」を正式にリニューアルオープン。現地のファミリー層、カップル、外国人観光客などに「ぜいたくな時間」を楽しんでもらうメニュー構成にした。日本酒の提供にも力を入れており、種類を豊富に取りそろえた。
5月31日と6月1日にはフグの聖地である山口県下関市から職人を呼び、さまざまなふぐ料理を提供するイベントを開催。華麗な盛り付けなど伝統的なパフォーマンスも披露した。
シンガポール政府は養殖フグについて、従来認めていた筋肉部位に加えて昨年8月から、白子、皮、ヒレの部位の輸入も解禁した。これにより現地でフグに対する関心が高まりつつある。
関門海の店舗リニューアルもこうした動きを受けたものとなる。定休日を利用して店内設備などの工事を進めたため、店舗は閉鎖せず継続的に営業していた。
関門海の広報担当者はNNAに対し、「シンガポール政府の輸入規制緩和を受け、玄品シンガポールではヒレ酒、白子、皮の唐揚げなどが提供できるようになった。とらふぐ料理のグランドメニューは日本とほぼ同じ内容で展開できる」と説明した。
■今年の売上高、5割増目標
関門海は2017年、海外1号店として玄品シンガポールを開業した。当初はフランチャイズ契約を結んだシンガポールの日系企業が運営していたが、19年に同企業の全株式を取得して社名をKANMONKAI—SGに変更。直営店に切り替えた。
シンガポール店は、関門海にとって唯一の海外直営店舗となる。海外ではこのほか、中国でとらふぐ料理専門店3店をフランチャイズで展開中だ。
シンガポールの店舗で使用するフグは、専門ライセンスを取得している関門海の日本工場で有毒部位の除去、加工、検査を行った後に現地へ発送。到着後は検疫を受け、100%安全性が認められたフグだけを使用している。関門海の特許技術である独自の熟成加工も施しており、日本と変わらないうまみの濃いトラフグが味わえるようにしている。
玄品シンガポールの今年の売り上げは、前年比50%増を目指す。客層は、現地在住日本人と日本人以外の人の割合を、現在の5対5から将来的に3対7とすることを目標に掲げている。
■認知度向上へ継続的にイベント
東南アジアでのフグ食を巡っては今年3月、マレーシアでフグを食べた夫婦がフグ毒により死亡する事故が発生。関門海によると、域内ではフグなど有毒部位を持つ食材に対する安全性を求める声が高まっている。知識や技術、制度など、フグを取り扱うあらゆる側面で日本のフグ食文化が安全であることを、域内で理解してもらうことが重要だと捉えている。
有毒部位があるフグは、日本や韓国など以外では食用としてあまり認知されておらず、輸入規制を敷く国・地域が多い。日本産のフグは、二国間協議で輸出先国の合意を得なければ輸出できず、輸出可能国はシンガポールやマレーシア、米国などに限られる。ただ訪日客の増加に伴いフグの認知度は向上しており、アジアを中心に各国・地域の輸入規制緩和が待たれる。
同広報担当者は「東南アジアではフグ食の認知度がまだ低いと実感している」と説明。職人によるパフォーマンスなどを披露するイベントを今後も継続的に開催し、普及活動を進めたい考えを示した。市場動向を見計らいながら、域内でのさらなる店舗の展開を視野に入れていると付け加えた。

リニューアルオープンした玄品シンガポール(関門海提供)
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中心部タンジョンパガーに今月1日、「玄品シンガポール」を正式にリニューアルオープン。現地のファミリー層、カップル、外国人観光客などに「ぜいたくな時間」を楽しんでもらうメニュー構成にした。日本酒の提供にも力を入れており、種類を豊富に取りそろえた。
5月31日と6月1日にはフグの聖地である山口県下関市から職人を呼び、さまざまなふぐ料理を提供するイベントを開催。華麗な盛り付けなど伝統的なパフォーマンスも披露した。
シンガポール政府は養殖フグについて、従来認めていた筋肉部位に加えて昨年8月から、白子、皮、ヒレの部位の輸入も解禁した。これにより現地でフグに対する関心が高まりつつある。
関門海の店舗リニューアルもこうした動きを受けたものとなる。定休日を利用して店内設備などの工事を進めたため、店舗は閉鎖せず継続的に営業していた。
関門海の広報担当者はNNAに対し、「シンガポール政府の輸入規制緩和を受け、玄品シンガポールではヒレ酒、白子、皮の唐揚げなどが提供できるようになった。とらふぐ料理のグランドメニューは日本とほぼ同じ内容で展開できる」と説明した。
■今年の売上高、5割増目標
関門海は2017年、海外1号店として玄品シンガポールを開業した。当初はフランチャイズ契約を結んだシンガポールの日系企業が運営していたが、19年に同企業の全株式を取得して社名をKANMONKAI—SGに変更。直営店に切り替えた。
シンガポール店は、関門海にとって唯一の海外直営店舗となる。海外ではこのほか、中国でとらふぐ料理専門店3店をフランチャイズで展開中だ。
シンガポールの店舗で使用するフグは、専門ライセンスを取得している関門海の日本工場で有毒部位の除去、加工、検査を行った後に現地へ発送。到着後は検疫を受け、100%安全性が認められたフグだけを使用している。関門海の特許技術である独自の熟成加工も施しており、日本と変わらないうまみの濃いトラフグが味わえるようにしている。
玄品シンガポールの今年の売り上げは、前年比50%増を目指す。客層は、現地在住日本人と日本人以外の人の割合を、現在の5対5から将来的に3対7とすることを目標に掲げている。
■認知度向上へ継続的にイベント
東南アジアでのフグ食を巡っては今年3月、マレーシアでフグを食べた夫婦がフグ毒により死亡する事故が発生。関門海によると、域内ではフグなど有毒部位を持つ食材に対する安全性を求める声が高まっている。知識や技術、制度など、フグを取り扱うあらゆる側面で日本のフグ食文化が安全であることを、域内で理解してもらうことが重要だと捉えている。
有毒部位があるフグは、日本や韓国など以外では食用としてあまり認知されておらず、輸入規制を敷く国・地域が多い。日本産のフグは、二国間協議で輸出先国の合意を得なければ輸出できず、輸出可能国はシンガポールやマレーシア、米国などに限られる。ただ訪日客の増加に伴いフグの認知度は向上しており、アジアを中心に各国・地域の輸入規制緩和が待たれる。
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