マレーシア政府は、26日から首都クアラルンプールで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議で、米国政府との貿易協定に調印する見通しだ。アンワル・イブラヒム首相兼財務相によると、米国との貿易交渉はほぼ完了しており、24日の閣議で最終決定するという。
ASEAN関連会議を前に記者会見を開いたアンワル首相(左)とモハマド外相=22日、プトラジャヤ(NNA撮影)
アンワル氏は22日、行政都市プトラジャヤの財務省庁舎で開いた記者会見で、「米国との貿易協定を巡る課題の99.9%は解決している」と説明。「残りの0.01%の課題については24日の閣議で協議し、最終決定する」とし、26日に開幕するASEAN関連会議で、トランプ米大統領と初期協定に調印する見通しを明らかにした。
トランプ政権は8月、「相互関税」について、マレーシアの関税率を当初の25%から19%に引き下げた。関税率は、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアといったASEANの近隣国と同水準となった。
このほか、トランプ政権は半導体への課税も検討しており、半導体を含む電気・電子製品が主要産業の一つとなっているマレーシアは、この動きを懸念している。2国間の貿易交渉の焦点は半導体のほか、人工知能(AI)、デジタル、エネルギー分野という。
アンワル氏は米国との貿易交渉について、「当然ながら米国は自国を優先するため、交渉は厳しいものとなる」とコメント。米国との投資・貿易関係の強化に向けた取り組みにおいて問題はないとする一方で、「他国との協力を排除してはならない」とし、全ての国との良好な関係を志向する「全方位外交」を継続していくことを強調した。
26~28日に開かれるASEAN関連会議には、トランプ氏をはじめ、高市早苗首相など世界の首脳が集結する予定で、米国との貿易協定が主要議題となる見通しだ。一方、ロシアのプーチン大統領は欠席し、代わりにノバク副首相が出席する予定という。
アンワル氏は、高市氏との初対面を控え、「パレスチナ自治区ガザの復興支援に対する日本の関与について話し合いたい」との考えを示した。
■議長国として80以上の成果
今回のASEAN関連会議では、米国との貿易交渉のほか、東ティモールのASEAN加盟や、国境地帯で起きた軍事衝突を巡り関係が悪化しているタイとカンボジアの和平合意の調印なども見込まれている。
アンワル氏と共に記者会見に臨んだモハマド・ハサン外相は、ASEAN議長国としての実績について問われ、「ASEAN関連会議を通じて上げた80以上の成果について分析を完了し、共同声明を出す準備が整う見通しだ」と明らかにした。
主な実績として、今年5月のASEAN首脳会議でASEANの向こう20年間の方向性を定めた「ASEAN共同体ビジョン2045」を採択したこと、東ティモールのASEAN加盟が決定したこと、中国・ASEAN自由貿易協定(ACFTA)のアップグレード(ACFTA3.0)の調印のめどが立ったことなどを挙げた。
<メモ>
ASEAN議長国
加盟国10カ国が輪番制で務めている。マレーシアは、ラオスの首都ビエンチャンで昨年10月に開催されたASEAN首脳会議の閉会式で前任国のラオスから議長国を引き継ぎ、今年1月に議長国としての任務を開始した。今回のASEAN首脳会議で、フィリピンに議長国を引き継ぐ。
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トランプ政権は8月、「相互関税」について、マレーシアの関税率を当初の25%から19%に引き下げた。関税率は、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアといったASEANの近隣国と同水準となった。
このほか、トランプ政権は半導体への課税も検討しており、半導体を含む電気・電子製品が主要産業の一つとなっているマレーシアは、この動きを懸念している。2国間の貿易交渉の焦点は半導体のほか、人工知能(AI)、デジタル、エネルギー分野という。
アンワル氏は米国との貿易交渉について、「当然ながら米国は自国を優先するため、交渉は厳しいものとなる」とコメント。米国との投資・貿易関係の強化に向けた取り組みにおいて問題はないとする一方で、「他国との協力を排除してはならない」とし、全ての国との良好な関係を志向する「全方位外交」を継続していくことを強調した。
26~28日に開かれるASEAN関連会議には、トランプ氏をはじめ、高市早苗首相など世界の首脳が集結する予定で、米国との貿易協定が主要議題となる見通しだ。一方、ロシアのプーチン大統領は欠席し、代わりにノバク副首相が出席する予定という。
アンワル氏は、高市氏との初対面を控え、「パレスチナ自治区ガザの復興支援に対する日本の関与について話し合いたい」との考えを示した。
■議長国として80以上の成果
今回のASEAN関連会議では、米国との貿易交渉のほか、東ティモールのASEAN加盟や、国境地帯で起きた軍事衝突を巡り関係が悪化しているタイとカンボジアの和平合意の調印なども見込まれている。
アンワル氏と共に記者会見に臨んだモハマド・ハサン外相は、ASEAN議長国としての実績について問われ、「ASEAN関連会議を通じて上げた80以上の成果について分析を完了し、共同声明を出す準備が整う見通しだ」と明らかにした。
主な実績として、今年5月のASEAN首脳会議でASEANの向こう20年間の方向性を定めた「ASEAN共同体ビジョン2045」を採択したこと、東ティモールのASEAN加盟が決定したこと、中国・ASEAN自由貿易協定(ACFTA)のアップグレード(ACFTA3.0)の調印のめどが立ったことなどを挙げた。
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ASEAN議長国
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