シンガポールの日系企業にNNAが実施した福利厚生調査で、単身で暮らす日本人駐在員の家賃のボリュームゾーンが月額4,000~5,600Sドル(約48万~67万円)であることが明らかになった。住宅手当がある企業の割合は9割とアジア各国の中でも最高水準だった。駐在員のエンゲージメント(働きがいや組織への愛着)向上を目指し、大半の企業が研修やイベント開催など何らかの制度を設けていることも分かった。
NNAはアジア各国・地域の日系企業で働く日本人駐在員を対象に、2025年4月30日~5月15日に調査を実施した。シンガポールの有効回答数は98件で、うち製造業が38件、非製造業が60件だった。
住まいに関する質問では、会社規定による月額家賃のレンジを家族構成ごとに尋ねた。「単身」は「4,000~5,600Sドル未満」が46%を占めて最大。「本人・配偶者」も「4,000~5,600Sドル未満」がボリュームゾーンだった。
「本人・配偶者・子ども1人」と「本人・配偶者・子ども2人以上」は、それぞれ「5,600~7,400Sドル未満」がボリュームゾーンだった。
業種別に見ると「小売・卸売」「石油・化学・エネルギー」「食品・飲料」は、低価格から高価格まで家賃のレンジに比較的ばらつきがあった。
赴任先で住宅手当があるかとの質問には、90%が「ある」と回答した。物価高で知られる香港の約8割を上回り、アジアの中ではタイと並んで最高水準となった。
■4割が公共交通機関で通勤
欧米並みに物価水準の高いシンガポールは、アジア各国と比べて家賃が高額になりやすい。一方、治安の良さや社会インフラの充実によって、出費や手当の必要性が小さい分野もある。生活が困難な地域で勤務する駐在員に支給するハードシップについては、8割近くが「ない」と回答している。
通勤方法に関する質問(複数回答可)では、126件の有効回答数のうち「公共交通機関」が54件と最多だった。公共交通機関の利用率は約4割で、東南アジアの中では突出して高かった。このほかの通勤手段は「社用車」が50件、「タクシー」が7件、「その他」が3件。生活圏の狭さを反映してか「徒歩」も12件あった。業種別では、「機械・機械部品」「小売・卸売」「食品・飲料」で社用車が使われる傾向が見られた。
会社が推奨している勤務形態は、122件の有効回答数のうち58件が「ない」と答えた。以下、「テレワークと出勤のハイブリッドワーク」が27件、「フレックスタイム制」が14件、「時差出勤」と「テレワーク」がともに7件などだった。テレワークと出勤のハイブリッドワーク、フレックスタイム制は、幅広い業種で推奨されている。
駐在員のエンゲージメント向上策として会社が導入している制度については、152件の有効回答数を得た。このうち「ない」が38件で最も多く、「研修制度」が32件、「キャリア形成、幹部育成」が25件、「定期的な食事会、イベントの開催」が24件、「評価制度の見直し」が18件などと続いた。何らかの制度を設けているとの回答は7割に上り、アジア各国と比較すると香港と並んで比率が高かった。
調査ではこのほか、赴任・帰任の手当、引っ越しに伴う会社負担、休暇制度などについても聞いている。

※詳細データは『アジア駐在員福利厚生調査結果2025年』(PDF版)<https://www.nna.jp/s/D1e5aaWIUl>に収録されています。
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業種別に見ると「小売・卸売」「石油・化学・エネルギー」「食品・飲料」は、低価格から高価格まで家賃のレンジに比較的ばらつきがあった。
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■4割が公共交通機関で通勤
欧米並みに物価水準の高いシンガポールは、アジア各国と比べて家賃が高額になりやすい。一方、治安の良さや社会インフラの充実によって、出費や手当の必要性が小さい分野もある。生活が困難な地域で勤務する駐在員に支給するハードシップについては、8割近くが「ない」と回答している。
通勤方法に関する質問(複数回答可)では、126件の有効回答数のうち「公共交通機関」が54件と最多だった。公共交通機関の利用率は約4割で、東南アジアの中では突出して高かった。このほかの通勤手段は「社用車」が50件、「タクシー」が7件、「その他」が3件。生活圏の狭さを反映してか「徒歩」も12件あった。業種別では、「機械・機械部品」「小売・卸売」「食品・飲料」で社用車が使われる傾向が見られた。
会社が推奨している勤務形態は、122件の有効回答数のうち58件が「ない」と答えた。以下、「テレワークと出勤のハイブリッドワーク」が27件、「フレックスタイム制」が14件、「時差出勤」と「テレワーク」がともに7件などだった。テレワークと出勤のハイブリッドワーク、フレックスタイム制は、幅広い業種で推奨されている。
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