インド進出成功のカギは「心の準備」にあり:起業家が語る、失敗しないための3つの心得
「なんとなくインドに出てみたい」
「日本で売れてるからインドでも売れるだろう」
もしあなたがそう思っているなら、少し立ち止まって考えてみてください。インド進出の成否を分けるのは、ビジネスプランの巧みさだけではありません。何よりも大切なのは、インドという国、そしてインドの人々に対する「マインドセット」です。
長年、数多くの日本企業のインド進出をサポートしてきた株式会社インド代表の大野氏が、自身の経験から「インド進出で本当に大切なこと」をざっくばらんに語ってくれました。
1. 誰のためのビジネスか?を問う
「なぜインドなのか?」
「インドで何がしたいのか?」
ご相談にいらっしゃる多くの企業が、この問いへの答えを曖昧にしたまま、進出を検討しています。ビジネスありき、自己本位の姿勢でインド市場に乗り込もうとするケースが少なくありません。
しかし、インドは単なる「お金儲けのツール」ではありません。インド市場を攻略するという視点から一歩踏み出し、「インドの人々を喜ばせたい」「インドに良いものをもたらしたい」というマインドを持つことが成功への第一歩です。
日本で成功したビジネスモデルをそのまま持ち込んでも、インドで通用するとは限りません。日本での成功は一度忘れて、インドの文化や国民性を深く理解し、ゼロベースで戦略を練り直す必要があります。
創業時の情熱を思い出し、「誰のために、どんな価値を提供するか?」という原点に立ち返ってみてください。その心が、インド市場の扉を開く鍵となります。

2.「リスペクト&エンジョイ」を忘れない
インドは多様性に満ちた国です。ビジネスの可能性だけでなく、その文化、人々の暮らし、自然の豊かさにリスペクトを持つことが、現地での信頼構築につながります。
残念ながら、中にはインドのことを何も調べずに相談に来る方もいらっしゃいます。こうした「リスペクト」に欠ける姿勢では、私たちも十分なサポートを提供することが難しい場合があります。
私たちが本当に支援したいのは、インドの人々に心から良いものを届けたいと願う企業です。彼らはビジネスを心底エンジョイしています。多少の困難があっても、その情熱と楽しむ心があれば、どんな壁も乗り越えられるはずです。

3.インド進出、3つの心得
私の経験から、インド進出を志す人にぜひ心に留めておいてほしい3つのポイントをお伝えします。
1. とにかく柔軟であれ
日本の常識はインドでは通用しません。例えば、日本では標準化されている許認可の手続きも、インドでは担当者や地域によって対応が異なることがあります。質問攻めにすると「面倒な相手」と見なされ、物事が進まなくなることも。「先回りして備える」ではなく「相手のやり方に柔軟に合わせる」姿勢が、結果的にスムーズなビジネスにつながります。
2. 勝負どころを決める
「なんとなく」の進出は失敗のもと。インド政府は自国経済の活性化に力を入れています。関税が高く、海外企業の参入障壁も低くはありません。「誰に、何を、どのようにして提供するのか?」を明確にし、インド市場における「勝ち筋」を描くことが不可欠です。例えば、日本製品をそのまま売るのではなく、インド向けにカスタマイズしたり、将来的に現地生産も視野に入れるなど、長期的視野で戦略を練りましょう。
3. 今いる場所でできる調査を
インド人について知ることは、彼らのためのビジネスを考える上で欠かせません。日本にいるインド人に話を聞くなど、今すぐできることから始めてみましょう。「自分ごと」としてインドを知ろうとする姿勢が、進出への「覚悟」を育みます。

世界とつながり、仕事を楽しもう
私が起業したきっかけは、オーストラリアでの留学経験でした。多文化が共存する環境で、私は日本がいかに「閉じた」社会であるかを痛感しました。
日本人がもっと海外に出て、外国人がもっと日本に来やすい環境をつくりたい。その思いから、私たちは事業を始めました。
「カレーとボリウッド映画の国」というステレオタイプなイメージを越えて、インドの真の姿を知ることは、大きなワクワクと楽しさをもたらしてくれます。
ビジネスとは、そしてキャリアとは、本来そういうものではないでしょうか。
私たちは、皆さんが世界に思いを馳せるきっかけを提供し、皆さんのビジネスがインドの人々を楽しませることを心から願っています。
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1. 誰のためのビジネスか?を問う
「なぜインドなのか?」
「インドで何がしたいのか?」
ご相談にいらっしゃる多くの企業が、この問いへの答えを曖昧にしたまま、進出を検討しています。ビジネスありき、自己本位の姿勢でインド市場に乗り込もうとするケースが少なくありません。
しかし、インドは単なる「お金儲けのツール」ではありません。インド市場を攻略するという視点から一歩踏み出し、「インドの人々を喜ばせたい」「インドに良いものをもたらしたい」というマインドを持つことが成功への第一歩です。
日本で成功したビジネスモデルをそのまま持ち込んでも、インドで通用するとは限りません。日本での成功は一度忘れて、インドの文化や国民性を深く理解し、ゼロベースで戦略を練り直す必要があります。
創業時の情熱を思い出し、「誰のために、どんな価値を提供するか?」という原点に立ち返ってみてください。その心が、インド市場の扉を開く鍵となります。
2.「リスペクト&エンジョイ」を忘れない
インドは多様性に満ちた国です。ビジネスの可能性だけでなく、その文化、人々の暮らし、自然の豊かさにリスペクトを持つことが、現地での信頼構築につながります。
残念ながら、中にはインドのことを何も調べずに相談に来る方もいらっしゃいます。こうした「リスペクト」に欠ける姿勢では、私たちも十分なサポートを提供することが難しい場合があります。
私たちが本当に支援したいのは、インドの人々に心から良いものを届けたいと願う企業です。彼らはビジネスを心底エンジョイしています。多少の困難があっても、その情熱と楽しむ心があれば、どんな壁も乗り越えられるはずです。
3.インド進出、3つの心得
私の経験から、インド進出を志す人にぜひ心に留めておいてほしい3つのポイントをお伝えします。
1. とにかく柔軟であれ
日本の常識はインドでは通用しません。例えば、日本では標準化されている許認可の手続きも、インドでは担当者や地域によって対応が異なることがあります。質問攻めにすると「面倒な相手」と見なされ、物事が進まなくなることも。「先回りして備える」ではなく「相手のやり方に柔軟に合わせる」姿勢が、結果的にスムーズなビジネスにつながります。
2. 勝負どころを決める
「なんとなく」の進出は失敗のもと。インド政府は自国経済の活性化に力を入れています。関税が高く、海外企業の参入障壁も低くはありません。「誰に、何を、どのようにして提供するのか?」を明確にし、インド市場における「勝ち筋」を描くことが不可欠です。例えば、日本製品をそのまま売るのではなく、インド向けにカスタマイズしたり、将来的に現地生産も視野に入れるなど、長期的視野で戦略を練りましょう。
3. 今いる場所でできる調査を
インド人について知ることは、彼らのためのビジネスを考える上で欠かせません。日本にいるインド人に話を聞くなど、今すぐできることから始めてみましょう。「自分ごと」としてインドを知ろうとする姿勢が、進出への「覚悟」を育みます。
世界とつながり、仕事を楽しもう
私が起業したきっかけは、オーストラリアでの留学経験でした。多文化が共存する環境で、私は日本がいかに「閉じた」社会であるかを痛感しました。
日本人がもっと海外に出て、外国人がもっと日本に来やすい環境をつくりたい。その思いから、私たちは事業を始めました。
「カレーとボリウッド映画の国」というステレオタイプなイメージを越えて、インドの真の姿を知ることは、大きなワクワクと楽しさをもたらしてくれます。
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