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日系の半数が脱炭素取り組み前年から拡大、非製造業で伸び

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)と日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が22日発表した「2024年度日系企業アンケート調査」で、回答企業の約半数が脱炭素化に取り組んでいることが分かった。23年に実施した前回調査の約36%から上昇し、特に非製造業での伸びが目立った。
調査は1月29日~2月19日に、JACTIMに加盟する在マレーシア日系企業555社を対象に実施し、217社から有効回答(回答率39.1%)を得た。業種別に見ると、製造業が115社(全体の53%)、非製造業が102社(同47%)。企業規模では大企業が74.7%、所在地別では首都圏(首都クアラルンプールとスランゴール州)が71.9%を占めた。
脱炭素への取り組み状況については、製造業で「既に取り組んでいる」との回答が50.2%と、23年1月20日~2月27日に実施した前回調査の35.7%から14.5ポイント拡大した。業種別では、製造業が57.4%、非製造業が42.2%。前回調査時と比較した増加幅は非製造業の方が大きく、業種間の差は縮小した。
「まだ取り組んでいないが、その予定がある」(24.9%)と合わせると、75%強が脱炭素に向けた取り組みに積極的であることが分かる。
「既に取り組んでいる」または「まだ取り組んでいないが、その予定がある」と答えた企業を対象に具体的な取り組み(複数回答)を尋ねたところ、「省エネルギー・省資源化」が58.9%で最多となり、「再生可能エネルギー・新エネルギー(太陽光、風力、水素など)電力の調達」が52.8%で続いた。
脱炭素ヘの取り組みでの課題としては、「費用対効果が不明、または見込めない」が48.3%で最多。「従業員の意識が高くない」が33.8%で続いた。製造業では「優遇措置が不十分である」との回答が29%に上り、非製造業では「政府の脱炭素関連政策が具体化していない」「複数のロードマップ(行程表)が発表されたものの、企業レベルにまで下りた指針が示されていない」がともに27.7%に上った。

■業況は改善見通しも不透明感続く
企業の景況感を示す業況判断指数(DI、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いたもの)は、23年下半期(7~12月)がマイナス22.1ポイントと、22年下半期から14ポイント悪化し、マイナスが続いた。24年通年の予測値はプラス0.5ポイントと改善の見通しだが、JACTIMとジェトロは、外需低迷の長期化や、マレーシア政府による財政健全化を目的とした増税や補助金の見直しによるコスト拡大が見込まれることから、先行き不透明の状態が続くと予測している。

企業の現状の課題としては、「従業員の賃金上昇」が70.1%、「高度人材(技術者、専門職、中間管理職など)の不足」が53.7%、「高度人材の質」が50.3%と、人材関連の課題に集中した。中長期的な課題では、「高度人材の確保」「頻繁な規制変動」「一般ワーカー不足」が上位を占めた。
日本人駐在員の就労に関して問題を感じていると回答した企業は22.1%にとどまった一方で、「雇用パス取得までの期間が長い」が最大の問題として提示された。マレーシア入国管理局が23年6月に外国人駐在員の雇用パス申請のための新システム「エクスパッツ・ゲートウエー(XPats Gateway)」を始動したことで、手続きがこれまでより容易になったとされていたが、「申請から認可まで5~6カ月を要した」「手続きにかかる時間が、担当官の対応によっても異なる」といった声もあったという。
■6割が電子インボイス導入に懸念
マレーシア政府が予定する電子インボイスの導入については、回答企業全体の64.8%が懸念を抱いており、特に製造業では73.7%に上った。具体的な懸念事項としては、「(完全導入が予定される)25年までに自社でシステムが構築できるか不安」が45.4%と最も多く、「25年までに政府がシステムを構築できるか不安」が38.9%、「自社でシステム導入をする際の費用負担が不安」が35.2%で続いた。
電子インボイスは、企業の売上高の規模によって段階的に導入される。売上高が1億リンギ(約32億円)超の企業は24年8月1日から、売上高が2,500万リンギ~1億リンギの企業は25年1月1日から導入され、25年7月1日からそれ以外の企業を含む全ての企業に完全導入される予定だ。

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「まだ取り組んでいないが、その予定がある」(24.9%)と合わせると、75%強が脱炭素に向けた取り組みに積極的であることが分かる。
「既に取り組んでいる」または「まだ取り組んでいないが、その予定がある」と答えた企業を対象に具体的な取り組み(複数回答)を尋ねたところ、「省エネルギー・省資源化」が58.9%で最多となり、「再生可能エネルギー・新エネルギー(太陽光、風力、水素など)電力の調達」が52.8%で続いた。
脱炭素ヘの取り組みでの課題としては、「費用対効果が不明、または見込めない」が48.3%で最多。「従業員の意識が高くない」が33.8%で続いた。製造業では「優遇措置が不十分である」との回答が29%に上り、非製造業では「政府の脱炭素関連政策が具体化していない」「複数のロードマップ(行程表)が発表されたものの、企業レベルにまで下りた指針が示されていない」がともに27.7%に上った。

■業況は改善見通しも不透明感続く
企業の景況感を示す業況判断指数(DI、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いたもの)は、23年下半期(7~12月)がマイナス22.1ポイントと、22年下半期から14ポイント悪化し、マイナスが続いた。24年通年の予測値はプラス0.5ポイントと改善の見通しだが、JACTIMとジェトロは、外需低迷の長期化や、マレーシア政府による財政健全化を目的とした増税や補助金の見直しによるコスト拡大が見込まれることから、先行き不透明の状態が続くと予測している。

企業の現状の課題としては、「従業員の賃金上昇」が70.1%、「高度人材(技術者、専門職、中間管理職など)の不足」が53.7%、「高度人材の質」が50.3%と、人材関連の課題に集中した。中長期的な課題では、「高度人材の確保」「頻繁な規制変動」「一般ワーカー不足」が上位を占めた。
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■6割が電子インボイス導入に懸念
マレーシア政府が予定する電子インボイスの導入については、回答企業全体の64.8%が懸念を抱いており、特に製造業では73.7%に上った。具体的な懸念事項としては、「(完全導入が予定される)25年までに自社でシステムが構築できるか不安」が45.4%と最も多く、「25年までに政府がシステムを構築できるか不安」が38.9%、「自社でシステム導入をする際の費用負担が不安」が35.2%で続いた。
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