ベトナムの新興航空会社のバンブー航空は11日、今月8日の取締役会で大島秀樹会長、グエン・ミン・ハイ社長らの辞任を承認したと発表した。大島氏は、日本航空(JAL)で培った経営再建のノウハウを期待されて6月21日に会長に就任したばかりだったが、在任期間わずか18日で「電撃」辞任した。今後は常任副会長として同社に留まるものの、経営内部の混乱をうかがわせる異例の人事となった。
経営混乱が続いているバンブー航空(同社公式サイトから)
辞任したのは両氏のほか、グエン・コック・チョン常任副会長、ドアン・フー・ドアンとファン・ディン・トゥー両副会長の3人。5月下旬に就任したばかりのハイ社長の後任には、チョン氏が副会長兼社長として就任する。大島氏は新たに常任副会長に就任する。ドアン氏とトゥー氏は取締役を退任することも内定した。
新会長に就任したのは、レ・タイ・サム氏で、任期は2023~28年。同氏は1964年生まれで、ホーチミン市経済大学を卒業後、不動産や貿易、金融など幅広い分野で事業展開してきた実業家。大手建設会社DIC投資開発建設総公社(DICコープ)の取締役などを歴任した後、バンブー航空の取締役を務めていた。
ネットメディア「カフェF」によると、サム氏はこれまで、同社が債務圧縮の一環で実施した増資に応じて7億7,200万株を引き受けており、同社株を10億株余り(持ち株比率38%)保有していた。今回、同航空に出資していた不動産開発大手FLCグループが約4億株をサム氏に譲渡したことにより、サム氏の保有株数は14億株余り(持ち株比率53.6%)まで増加したとみられる。
バンブー航空は、今回の取締役人事変更に関して、「人事システム全体を統合し、組織の再構築を加速するプロセスの一環」と説明している。複数の地元メディアからは「再び混乱に陥った」との指摘も出ている。
■経営再建のノウハウ期待も
新たに常任副会長に就任した大島氏
大島氏は1985年に日本航空に入社後、サンフランシスコ支店長や成田空港支店長などを経て、2014年に執行役員に就任し、21年3月に退任するまで海外の航空会社などとの提携業務を担当した。会長就任が承認された先月21日の株主総会では、経営立て直しに向けた意気込みを表明したものの、急転直下の辞任となった。
事実上の降格とみられる常任副会長への役職変更の理由ははっきりしないが、引き続き日本航空の経営再建のノウハウを取り入れながら、日本など海外の航空会社との協力関係構築などに取り組むとみられる。
バンブー航空の22年の売上高は前年の3倍余りの11兆7,320億ドン(約4億9,600万米ドル、692億円)で、3兆2,090億ドンの赤字だったが、赤字額は前年から約1兆ドン圧縮した。路線網の再編やサービス改善などにより収益力を高め、24年に黒字化を目指す方針を示している。
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新会長に就任したのは、レ・タイ・サム氏で、任期は2023~28年。同氏は1964年生まれで、ホーチミン市経済大学を卒業後、不動産や貿易、金融など幅広い分野で事業展開してきた実業家。大手建設会社DIC投資開発建設総公社(DICコープ)の取締役などを歴任した後、バンブー航空の取締役を務めていた。
ネットメディア「カフェF」によると、サム氏はこれまで、同社が債務圧縮の一環で実施した増資に応じて7億7,200万株を引き受けており、同社株を10億株余り(持ち株比率38%)保有していた。今回、同航空に出資していた不動産開発大手FLCグループが約4億株をサム氏に譲渡したことにより、サム氏の保有株数は14億株余り(持ち株比率53.6%)まで増加したとみられる。
バンブー航空は、今回の取締役人事変更に関して、「人事システム全体を統合し、組織の再構築を加速するプロセスの一環」と説明している。複数の地元メディアからは「再び混乱に陥った」との指摘も出ている。
■経営再建のノウハウ期待も
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大島氏は1985年に日本航空に入社後、サンフランシスコ支店長や成田空港支店長などを経て、2014年に執行役員に就任し、21年3月に退任するまで海外の航空会社などとの提携業務を担当した。会長就任が承認された先月21日の株主総会では、経営立て直しに向けた意気込みを表明したものの、急転直下の辞任となった。
事実上の降格とみられる常任副会長への役職変更の理由ははっきりしないが、引き続き日本航空の経営再建のノウハウを取り入れながら、日本など海外の航空会社との協力関係構築などに取り組むとみられる。
バンブー航空の22年の売上高は前年の3倍余りの11兆7,320億ドン(約4億9,600万米ドル、692億円)で、3兆2,090億ドンの赤字だったが、赤字額は前年から約1兆ドン圧縮した。路線網の再編やサービス改善などにより収益力を高め、24年に黒字化を目指す方針を示している。"
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