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村田製作所、新生産棟を竣工第4棟、先行投資で世界首位守る

村田製作所は22日、フィリピンのマニラ首都圏南方に構える工場で積層セラミックコンデンサーの新たな生産棟の竣工(しゅんこう)式を開いた。同拠点で4棟目となり、稼働により工場の生産能力は最大約2倍に拡大する見通し。電気自動車(EV)や人工知能(AI)の普及を背景に外国企業との生産競争が加速する中、設備投資を先回りして世界トップシェアの維持を狙う。

村田製作所がフィリピン工場で竣工した第4生産棟の外観=22日、バタンガス州(NNA撮影)

子会社のフィリピン村田製作所が、バタンガス州タナウアンの工業団地「ファースト・フィリピン・インダストリアル・パーク(FPIP)」に構える工場で新棟を建設した。投資額は建屋のみで112億円となり、鹿島が建設工事を請け負った。
竣工式に出席した村田製作所の中島規巨社長は「フィリピン村田製作所はグループにとって最も重要な工場の1つだ」と述べ、同工場が生産する部品は長期的な成長が見込めるとの期待を示した。
地上2階建ての新棟の延べ床面積は約7万8,000平方メートル。既存の生産棟と同じく、車載向けの積層セラミックコンデンサーを生産する。
新棟の建設は同社が進める先行投資の戦略の一環となる。既存棟に生産余力が残っている段階で供給体制を増強することで、今後想定される部品の需要増に備える狙いだ。現時点で新棟の稼働時期は未定だが、全4棟がフル稼働した場合、フィリピン工場の生産能力は現行比で約2倍になるとみている。
積層セラミックコンデンサーの需要は年平均10%のペースで伸び、約10年周期で成長をけん引する電子機器が変わるといわれている。これまではスマートフォンの普及が需要を後押ししてきたが、市場は変化しつつある。
フィリピン村田製作所の向田昌由社長は市況について「最近はAIサーバーの市場が盛り上がっている。今後はグループ内の別工場がAI向けの部品生産に移る中、フィリピン工場は車載向け部品に特化して生産量を増やすことを想定している」と話した。
自動車にはほかの製品よりも多くのコンデンサーが必要となるため、需要が高まる中で生産能力の増強は欠かせない。スマートフォンには1台につき約1,200個、ノートパソコンには約800個求められるのに対し、ガソリン車には1台当たり約8,000個、EVには1万個以上が使われている。
フィリピン工場の積層セラミックコンデンサーの生産量はグループ全体の約5%に相当する。生産品の「ほぼ100%」が輸出用となり、欧州、中国、北米向けが多い。
村田製作所グループは同コンデンサーの世界シェアで40%を占め、首位を走っているが、韓国や中国の競合が追い上げている。
向田氏は「(生産能力の増強を通じて)まずは市場首位のポジションを維持し、今後はさらにシェアを引き上げていく戦略」と話した。
村田製作所はフィリピンに先立ち、タイと中国でも生産能力を拡大している。インドでは包装・出荷向けの工場の準備が進んでおり、2026年度の本格稼働を目指している。

新生産棟の竣工式典に出席した村田製作所の中島社長(右から3人目)とフィリピン子会社の向田社長(同4人目)=22日、バタンガス州(NNA撮影)
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竣工式に出席した村田製作所の中島規巨社長は「フィリピン村田製作所はグループにとって最も重要な工場の1つだ」と述べ、同工場が生産する部品は長期的な成長が見込めるとの期待を示した。
地上2階建ての新棟の延べ床面積は約7万8,000平方メートル。既存の生産棟と同じく、車載向けの積層セラミックコンデンサーを生産する。
新棟の建設は同社が進める先行投資の戦略の一環となる。既存棟に生産余力が残っている段階で供給体制を増強することで、今後想定される部品の需要増に備える狙いだ。現時点で新棟の稼働時期は未定だが、全4棟がフル稼働した場合、フィリピン工場の生産能力は現行比で約2倍になるとみている。
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フィリピン村田製作所の向田昌由社長は市況について「最近はAIサーバーの市場が盛り上がっている。今後はグループ内の別工場がAI向けの部品生産に移る中、フィリピン工場は車載向け部品に特化して生産量を増やすことを想定している」と話した。
自動車にはほかの製品よりも多くのコンデンサーが必要となるため、需要が高まる中で生産能力の増強は欠かせない。スマートフォンには1台につき約1,200個、ノートパソコンには約800個求められるのに対し、ガソリン車には1台当たり約8,000個、EVには1万個以上が使われている。
フィリピン工場の積層セラミックコンデンサーの生産量はグループ全体の約5%に相当する。生産品の「ほぼ100%」が輸出用となり、欧州、中国、北米向けが多い。
村田製作所グループは同コンデンサーの世界シェアで40%を占め、首位を走っているが、韓国や中国の競合が追い上げている。
向田氏は「(生産能力の増強を通じて)まずは市場首位のポジションを維持し、今後はさらにシェアを引き上げていく戦略」と話した。
村田製作所はフィリピンに先立ち、タイと中国でも生産能力を拡大している。インドでは包装・出荷向けの工場の準備が進んでおり、2026年度の本格稼働を目指している。
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