こんにちは!jobwire編集室のSenaです。
2月に入り、春節(チャイニーズニューイヤー)まであと2週間!香港も中華圏なので街中に赤いランタンやゴールドの飾りで華やいできました。さてさて、春節前後は、転職シーズン。また、卒業予定の大学生の就活シーズンでもあります。
今回は中国人の就職に関するデータを解説していきましょう。
中国人学生にとっては就職氷河期【就職率データから考察する】

右肩上がりにぐんぐん伸びてきた経済成長も落ち着きを見せ、近年は成長率が停滞している中国。経済発展をひととおり終えた今直面しているのは「就職難」です。
大都市では大卒者や海外留学組なども増え、学生たちのレベルも昔に比べ上がっていることからますます競争率が上がっています。
中国人大学生の就職率とは
少し以前のデータになってしまいますが、2013年7月1日までの大学卒業生の就職率は73.3%で、2012年と比べて2%低かった。2013年末における最終的な就職率は公表されていないが、恐らく85%前後かと思われる。と「国家発展・改革委員会」が発表しています。
院卒者の就職率
大学院に進学する学生も近年増えているのですが、学部卒の方が就職はしやすい傾向にあります。
参考に2011年卒業者の就職率を学歴別に見ると、修士課程院生は86.6%、学部生は90.3%、専科生(短大生)94.1%と、院生の就職率は専科生より約8%も低く、就職率と学歴が反比例するという現象が起こりました。
- 修士課程院生:86.6%
- 学部生:90.3%
- 専科生(短大生):94.1%
これは、中小企業などでは院卒者の希望の待遇や給料までを支払えないことや、院卒生の方も理想が高く、希望に沿った就職先が見つからない。との理由があります。
中国女性の就職率
では、女性の就職率はどうでしょうか。
中国の女性は強い仕事思考を持っていると言われています。中国女性の73%の女性が職を持ち、就業率が北欧諸国と並び世界トップレベルということがわかりました。(ベイン・アンド・カンパニー調べ)
ただ、管理職の就業率は男性に比べると少ないですが、それでも割合を見るとアジア首位の35パーセント。※「瀚納仕」(Hays)調べ。調査対象国は中国、日本、シンガポール、香港、マレーシアの5カ国・地域。
中国の目覚ましい経済発展、特にサービス業の急成長による人材不足という状況から企雇用主は個人の能力をベースに人材を選抜する傾向にあり、女性も対等に評価される可能性が高まっているとのこと。
日本は15パーセントという結果から見ると、まだまだ世界基準になるには時間がかかりそうですね。
海外留学組の就職活動状況
「海外留学」から帰国して就職活動を行う学生の数も増えています。
2007年には帰国を選択した人はわずか4万4千人でしたが、2016年には、その10倍近い43万2500人にが留学から帰国し、就職活動を国内で行いました。(2017年サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)調べ)
そのため、海外留学組の数が飽和状態になり、彼らの初任給基準も1万元(約17万円)から6千元(約10万円)に減少した結果になっています。
中国の大学生から人気の業種とは

そんな激しい就職競争を強いられている中国の大学生たちですが、では、彼らが就職したい業種はどんなものがあるのでしょうか。
- IT企業(通信、電子を含む)
- 金融機関(銀行、アセットマネジメント、証券、保険など)
- 政府機関
IT企業については、国内のSNSの急速な普及により、創業者が若くして立ち上げたベンチャー企業が成功し、中国を代表する三大IT企業「BAT」(百度、アリババグループ、テンセント)に急成長したなどの背景から、若者の間ではIT業種が一番人気となっています。
杭州市・深セン市が人気。
日本と違うのは、大都市の北京市や経済都市である上海市などで働くことを、それほど希望していない学生が多いです。
大学生の多くは「各省の省都(日本の県庁所在地に相当)」やその下の「地方の中規模都市」での就職を希望している割合が多いんです。
その理由としては、初任給に対し大都市の物価や住宅コストを払うのは、難しいということや、またネットやスマートフォンの普及により、大都市でなくても希望する一定レベルの生活や就業環境を確保できる点もあります。さらに人気企業のアリババグループの本部は浙江省杭州市、テンセントは広東省深セン市に拠点があったりと、地方都市から誕生して成功した企業も数多くあることも背景にあるようです。
就職率が良い学部
大学の学部の専攻で就職率が最も高かったのは「財務管理」就職率は95.3%。また給与が最高だったのは「コンピューター科学・技術」でした。(「2016年中国大学生就職報告」調べ)
番外編:日本と中国の経済成長率の比較【中国の就職難レベルとは】
最後に、日本と中国のGDPに目を向けてみます。
※GDP: 国内総生産。一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額のこと。
※参照:世界経済のネタ帳
国の学力と経済成長は密に関わっています。グラフを見ると、2007年から2014年あたりまでの推移から急激に経済成長を遂げたことがわかりますね。
参照:主要国のGDP
このグラフを見ると、現在中国は日本の約2倍のGDP。昔は世界の工場だった中国ですが、今は商品やサービスの販売マーケット先として世界各国の企業が中国マーケットを意識しています。
この急激な経済成長から、国民の暮らしが豊かになり教育に関する意識も大きく変わりました。2001年の大学の卒業生は114万人だったのに対し、2014年は727万人、15年が749万人、16年が765万人と推移し、2017年は749万人という数字に!(教育省調べ)
2015年には「最大の就職難」と言われ未だその風潮は続いています。日本が2017年の大学卒業生の数が56万人だったのを考えると中国は同年749万人。日本の約13倍のライバルたちの中就職活動をしなくてはいけないという過酷な時代になっています。
企業の数も多いとはいえ、もはや学生の数桁が違いすぎて想像もできません。想像を絶する戦いなのでしょう・・・
以上、今回は中国における中国人の就職状況についてデータを集めてみました。
今の大学生は、「90後」(ジュウリンホウ)、「95後」(ジュウウーホウ)と呼ばれる世代です。この世代は「一人っ子政策」の下、経済的にも比較的恵まれた環境の中で育ってきたので、職場に求める希望も高いのも特徴です。「給与」だけでなく、「自由な環境」「働きやすさ」を求める傾向が強いとみられていて、これも就職難の原因の一つだそう。まさに日本のゆとり世代と同じですね。
今後中国がどのようにこの就職難から抜け出していくのか、国がどのような方針を打ち出していくのか引き続き目が離せません!
- 修士課程院生:86.6%
- 学部生:90.3%
- 専科生(短大生):94.1%
中国女性の就職率
では、女性の就職率はどうでしょうか。 中国の女性は強い仕事思考を持っていると言われています。中国女性の73%の女性が職を持ち、就業率が北欧諸国と並び世界トップレベルということがわかりました。(ベイン・アンド・カンパニー調べ) ただ、管理職の就業率は男性に比べると少ないですが、それでも割合を見るとアジア首位の35パーセント。※「瀚納仕」(Hays)調べ。調査対象国は中国、日本、シンガポール、香港、マレーシアの5カ国・地域。 中国の目覚ましい経済発展、特にサービス業の急成長による人材不足という状況から企雇用主は個人の能力をベースに人材を選抜する傾向にあり、女性も対等に評価される可能性が高まっているとのこと。 日本は15パーセントという結果から見ると、まだまだ世界基準になるには時間がかかりそうですね。海外留学組の就職活動状況
「海外留学」から帰国して就職活動を行う学生の数も増えています。 2007年には帰国を選択した人はわずか4万4千人でしたが、2016年には、その10倍近い43万2500人にが留学から帰国し、就職活動を国内で行いました。(2017年サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)調べ) そのため、海外留学組の数が飽和状態になり、彼らの初任給基準も1万元(約17万円)から6千元(約10万円)に減少した結果になっています。中国の大学生から人気の業種とは

- IT企業(通信、電子を含む)
- 金融機関(銀行、アセットマネジメント、証券、保険など)
- 政府機関
杭州市・深セン市が人気。
日本と違うのは、大都市の北京市や経済都市である上海市などで働くことを、それほど希望していない学生が多いです。 大学生の多くは「各省の省都(日本の県庁所在地に相当)」やその下の「地方の中規模都市」での就職を希望している割合が多いんです。 その理由としては、初任給に対し大都市の物価や住宅コストを払うのは、難しいということや、またネットやスマートフォンの普及により、大都市でなくても希望する一定レベルの生活や就業環境を確保できる点もあります。さらに人気企業のアリババグループの本部は浙江省杭州市、テンセントは広東省深セン市に拠点があったりと、地方都市から誕生して成功した企業も数多くあることも背景にあるようです。就職率が良い学部
大学の学部の専攻で就職率が最も高かったのは「財務管理」就職率は95.3%。また給与が最高だったのは「コンピューター科学・技術」でした。(「2016年中国大学生就職報告」調べ)番外編:日本と中国の経済成長率の比較【中国の就職難レベルとは】




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