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首都の大規模複合開発が始動三菱地所、2028年以降に完工

三菱地所が参画するインドネシアの首都ジャカルタ中心部の大規模複合開発プロジェクト「オアシス・セントラル・スディルマン」が1月31日、正式に始動した。土木工事を経て、建築工事は2024年以降に開始し、完工は28年以降を予定する。総投資額は10兆6,000億ルピア(約920億円)。政府が交通のハブ化を目指している複数の公共交通機関が通るエリアに位置しており、周辺地域のさらなる発展が見込まれる。

「オアシス・セントラル・スディルマン」の完成予想図(三菱地所提供)

オアシス・セントラル・スディルマンは、国家公務員の年金を運用する国営会社タスペンの新たな本社ビルの建設を含む土地一帯の大規模複合再開発計画となる。
指名競争入札を経て、三菱地所と地場デベロッパーのベンヒル・プロパティのコンソーシアム(企業連合)が共同事業者として選定され、タスペンの不動産部門子会社タスペン・プロパティ・インドネシアと共同で参画している。三菱地所インドネシアが、事業会社からプロジェクトマネジメント業務を受託し、開発を主導する。
開発地の敷地面積は3万3,000平方メートルで、三菱地所が手がけるインドネシアのプロジェクトでは最大規模となる。地上75階建て高さ約330メートルのA棟と、地上65階建て高さ約280メートルのB棟の2棟を建設する。A棟はオフィスとサービスアパート、B棟は分譲住宅となる予定。
2棟には商業施設も併設し、飲食店やアパレル店、インドネシアの手工芸品店などが入居する予定。三菱地所インドネシアの加藤浩志社長は「エリア全体の付加価値を高められるような飲食店やショップを集め、オフィスで働く人や居住者だけでなく、新たに人々を引きつけるスポットにしていきたい」と説明する。
タスペンのコサシ社長は起工式で「開発エリアはインドネシアのアイコンとなるだけでなく、計画から建設、その後の運営も含めて最大で10万人の雇用を創出する」と述べた。
■日本での駅前開発の知見生かす
開発エリアは、ジャカルタ目抜き通りのスディルマン通り沿いに位置する。約500メートル圏内に、都市高速鉄道(MRT)のドゥクアタス駅や首都圏通勤電車のスディルマン駅、空港鉄道のBNIシティー駅がある。このほか、今年開業を目指す首都圏軽量軌道交通(LRT)駅の建設や、州営バス「トランスジャカルタ」の停留所の改修が進む。

起工式には、三菱地所やタスペンの関係者のほか、経済担当調整省のスシウィジョノ秘書官(手前中央)や金杉憲治駐インドネシア日本大使(同左)らが出席した=1月31日、ジャカルタ(NNA撮影)

三菱地所は、現時点で同プロジェクトの開発エリアが、公共交通機関と連結するといった具体的な計画はないが、機会があれば検討していきたいとしている。
同社の東南アジア・オセアニア事業の統括拠点である、シンガポール現地法人の三菱地所アジア社の相川雅人マネジングディレクターは「当社は東京駅前の丸の内エリアや大阪駅前の『うめきたエリア』などでも開発を手がけており、公共交通機関の駅周辺開発の専門的な知見をジャカルタでも発揮していきたい」と意気込む。
起工式に出席した経済担当調整省のスシウィジョノ秘書官は「公共交通機関を基盤とする公共交通志向型開発(TOD)エリアという戦略的な場所にあり、ジャカルタの新しいランドマークになるだろう」と語った。
三菱地所のインドネシアでの事業は、第1号物件としてジャカルタ中心部の高層オフィスビル「Trinity Tower(トリニティタワー)」を21年に稼働開始したほか、22年には西ジャワ州カラワン県でラグジュアリーアウトレットモール事業に参画すると発表している。三菱地所インドネシアの加藤社長は「現在は首都圏を中心に事業を展開しているが、観光地バリ島などポテンシャルのある場所でも検討していきたい」と語った。

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■日本での駅前開発の知見生かす
開発エリアは、ジャカルタ目抜き通りのスディルマン通り沿いに位置する。約500メートル圏内に、都市高速鉄道(MRT)のドゥクアタス駅や首都圏通勤電車のスディルマン駅、空港鉄道のBNIシティー駅がある。このほか、今年開業を目指す首都圏軽量軌道交通(LRT)駅の建設や、州営バス「トランスジャカルタ」の停留所の改修が進む。
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三菱地所は、現時点で同プロジェクトの開発エリアが、公共交通機関と連結するといった具体的な計画はないが、機会があれば検討していきたいとしている。
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