韓国で経済活動に参加する外国人数が、2024年5月時点で100万人を突破したことが韓国統計庁の調べで分かった。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で落ち込んだ長期滞在の外国人が回復したことが最大の理由で、とりわけ経済活動に参加する外国人が増えている。非常に早く少子高齢化が進む中、政府が外国からの労働者を積極的に受け入れていることもあり、このような傾向はしばらく続く見通しだ。
韓国統計庁によると、10年に2.5%だった在韓外国人の比率は16年に4%を上回り、19年には4.9%まで上昇した。新型コロナ感染症のパンデミックが起きた影響で21年には3.8%まで落ち込んだが、コロナ禍の収束に伴って外国人の比率は再び上昇し、23年は過去最高だった19年と同じ4.9%に回復した。
在韓外国人が増えている最大の背景は、急速な少子高齢化とそれに伴う労働力不足にある。韓国の23年時点での合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は0.72で世界最低水準だ。このまま行くと、現在約5,000万人の人口は、72年には約3割減の約3,600万人まで落ち込むと試算されている。
■政府が制度改善を積極化
人口の減少は、経済活動に参加できる国民の減少も意味しており、それを避けるために外国人労働者の受け入れは避けて通れないのが実情だ。こうした背景から、韓国政府は積極的な制度改善を行っている。23年には、人手不足に苦しむ企業が外国人労働者を雇用できるようにする「雇用許可制」による外国人労働者の受け入れ人数を4万5,000人増の16万5,000人に拡大した。
移民政策研究院のキム・ドウォン副研究委員は「コロナ禍の期間を除けば、韓国に滞在する外国人は右肩上がりで増えており、彼らの経済活動も多方面で拡大している」と指摘する。
韓国に居住する外国人のうち、経済活動に参加している人は24年5月時点で107万1,000人と、23年5月(97万5,000人)から9万6,000人増加。10年前の15年と比べると、20万人以上増えた。
■外国人増は地域経済に好影響
外国人労働者の受け入れ拡大は、特に地方経済への好影響が大きいとされる。韓国は人口の約5分の1が首都のソウルに集中し、地方では産業の空洞化への懸念が高まっているためだ。
特に影響が大きいとされるのは、韓国の主力産業でもある自動車や造船といった製造業。これらの生産拠点の多くが地方にあり、地域経済への貢献度は非常に大きいため、労働力不足は地域経済の停滞を招きかねない状況にある。
韓国政府が雇用許可制による外国人労働者の受け入れを積極的に進めているのも、こうした地域経済への悪影響を懸念してのことだ。実際に同制度によって発給される「非専門就業ビザ(E—9)」は、89.6%が製造業に集中している。
移民政策研究院は、韓国に居住する外国人の人口が1%増えると、地域内の経済規模や生産水準などの指標となる地域内総生産のうち、農林水産業は1.33%、鉱業・製造業は0.88%、サービス業は0.36%、それぞれ増大する効果があるとみている。その一方で、建設業は1.31%減少するとの見方もある。
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人口の減少は、経済活動に参加できる国民の減少も意味しており、それを避けるために外国人労働者の受け入れは避けて通れないのが実情だ。こうした背景から、韓国政府は積極的な制度改善を行っている。23年には、人手不足に苦しむ企業が外国人労働者を雇用できるようにする「雇用許可制」による外国人労働者の受け入れ人数を4万5,000人増の16万5,000人に拡大した。
移民政策研究院のキム・ドウォン副研究委員は「コロナ禍の期間を除けば、韓国に滞在する外国人は右肩上がりで増えており、彼らの経済活動も多方面で拡大している」と指摘する。
韓国に居住する外国人のうち、経済活動に参加している人は24年5月時点で107万1,000人と、23年5月(97万5,000人)から9万6,000人増加。10年前の15年と比べると、20万人以上増えた。
■外国人増は地域経済に好影響
外国人労働者の受け入れ拡大は、特に地方経済への好影響が大きいとされる。韓国は人口の約5分の1が首都のソウルに集中し、地方では産業の空洞化への懸念が高まっているためだ。
特に影響が大きいとされるのは、韓国の主力産業でもある自動車や造船といった製造業。これらの生産拠点の多くが地方にあり、地域経済への貢献度は非常に大きいため、労働力不足は地域経済の停滞を招きかねない状況にある。
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