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無印良品、カレーで心つかむ独自路線で中間層に訴求

生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画は、フィリピンのマニラ首都圏に6月開業した国内最大規模の店舗で主力食品のカレーの販売に乗り出した。カレーの販売は同国で初めて。国民の日本食への関心を踏まえて看板商品として売り込み、集客につなげて中間層を取り込む狙いだ。外資系ブランドが店舗を広げるなか、独自の商品を展開して攻勢をかける。【影山未知花】

MUJIフィリピンは新たな看板商品としてカレーを売り込んでいる=6月、ケソン市(NNA撮影)

ある平日の昼過ぎ、飲食スペースはカレーライスを食べながら談笑する地元住民でにぎわっていた。壁にはカレーをモチーフにしたポスターが貼られている。近くの棚にはびっしりとレトルトパックが並び、引きつけられるように続々と来店客が訪れていた。
首都圏ケソン市の大型商業施設「SMノース・エドサ」内に開業した無印良品の新店舗限定で、タイ風やインド風など7種類のレトルトカレーの販売を始めた。併設する飲食スペース「コーヒーカウンター」ではカレーライスも購入できる。レトルトパックの商品は195~235ペソ(約500~600円)、店内の場合は30ペソ上乗せした価格になる。
良品計画は地場企業と合弁でMUJIフィリピンを設立した。現地法人のマーケティング部門責任者のクリスティーナ・ダグダグ氏は「フィリピン人にもなじみのあるカレーを手ごろな価格で提供し、中間層の開拓につなげたい。店舗内での飲食をきっかけに、もう少し高価な生活用品などに興味を持ってもらうことが理想だ」と意気込みを語った。
カレーの販売は現在ノース・エドサ店限定だが、他店でも販売を検討する。輸入許可などを取るのが難航したほか、大型店での販売による認知度の獲得が大きいとみる。
MUJIフィリピンの2022年の売れ筋トップ10では、ノートやカラーペンといった文房具、靴下、トートバッグなどいずれも比較的に安い価格帯が中心だった。この点を踏まえ、今後の中間層の市場開拓に向けては手の届く商品を充実させる方針だ。
ノース・エドサ店では価格が100ペソ台からの観葉植物の売り上げが着実に伸びている。地方の農園から取り寄せている。
同店は面積が2,500平方メートル以上、商品点数は4,000点を超える。フィリピン国内6店舗目となり、飲食スペースは3カ所目。多くの富裕層や外国人が集まる中央商業地区(CBD)以外に開業するのは初となる。ケソン市での開業は人口密度と子持ち世帯の多さが決め手となった。
集客に向け、カレー以外にも店舗のレイアウトを工夫した。ノース・エドサ店は商業施設の通路を左右の売り場で挟んだ形になっている。通路も独特の統一感のあるデザインを施し、通り過ぎる消費者が来店しやすいようにした。
フィリピンではスウェーデン家具大手イケアが世界最大規模の店舗を設けているほか、中国資本の生活雑貨チェーン「名創優品(MINISO)」などが全国の商業施設に店舗を展開している。MUJIフィリピンは食品で主力の「カレー」を全面に出して差別化を目指す。

飲食スペースと店舗の間に挟まれた通路もMUJIフィリピンの木製スタイルの床にして統一感を出した=6月、ケソン市(NNA撮影)
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ある平日の昼過ぎ、飲食スペースはカレーライスを食べながら談笑する地元住民でにぎわっていた。壁にはカレーをモチーフにしたポスターが貼られている。近くの棚にはびっしりとレトルトパックが並び、引きつけられるように続々と来店客が訪れていた。
首都圏ケソン市の大型商業施設「SMノース・エドサ」内に開業した無印良品の新店舗限定で、タイ風やインド風など7種類のレトルトカレーの販売を始めた。併設する飲食スペース「コーヒーカウンター」ではカレーライスも購入できる。レトルトパックの商品は195~235ペソ(約500~600円)、店内の場合は30ペソ上乗せした価格になる。
良品計画は地場企業と合弁でMUJIフィリピンを設立した。現地法人のマーケティング部門責任者のクリスティーナ・ダグダグ氏は「フィリピン人にもなじみのあるカレーを手ごろな価格で提供し、中間層の開拓につなげたい。店舗内での飲食をきっかけに、もう少し高価な生活用品などに興味を持ってもらうことが理想だ」と意気込みを語った。
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MUJIフィリピンの2022年の売れ筋トップ10では、ノートやカラーペンといった文房具、靴下、トートバッグなどいずれも比較的に安い価格帯が中心だった。この点を踏まえ、今後の中間層の市場開拓に向けては手の届く商品を充実させる方針だ。
ノース・エドサ店では価格が100ペソ台からの観葉植物の売り上げが着実に伸びている。地方の農園から取り寄せている。
同店は面積が2,500平方メートル以上、商品点数は4,000点を超える。フィリピン国内6店舗目となり、飲食スペースは3カ所目。多くの富裕層や外国人が集まる中央商業地区(CBD)以外に開業するのは初となる。ケソン市での開業は人口密度と子持ち世帯の多さが決め手となった。
集客に向け、カレー以外にも店舗のレイアウトを工夫した。ノース・エドサ店は商業施設の通路を左右の売り場で挟んだ形になっている。通路も独特の統一感のあるデザインを施し、通り過ぎる消費者が来店しやすいようにした。
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