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日本酒をPR、ジェトロとJNTOなど連携

日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)、日本政府観光局(JNTO)クアラルンプール事務所は、17~19日に首都クアラルンプールで開かれたマレーシア最大の旅行見本市「MATTAフェア」で日本酒のプロモーションイベントを実施した。ジェトロ、JFOODO、JNTOは昨年12月、日本の農林水産物・食品の輸出と訪日旅行の相乗的な拡大を狙いとして覚書を締結。3者が連携してマレーシアでイベントを実施するのは初めてとなった。

日本酒の試飲会で3銘柄の飲み比べをする参加者ら=18日、クアラルンプール(NNA撮影)

マレーシアの日本酒輸入業者ダジン・ビバレッジズ、フィンラックスと協力して、日本酒の魅力を紹介するトークやクイズ、試飲会を実施した。18日の試飲会では、八海醸造(新潟県南魚沼市)のスパークリング日本酒「瓶内二次発酵酒 あわ 八海山」、酔鯨酒造(高知市)の「酔鯨 純米大吟醸酒」、山忠本家酒造(愛知県愛西市)の「義侠 純米原酒50%」の3銘柄を紹介。高橋克彦駐マレーシア日本大使夫妻も臨席した。
試飲会に参加したクアラルンプール在住のアイリーンさん(40代女性)は「来月東京に旅行するため、どの日本酒がおいしいのか知りたくて参加した」とコメント。「スパークリング日本酒を飲んだのは初めてだったが、とても気に入った」と話した。今回の訪日旅行は2回目で、観光名所巡りのほか、飲食も楽しみにしているという。
19日の試飲会では、秀鳳酒造場(山形市)の「秀鳳 純米吟醸」、川島酒造(滋賀県高島市)の「松の花 純米酒」、室町酒造(岡山県赤磐市)の「純米吟醸 佐近」の3銘柄を紹介した。
日本の観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査(2019年)によると、マレーシアからの訪日旅行者のうち、「日本食を食べること」「日本の酒を飲むこと」に満足したと回答した人の割合はそれぞれ94.4%、87.8%に上っており、「食」への関心が高いことがうかがえる。また、酒蔵見学や酒造体験も人気だという。
■若年層を中心に人気じわり
日本の財務省貿易統計によると、22年の日本からマレーシアへの日本酒輸出額は前年比1.87倍の6億2,568万円を記録。富裕層・中間層の所得拡大を背景に、日本酒の需要は急拡大している。マレーシアはアルコールが禁忌のイスラム教徒(ムスリム)が人口の6割を占めるが、中華系を中心に消費が急速に伸びているとみられる。
一方で、21年のマレーシアの日本酒の市場規模は約16億円と推計されており、同国のアルコール市場(約3,660億円)に占めるシェアはわずか0.44%(ユーロモニター調べ)にとどまっており、販売チャンネルと消費者の認知の拡大が課題となっている。
今回のPRイベントに協力したマレーシア企業のダジン・ビバレッジズは、主にマレーシア国内の飲食店やスーパーマーケットに日本酒を販売している。オペレーションディレクター、タン・ヤンゼ氏は「20年以降、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、マレーシアでは『おまかせ』スタイルの日本食レストランが増加しており、それに伴い日本酒の需要も拡大している」と説明。特に35歳以下の中華系若年層の間で人気が高まっているという。
タン氏は「これまで日本食レストランへの販売が中心だったが、フランス料理や中華料理などを提供するレストランへの販路拡大を目指している」と話した。

酒ソムリエ(左)と歓談する高橋大使夫妻=18日、クアラルンプール(NNA撮影)
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マレーシアの日本酒輸入業者ダジン・ビバレッジズ、フィンラックスと協力して、日本酒の魅力を紹介するトークやクイズ、試飲会を実施した。18日の試飲会では、八海醸造(新潟県南魚沼市)のスパークリング日本酒「瓶内二次発酵酒 あわ 八海山」、酔鯨酒造(高知市)の「酔鯨 純米大吟醸酒」、山忠本家酒造(愛知県愛西市)の「義侠 純米原酒50%」の3銘柄を紹介。高橋克彦駐マレーシア日本大使夫妻も臨席した。
試飲会に参加したクアラルンプール在住のアイリーンさん(40代女性)は「来月東京に旅行するため、どの日本酒がおいしいのか知りたくて参加した」とコメント。「スパークリング日本酒を飲んだのは初めてだったが、とても気に入った」と話した。今回の訪日旅行は2回目で、観光名所巡りのほか、飲食も楽しみにしているという。
19日の試飲会では、秀鳳酒造場(山形市)の「秀鳳 純米吟醸」、川島酒造(滋賀県高島市)の「松の花 純米酒」、室町酒造(岡山県赤磐市)の「純米吟醸 佐近」の3銘柄を紹介した。
日本の観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査(2019年)によると、マレーシアからの訪日旅行者のうち、「日本食を食べること」「日本の酒を飲むこと」に満足したと回答した人の割合はそれぞれ94.4%、87.8%に上っており、「食」への関心が高いことがうかがえる。また、酒蔵見学や酒造体験も人気だという。
■若年層を中心に人気じわり
日本の財務省貿易統計によると、22年の日本からマレーシアへの日本酒輸出額は前年比1.87倍の6億2,568万円を記録。富裕層・中間層の所得拡大を背景に、日本酒の需要は急拡大している。マレーシアはアルコールが禁忌のイスラム教徒(ムスリム)が人口の6割を占めるが、中華系を中心に消費が急速に伸びているとみられる。
一方で、21年のマレーシアの日本酒の市場規模は約16億円と推計されており、同国のアルコール市場(約3,660億円)に占めるシェアはわずか0.44%(ユーロモニター調べ)にとどまっており、販売チャンネルと消費者の認知の拡大が課題となっている。
今回のPRイベントに協力したマレーシア企業のダジン・ビバレッジズは、主にマレーシア国内の飲食店やスーパーマーケットに日本酒を販売している。オペレーションディレクター、タン・ヤンゼ氏は「20年以降、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、マレーシアでは『おまかせ』スタイルの日本食レストランが増加しており、それに伴い日本酒の需要も拡大している」と説明。特に35歳以下の中華系若年層の間で人気が高まっているという。
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